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水族館の神秘と海洋恐怖症

わたしは水族館が大好きだ。
動物園みたく臭いもないし、遊園地みたいに疲れない。

暗く長い道にポツポツと現れる大小さまざまな青の世界。
そこで優雅に飛び交う魚たち。
某ネズミが愛嬌を振りまくあのテーマパークに匹敵するほど非日常を味わえる。

わたしは動物でも魚でもジブリでも強そうなものを好きになる傾向がある。ライオンやジャガー、ゾウが好きだし、小さい頃はもののけ姫に出てくるモロという山犬の母親をペットにしたかった。それがダメだと言われた時はシャチを飼いたいと言っていた。

だから当然のごとく水族館に行けばサメに夢中だしシャチがいれば大興奮だ。ただそんなわたしの興を削いでくるものがある。
わたしは海洋恐怖症なのだ。

自分の目線より水面の方が高い、もしくは目線の高さに近いともう水槽には近づけない。
サメが入っているような大水槽なんかもってのほかだ。


水中トンネルなんて子どもの頃に大号泣して一歩も先に進めなかったし、大人になった今だってトンネル内でガラスの中を見ることができない。

一体何が恐ろしいのかと言うと、水槽を見ると自分が水槽内に何らかの理由で入ってしまった状態を思い浮かべてしまう。


あぁ、この中に落ちて溺れてしまったら…今泳いでいるサメの餌になるんだろうな。岩も水面から遠いから岩に立ったところで息ができない…。
この中途半端に深くて狭い水槽に入ってしまって中のピラルクーと目があったら…などである。

地元の小さな水族館にあった、船の地下に入って海の中を見てみようみたいなものは本当に楽しめなかった。まるで水難事故で溺れ死んだ気分だった。

そしてもう一つ。ヒトデ、貝類、タコ、なまこなどの軟体動物も苦手だ。
あの自由自在に形を変えている様がどうにも気味が悪い。
クモヒトデなんて子どもの頃に図鑑で見かけた瞬間に図鑑を放り投げていたほどだ。

なので海の生き物に触れ合えるコーナーで触れ合えた記憶はない。
静かで触れ合っても害がない海の生物は大体がヒトデや貝、なまこになる。
いつもみんなが満足するのをぼーっと待っていた。

その話題に繋いでもう一つ、潮干狩りも苦手だ。
アサリやシジミなどの二枚貝が特に苦手である。

見つけた時にちゃんと中身が入っているかを確認するため、両手で殻を開く。中に貝が入っていれば開かないし、空の場合は簡単にパカっと開いてくる。

ただわたしの場合はその確認をする行為がそもそもできないし、やったところで入っていればもうその貝殻は触れない。
貝がたくさん入っているバケツを覗くのも嫌だ。

海洋恐怖症、軟体動物が苦手の二本立てなのになぜ水族館が好きなのかというと非日常感が高いからだ。あの幻想的な雰囲気や見たこともないような珍しい形の生物も海洋生物ならではだ。

水槽に近づけないだけでちゃんと隅々まで見ている。
海の世界を存分に堪能しているのだ。
ただ、ひとつくらいは海中トンネルが無い水族館ができればいいなぁとは思っている。
そんな今日の独り言でした。


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