RWAトークン化とは
考えてみてください。ビットコインのような仮想通貨は「リアル」ではありません。なぜならそれらは現実世界の資産に紐づいていないから。ミームコインなどはその最たるもので、人々はそれを馬鹿げたものとして扱う場合がほとんどです。
これから我々Unikuraがテーマとしてお話しするのはRWA(Real-World-Assets)のトークン化についてです。現在、金融の国シンガポールや、米国NYのウォール街で債券や株式を扱う人たちが注目しているのはまさにRWAなのです。
RWAのトークン化によって、現在流動性の無いものに流動性を持たせることが可能になります。不動産、債券、アート、コレクタブル・・・ブロックチェーンを介してこれらの資産をトークン化することで、流動性を持った資産たちが扱いやすくなります。
MakerDAOの担保としてRWAを利用することに取り組んできたMonetalisグループのCEO、アラン・ペダーセン氏は言います。ペダーセンCEOによると、彼らは12億ドルの国庫短期証券をトークン化し、MakerDAOの担保として使用しているといいます。
RWAトークン化とは
まずは基本から。RWAトークン化とは、実物資産をデジタルトークンに変換し、ブロックチェーン上で取引可能にするプロセスです。このトランスフォーメーションは、単なる技術的進歩以上のもの。これは、資産所有の概念自体を再定義し、新しい投資の機会を生み出す革命なのです。
ここでRWAの前提となるステーブルコインについてご紹介する必要があるでしょう。USDCは、米ドルに対して価値が安定したステーブルコインであり、ブロックチェーン上の分散型デジタル資産です。
USDCは、CircleとCoinbaseが共同で設立したCentreコンソーシアムの一部として2018年に作成されました。USDCが米国やシンガポールの金融当局(MAS)から認証を受けたことは、ステーブルコインが伝統的な金融システムにおいて信頼性と安定性を獲得したことを示しています。
アンストッパブル・ドメインズのマシュー・グールドCEOは、民間ステーブルコイン市場は今後4年間で急成長するだろうと予測しています。ステーブルコインは、金融システムの未来の支払いにおける可能性のある革新的な突破口として急速に成長しており、企業の給与支払い方法のひとつとしても利用が進むだろうといわれています。
アートのデジタル化などでコロナ期に人気を博したNFTも、RWAに活用することができます。NFT(非代替トークン)は、ユニークなデジタル資産であり、物理的ではなく、暗号通貨とは異なります。
各NFTは独自のものであり、他のものと交換可能ではありません。これは、たとえば、異なるトレーディングカードが同じではないのと同様です。NFTは、その所有者に対して独占的な所有権を提供します。NFTのデジタルファイルをコピーすることは常に可能ですが、NFT自体は資産の所有権の証明を提供し、これは複製できません。
RWAトークンとNFTの違いは以下の二点に集約されます。
・RWAトークン化は、現実資産をデジタル化することで流動性を高めることを目指します
・NFTは、デジタルアートなどの唯一無二のデジタル資産を表現し、その所有権を証明することを目指しています。
RWAトークン化のメリット
Unikuraとして、私たちは特に資産流動性の高まりに注目しています。従来、資産性の高いアイテムを売買する際には、複雑な権利関係、数々の書類、それに伴う人件費や作業時間といったコストの高さがありましたが、RWAトークン化はその壁を取り払います。また、ブロックチェーンの透明性とセキュリティが市場の信頼性を高めることで、より多くの人々に投資の扉を開けます。
RWAトークン化による流動性の高まりについて
流動性の向上のメカニズム
RWAトークン化により、高価値の資産が小額のトークンに分割され、より多くの投資家が参入しやすくなります。これにより、市場の流動性が向上します。デジタルトークン化された資産は、伝統的な市場よりもアクセスしやすくなります。
これにより、より多くの投資家が市場に参加し、流動性が高まります。ブロックチェーン技術により、取引の透明性が向上し、取引コストが激減することにより、投資家の信頼と市場参加が促進されます。また取引手数料がかからないため、越境取引に有効活用されるでしょう。
