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「台形」というお店で特別な夜を過ごした話
どうもはじめまして。
今日からnoteをはじめることにしました、どうぞよろしくお願いします。(なぜ始めようと思ったのかはまた違う機会にお話できれば…と思っています。)
早速ですが、11月の終わりに「台形」というお店に行ってきたお話をしようかな思います。
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「台形」は東京の国立にある無国籍・創作料理店。
今回はそれぞれのお料理に合わせたお酒が提供される、アルコールペアリングのコースディナーで予約しました。
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左側がお料理、右がペアのアルコール
このメニュー、見ての通り食材しか載ってないんです。これだけでワクワクしました。「形になってないものを想像する」って、日常だと忘れがちだなと気づきました。大人になってから、失敗が怖くて無難なものを選んでしまうことが増えた気がする。
伺った日から1週間以上空いてしまってるので、記憶が曖昧な部分もあり言葉にできる自信がない…と思ってたら店主さんが説明してくださった内容をメモしてるものを発見したので(ありがとう、わたし…)それを見ながら記憶と繋いでみようかな、と思います。
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①季節のスープ はじめのひとくち、きのこの香りが口いっぱいに広がってきた。おいしくて泣きそうになった。次は上に乗ってる紅はるかのペーストと一緒に。ペーストにはクミンが入っていてこれがまたいいアクセントだった、人肌くらいのぬくもりが喉をつたって緊張がほぐれた。
アルコールは青リンゴみたいな瑞々しくてさわやかな味だった。
これが台形で食べたはじめてのお料理。
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②季節の前菜 おかひじきの緑、金柑の橙色、きらきらのジュレが綺麗だと思った。甘酸っぱい金柑ジュレに菊の花びら、真ん中に柿、下は香ばしい茄子の層。柿を食べたのはいつぶりだろう。子どもの頃は苺なんかと比べると甘くないし、なんともいえない歯応えとぬるっとする感じが好きじゃなかった。今はこの甘さがちょうどいいし歯応えも面白くて美味しく感じる。
アルコールはザクロのような酸味と渋み。金柑の甘酸っぱさと合う。このあたりからアルコールでふわふわしてきた。
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③肉寿司!?と思ったら、下に牛蒡のプディングが隠れてた。牛肉の肉感をやさしく包むように牛蒡が香る、いくら特有のもったりした味が口の中ではじける。重たいけど、胡椒があるから食べやすい。
アルコールはワイン発祥の地である、ジョージアの固有の品種であるキシを使って地中に埋めて醸造するワインとのこと。辛口で肉感と調和してくれる。今回のコースの中で1番美味しいと思ったお酒。
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④海老のグラタン 海老がお布団に包まれてるみたいでふふっと笑ってしまった、かわいい。海老の殻を粉砕したものと南瓜ソースを合わせたものが海老にかかっている。レア気味な海老の身が、ふわふわしていてやさしい味がした。海老ってこんなに美味しかったっけ?(多分殻の味が好きなのかもしれない。)
ペアリングのワインは、ワインの搾りかすを使って二次発酵させたものとのこと。赤ワイン特有の渋みがあって、ちびちびゆっくり飲んだ。普段は白ばかり飲んでるので、これを機に赤ワインも飲めるようになりたい…。
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⑤1番インパクトがあった5皿目。 ミモレットチーズのクラっとするような臭いにびっくり!でもこの臭いが食欲を唆られるんだよね…。子どもの頃遊んでた小さなビーズみたいにきらきらした飛び子が散りばめられてる。白玉粉の塊にナイフを入れるとミートソースのような甘い味付けのラム挽肉が出てきた。ヨーグルトソースと絡めていただく。ラム肉は大人になってから美味しいと感じるようになった食材の一つだ。白玉粉のもちっとした皮、甘いラム挽肉、甘酸っぱいソース、つぶつぶの飛び子、チーズの臭い。なににも例えられないけど、美味しい。
アルコールもこれまたびっくり。「お肉みたいな野生味のあるシードルワインです」と店主さん。疑心暗鬼で口に含む。本当だ…お肉みたいな力強さ、干し草みたいな香りもする。この料理にピッタリだと思った。
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⑥焙じ茶と赤ワインの羊羹 ここにきて羊羹…ずっと洋っぽいビジュアルの料理が続いていたから、なんか安心してしまった。まずはそのままいただく。焙じ茶が口いっぱいに広がった、そりゃ…美味しいよね…。次は添えられた栗のムースと一緒に。間違いなく美味しいよね、焙じ茶と栗って最強の組み合わせなのでは…。
そして一緒に出てきたドリンクは温かいハーブティー。「羊羹の中にワインを使っているのでアルコールは入っていないです」とのこと。だいぶ飲んだし食べていたので、温かいご配慮を感じました。
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……素敵な夜だったのが伝わっていますかね?
8月に予約してからずっと心待ちにしてた台形さんでのディナー。なかなか予約が取れず諦めかけていた矢先の抽選制。ありがとうございます…!
今回はひとりで伺いましたが、誰かとこの素敵な時間を共有できたらいいなぁ…なんて誘いたい人を思い浮かべながら帰り道を歩きました。
この日が秋のメニュー最終日だったとのことで、また違う季節のコースもいただきたいですね。
長文、拙文失礼いたしました。
ではまた。