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【CHROブログ】私たちはどう生きるか?事業継続におけるコペル君的気づきとは?

「君たちはどう生きるか」を60年経って読んでみた

宮崎駿さんの「君たちはどう生きるか」が
興行収入60憶円超えの大ヒットになっています。
しかし、評価の方は賛否両論という感じでしょうか。
私の身近では「思っていたものと違った」という感想をよく耳にしました。
「君たちはどう生きるか」という強力すぎるタイトルが
観客の期待を煽り過ぎたのかもしれませんね。
タイトルが吉野源三郎による古典的名著と一緒なのに、
内容は無関係というのも評価が割れた理由かもしれません。
私の実家には60年前から小説「君たちはどう生きるか」がありましたが、
私は読んでいませんでした。
この機会に読んでみました。
なるほど、80年以上読み継がれてきた(1937年初版)ことが
納得できる名作でした。

この小説は中学生の主人公コペル君が葛藤しながら成長していく物語です。
小説の冒頭で、主人公はデパートの屋上から街並みを眺めて、
自分が大きな社会の一員にすぎないことに気づきます。
今まで自分中心の見方しかできなかった彼が、
社会を意識することで、世界の見え方が根本的に変わった瞬間でした。
その様子を見て、彼の叔父さんは、
地動説を唱えたコペルニクスにちなんで
コペル君というあだ名をつけました。
天動説から地動説への転換が、
文字通り天地がひっくり返るような大発見だったことは
よく知られています。
こどもからおとなになりかけの中学生時代は、
まさしくコペルニクス的転換の連続だと言えますが、
そんな新鮮な気づきと驚きの日々が、
この小説では67歳の私を感動させるほど、
とても巧みに描かれています。
こども向きのお説教小説などと
勝手に思い込んでいたことを反省しました。

社員、顧客、取引先の大切さに気付くことが原点

さて、前置きが長くなりました。
会社にもコペル君のような意識の大転換期が存在します。
会社は創業者という強烈な個性とパワーによって出発します。
創業当初は、事業アイデアをいかにマネタイズ(売上に)していくかに、
なりふり構わず集中します。
できたての会社というのは想像以上に脆弱です。
次々に襲い掛かる問題をすばやく解決しなければ
会社は倒産してしまいます。
だから、創業者がすべてを決め、
有無を言わせずに実行して危機を回避します。
創業時はとにかく忙しくて残業時間も青天井でした。
あまりいい環境ではありませんでした。
しかし、大して辛いとも思わず、
おもしろかったという思い出ばかりなのは、
毎日に手ごたえがあったからでしょう。
とはいうものの、それをずっと続けていたら
多くの社員がつぶれてしまいます。
多忙で仕事が荒っぽいので、顧客のクレームも少なくありませんでした。
目の前のことにしか意識が向いていませんでした。
何度も危機を乗り越えている内に、ある日気づきます。
あるいは、顧客や取引先から諭されるのです。
「会社は自社の都合ばかり考えていたら信頼を失い、必ずつぶれると」。

会社は、ステークホルダーと呼ばれる
利害を共有する多くの関係者で構成されています。
それらの中で重要なのが、顧客と取引先と社員です。
この3つは経済活動において絶対不可欠な要素です。
この3つの要素を意識し大切にすることが、
会社として本当の意味での成長の始まりです。
コペル君がデパートの屋上で、
自分が社会の一員であることに気づいたのと同じことです。

イノベーションの力で次のステージへ

そんな気づきの中で、会社に理念が誕生し、
本格的な人事制度が導入されました。
理念や人事制度がなくても小さな企業は事業を続けられます。
しかし、おそらく成長はしません。
多くの企業では、理念といっても飾りに過ぎないところが多いようですが、
私たちは理念を愚直に実行することを心がけました。
その甲斐あって、事業はさらに成長し、事業の中心を東京に移し、
さらに海外まで拡大しました。
創業期と比べて事業の構成も大きく変わり、撮影と画像に関する事業では、日本有数の実績と独自の技術を獲得できました。
顧客の構成は大手ばかりになり、安定的な関係を長期に維持できています。

それらのプロセスを経て、
今期2023年度の経営方針が「イノベーション」になりした。
会社を一段とスケールアップし、
新しい事業分野を開発するための方針です。
イノベーションは、優れた開発者によって生まれると思われがちですが、
今の時代は個人の力だけでは無理です。
社員のチーム力はもちろんのこと、
顧客や取引先との強力なネットワークも
イノベーションには欠かせません。
それは植物に似ています。
地上に美しい花や豊かな果実を生み出すためには、
地下にある根の張り具合が重要です。
会社においては、それが人と人、
あるいは会社と会社のつながりになります。

結局、私たちはどう生きるのか?

会社の将来性や成長力を何によって測るのか?
規模や業績の伸び率は分かりやすい指標です。
その点、人的な関係力は数値化しにくいものではありますが、
地面の下の根っこのように、
これがなくては、成長はおろか事業の継続も難しいので、
私たちは大切にしています。
仕事において、よく地道に努力すると言いますが、
それは会社の内外を問わず、人を大切にして、
見えない根を張り続けることに他なりません。

これが、人と人との出会いを経営理念に掲げる、
私たちジーエークロッシングの生き方と言えるかもしれません。


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