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小綺麗な人に私はなりたい

私は、残心という言葉が好きです。

剣道にも同じ言葉があるようですが、私が教えてもらったのは、茶道においての「残心」で
お道具を置く際には、恋しい人との別れを惜しむように、そっと心を込めて丁寧に置くこと。

ドンッ!と音を立てて物を置かれるよりも、引いた手も美しく、心を込めた置き方の方が気持ちが良いものですよね。

私は掃除にも、同じことを思うのです。

「嫌だな、面倒だな」と掃除するよりも
「美しくしよう」と心を込めて掃除する方が、空気まで変わるような気がするのです。

嘘のようなホントの話なんですけれど
私が舞妓さんの時、美人で売れっ子の姉さんに、鏡の汚い人はいませんでした。籠の中の持ち物まで心遣いが行き届いていて、いつも小綺麗でした。

京都でよく使っていた言葉に「スカッと」という表現がありますが、そのスカッと(訳すならば、洗練されて小綺麗な様)した人になる為には、日頃の言動や、物を扱うのにも、丁寧にする事が大切だと教わりました。
「一事が万事え」
小綺麗さ、とはどうやら一朝一夕には成り立たないようです。
上辺だけ繕っても、メッキが剥がれるように見抜かれてしまうと。
そういえば、「仏さんのお花」という言葉もありました。どういう意味だと思いますか?
お仏壇にお供えしているお花は、前から見たら綺麗だけれど、後ろから見たら…花はないですよね。
前ばっかり、という意味です(笑)

今でこそ、私も子育てだという大義名分にかこつけて、ぞんざいになってしまっている所があり、改めて書きながら背筋の伸びる思いですが、

今の世の中からいう、利便性と効率という観点では、この考えは合わないかもしれません。ですが

「何に対しても心をもって」

私の中で最近のテーマになっています。

東海道新幹線の車内でぽつり

悠々とした富士山を見て。

あまのや若女将

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