Unikuraは、RWAトークン化が伝統的な資産クラスの流動性を大幅に改善すると考えています。これは、デジタル化によって、これまで流動性が低かった資産が、より広範な投資家層にアクセス可能になるためです。また、DeFiの枠組み内での取引は、伝統的な金融市場の制約を超えることができ、市場の効率性と流動性をさらに高める要因となります。
RWAトークン化は、実物資産の流動性を高め、DeFi市場に新たな機会をもたらす革新的なアプローチです。これにより、伝統的な資産クラスが新しい形で市場参加者に利用可能になり、市場全体の効率性と流動性が向上します。Unikuraは、この動きが伝統的な金融とDeFiの架け橋となり、両者の相互作用を促進すると考えています。
RWAトークン化対象の資産種類
RWAトークン化は、多様な資産に適用される可能性があります。不動産はもちろんのこと、美術品やコレクタブルなど、従来は高価で取引が困難だった資産もデジタル化され、より広い層の投資家に手が届くようになります。Unikuraとしては、これらの資産がどのように市場を変革していくかを密接に注視しています。
RWAトークン化の具体的な例として、不動産、美術品、アルコール産業を注目しています。例えば、Cita DAO https://citadao.io/ は住宅不動産のトークン化を通じて、新たな投資機会を提供しています。また、Freeport https://freeport.app/ やUniCask https://unicask.com/home のような企業は、美術品やウイスキーを対象にしたトークン化を進め、市場の多様化に貢献しています。
今後の課題
RWAトークン化が進む中で、Unikuraは特に規制の課題と流動性の確保に注目しています。法律や規制の整備は、トークン化プロセスの透明性と安全性を保証するために不可欠です。また、市場の信頼性を構築し、実際に流動的な取引を促進することも重要な課題です。
結論
Unikuraとして、RWAは単なる一過性の流行ではなく、将来の資産運用の形を変える可能性を秘めていると考えています。この技術は、資産所有と投資の概念を根底から変える可能性を持っており、それに伴い新たな市場の機会が生まれるでしょう。
これからもこの興味深い進展を注視し続け、その変化と機会を皆さんと共有していきます。RWAトークン化が市場にもたらす影響は計り知れないものがあります。私たちはこれらの技術が進化し、市場をどのように変えていくのかを見守りつつ、投資の機会を模索し続けるでしょう。
RWAのトークン化が進行する中、さらなる普及の拡大にはステーブルコインのようなデジタル通貨の普及が自然な流れとして促進すると考えられています。来るべき時に備え、そのような環境で使いやすいプロダクトを準備することが、Web3スタートアップに求めれられているのではないのでしょうか。
そしてUnikuraはRWAの可能性にいち早く気づき、現物資産として価値のあるコレクタブル(トレーディングカード、ブランドバッグ、高級時計、アート)をトークン化して売買可能なマーケットプレイスを立ち上げました。ぜひこの機会にRWAに触れる第一歩として、Unikuraでトークン化されたRWAを手に取ってみてはいかがでしょうか。
参考資料:
The Tokenization of Real-World Assets (RWA) Explained (coindesk.com)
Tokenize Everything: Institutions Bet That Crypto’s Future Lies in the Real World (coindesk.com)
What are NFTs? Here's everything you need to know | Tom's Guide (tomsguide.com)
Real World Assets: The Bridge Between TradFi and DeFi (binance.com)
Stable (or not-so-stable) coins - KPMG Global
Stablecoins: Growth Potential and Impact on Banking (federalreserve.gov)
参考画像:
https://depositphotos.com/illustration/ethereum-illustration-retro-books-style-185289430.html
https://depositphotos.com/photo/clear-vision-of-a-sunset-38567695.html