【人事顧問ブログ】27歳で生き方をリセットしてみた件
人事顧問穴井です。
私は昭和31年生まれの68歳。
6月で取締役を退任して、顧問になりました。
会社では、迷探偵コモンと呼ばれています。
見た目は爺さん、頭は子どもという意味です。
そんな顧問で大丈夫なのか、という疑問を残しつつ、
今回は、人生のリセットについて、
書いてみました。
1.リセット前、27歳の最低な私
事故前の私、実は仕事に行き詰っていました。
仕事に意欲を持てず、評価も最低でした。
本当は企画・制作の仕事がしたかったのに、
営業に配属されていたからです。
当時は、営業に向いていないからだと思っていましたが、
今思えば意欲の問題だったと思います。
そんな私が、退院後にその営業の仕事に前向きになりました。
どうして?どうやって?
というのが今回のブログの主旨です。
2.病室、それは人間交差点
私が寝ていた病室は、患者4人で一室のいわゆる大部屋でした。
途中で2回ほど転院しましたが、どの病院も同じでした。
1年も病院にいると、いろいろな人と同室になります。
大手の銀行員、電力会社の社員、サラ金の支店長、大工さん、美容師さん、飲食店の経営、定年後のおじさん、学生もいたし、ほとんどしゃべらない謎の人もいました。
大手に勤めている人は給料が保証され、退院後も当然復職できます。
一方で、入院=失職という人もいました。
夫婦で入院している高齢の方もいました。
さながら人間交差点という感じです。
彼らと毎日どんな話をしたか、今となってはおぼえていませんが、
人生っていろいろあるなあと思い、
自分の生き方についていろいろと考えました。
やりたい仕事をさせてもらえないといって、
不満ばかり言っていた私ですが、その時に思いました。
全部リセットしようと。
3.リセットボタンを押すとは?
退院後、引っ越しをしました。
服と靴も買い替えました。
見た目を清潔にして、生活環境を整えました。
しかし、仕事は変えませんでした。
仕事に不満があるのだから、
仕事を変えてしまうのが手っ取り早いはずです。
この時、私が仕事を変えなかった理由は、
私の問題意識が、仕事の良し悪しではなくて、
自分のスキルの改善だったからです。
今やってるゲームが難しいからといって、
違うゲームに取り組みたいわけではない、ということです。
ここは肝要なところです。
リセットというと聞こえはいいですが、
問題から逃げるのとは少し違います。
いや、問題から逃げる方がいい場合もあるので、
これは逃げたらダメ、という意味ではありません。
ただ、その時に私が設定した課題は、
「今ある仕事をちゃんとやれるようにしたい」
だったということです。
リセットは、目的を明確にした上で押せ!です。
退院して、会社に復帰して早速仕事のやり方を変えました。
といって、そんな難しいことではなく、
お客様からの依頼や要望は、どんなに小さなことでも、
希望の日時までに確実にやり遂げる、ただそれだけです。
「こんな資料があったらいいなあ」みたいな、
つぶやきレベルのことにも対応しました。
今の時代は、納期が遅れるとか、
頼まれたことをやっていない、
なんてことはあまりないかもしれませんが、
当時は仕事が遅れることが普通で、
社内でのトラブルで一番多いのが遅れに関することでした。
そんな時代環境だったので、時間を守り、
無理難題にしっかりと対応するだけで「信頼」は爆上がりしました。
5.時間通りにする裏技
時間通りにする、これにはコツがあります。
それは、
①人にお願いすること先にする
②現場や外注先への指示を正確に行うこと
③いつも現場で確認すること
この3つです。
人間、ギリギリで依頼されるより、
ゆとりを持ってお願いされた方が気持ちよく受け入れてくれます。
といって、依頼を忘れられたり、
指示を勘違いされたら意味がありません。
なので、勘違いされないように、
丁寧に指示書を作成することがまず重要で、
次に、現場に行ってその作業を確認することです。
現場に頻繁に顔を出していると、担当との関係が深まるので、
無理を聞いてもらえるようになる副産物もあります。
そうすると、顧客の無理な要望にも対応しやすくなります。
「信頼」というのは、顧客に対してだけではなく、
現場や外注先との「信頼」が大切であるということです。
自分を助けてくれる社内外の人を持つことが重要。
個人としてのチームビルディングですね。
6.人間万事塞翁が馬。それはこれからも続く、ずっと
こうして信頼が深まるほど、仕事が面白くなり、
アイデアがどんどん出てきて、
さらに仕事が増えて行くという好循環が回りだしました。
「人間万事塞翁が馬」とは、
悪いことがよいことにつながり、
逆によいことが悪いことにつながる。
だから、幸不幸に一喜一憂せず、
人生をもっと長い目で見よう
という教訓だと思います。
私にとって、事故そして入院は大きな災難でしたが、
それがきっかけで人生のモヤモヤが晴れ、
仕事のやり方をリセットするきっかけになりました。
ただ、肝心なのは、すべてを打ち捨てるのではなく、
何を捨てて、何を残すかです。
その線引きの基準が問題の設定、つまり目的にあると、
私は考えています。
とはいうもののリセットすればそれで終わりかというとそうはいかないのが人生の難しいところではあります。
リセットしたらそれを維持しなくてはなりません
そこで重要なのがルーティンワークということになりますが、
それについては次回に書きたいと思います。