見出し画像

※閲覧注意回※ ~アイツらについて~

はい、こんばんは。 ブラウザバックをお願いします。(いきなり)

フリー素材を探していたらこんなのが出てきた。 便利な世の中になったものだ。

あー その、なんだ。 いやほんと、見ても不快な物ばかりなのだから、ムリに見ない方が良いですよ。 ほんとに。


引き返すならここまでですよ?


小川のせせらぎを見て心を静めてください。
引き返すならここまでですよ。


あー、もう。 言いましたからね。

言いましたからね?


さて、断りを入れ続けても話が進まないので、そろそろ始めます。

生ハム作りで行う工程の一つに、スニャトゥーラと言う物があります。
資料によっては、パテ塗りとか、ラード塗り、マンテカ脂云々なんて形容がされますが、目的としては、脂で覆われていない部分からの乾燥を抑え、原木の水分量をある程度保持することを目的とする工程です。
水分が抜け、例えば水分活性が0.95以下になれば保存食としては長期保存が可能な状態となり、逆に1を超え、その数値が大きければ、食品として腐敗のリスクを抱えることになります。
とはいえ抜けすぎてもジャーキーや鰹節みたいになってもあれなので、ほどほどを目指して塗布すると言う物です。

製法にもよりますが、多くの場合、ラード、穀物の粉、粉末唐辛子、胡椒、塩などを混ぜた物。
ラードも、豚の腹側の脂がいいとか小麦粉だったり米粉だったり、唐辛子だったりパプリカだったり、粉末だったり粗挽きだったり、ニンニクがあったりとまぁ、あるわあるわ。
特に決まり事は無いのでお好きなようにしてください。
ちなみに自分は塩は混ぜてません。 そして自分に教えてくれた人は、そもそもこのスニャトゥーラをしていません。

それを踏まえて。

はい、回り道お疲れ様でした。 ここからが本題。
生ハムを作っていると、ついてくるあれこれがあり、
一つがカビ。
もう一つが虫。
きちんとした設備を整えた製造施設でもない限りは、これらと無縁ではいられないと言う、おなじみの常連。
今回はそのうちの一つ、虫について語ってみたいと思います。

前回のアップでシルエットだけ出てきた『メイガ』

google検索画面よりキャプ

気になる方はググっていただけると出るわ出るわの閲覧注意に驚かれるかと思います。
下の写真はノシメマダラメイガ。
成虫は小型の蛾として不快害虫とされていますが、幼虫は主な報告事例として、『米びつの中にいた』『白米が食い荒らされた』などが有名です。
ごくまれに、ポテチのアルミ包装をすら食い破って侵入したと言うケースがあるのだそう。とにかくこいつら穀類が大好きで、植物油脂が大好物。 しかも強靱な顎を持っているため、前述したようにアルミ包装だって食い破る破壊力。

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門より

0.4㎜程の卵から孵化して、22から45日で蛹化、その後1週間ほどで羽化し、成虫に。
成虫になってからは食事は取らず、1週間ほどの間生存し、その間200個ほどの卵を産卵する。
発生頻度は年3~4回のサイクル。 初夏から秋にかけて多く発生。
蛹化の際に糸を吐き、繭を形成する。
自然環境ではネズミなどの生物の死骸を主な繁殖源にしているらしい。
幼虫が米びつの中にいないのに、成虫ばかりが飛んでいる、と言うご家庭は天井裏などにネズミなどの死骸が無いか確認されることをおすすめする。

生物の死骸、かぁ・・・
そう考えると、生ハムなんてメイガにとってはごちそうもごちそうなんだろうなぁ。
米粉と脂を練り込んだものを塗りたくれば、そりゃもう高級レストランでしょ、そりゃ。

去年9月に確認した個体。 このほかに蛹があった。

お義父さんが、覗きに来たときにヤモリが壁にいた。 とおっしゃってたのでもしかしたらメイガかその幼虫を食べに来てくれていたのかも知れない。
変に殺虫剤や害虫忌避剤を使うより、生態系の食物連鎖を利用した方が安全なのかなとも考える。 一番良いのは虫が入ってこない環境を作ることだけど。

メイガは強靱な顎を持つけれど、肉の表面にのみ存在し、中には侵入しないとされている。
そのため、表面をきれいに洗浄することで虫がいた食品を口にすることが出来るそうだ。
米につくノシメアワノメイガ、トウモロコシにつくアワノメイガについては「食べても害は無い」とのことだが、加熱前提の食材につく生き物だから害が無いと言うことなのか、ただ毒を持っていないってだけなのか…
とにかく、食べ始める前によく洗浄しようとは思う。 洗浄して、アルコールでしっかり消毒もして。

幸い、自分はまだその被害に遭っていないけど、有名な害虫にカツオブシムシというのがいて、これらは肉の内部に侵入し食害すると言う迷惑な連中なのだそうだ。 これだけは本当に阻止したい。

メイガを確認した当時の肉の様子。脂肪面。
肉の切断面側。スニャトゥーラのおかげかカビがすごい。

2月の中に熟成をはじめ、およそ7ヶ月でこれだけのカビが生え、そしそのうえ虫がつく。
この出で立ちを見ると本当に食べられるのかと不安で仕方が無い。
本当に最初に始めた人は勇気があるなぁと。
と言うよりそんなものでも食べなければならないくらいに切羽詰まっていたのだろうか…

生ハム原木を自分で作ろうとする前に、いろいろなブログなりを拝見させていただいたが、グロ画像を表に出すことに躊躇する理性がおありの方々ばかりで、ここまでのグロ画像を目にする機会が無かったものだから、いざ自分でやってみて、こんなにカビが生えるのか、こんな虫がわいてくるのかと。やってみなけりゃわからないというが、心の準備はさせて欲しかった。
なので、真似してやってみよう、なんて思われた皆様は(いないと思うが)この辺のグロ画像を見ていったん踏みとどまるか、あるいは覚悟を決めるかしてみたらいいのではないだろうか。いないと思うけど。

そんな感じで、あと2ヶ月を心待ちにしつつ、今日の日記はおしまい。
お疲れ様でした。 おやすみなさい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?