ちょっとレビュー的な。
こんばんは。お体にお気を付けくださいね。
はい、noteさんこんばんは。 会社の同僚で発熱反応が一人、濃厚接触が一人出ました。 何より自衛が大事です。 皆様ご自愛ください。
もう2年前になるのだが、生ハムの作り方を教えていただいた時の話。
その講習では肉の銘柄、肉の銘柄によっては皮つき皮無し、塩のブランド、熟成後の脱骨引き渡しと無脱骨の原木引き渡し、燻煙にかける、かけないといろいろと選べる。
自分ははじめての参加で、とりあえずスタンダードをと思い、一番スタンダードな肉、塩、そして原木での引き渡しを希望した。
その講習には多くの方が参加しておられ、もう何回目かと言う参加された方がおっしゃるには、燻煙処理したものがとても美味しく、今回もそれで作るつもりだとの事。
燻煙にかけるという事は冷燻だな。 一人合点する。
生ハムを作るという事を意識する前にハム・ベーコン類を自作するくらいはしていたので、燻煙の温度、時間、それに見合った食材、その食材の下処理などは頭の中に入っている。
また、一口に生ハムと言っても産地により気候温度が違うため、地域によって製法が異なりそれがその地方の特徴的な味を作り出すのだそうだ。
聞きかじりの話だが、スペインの生ハムは乾燥による熟成が味を一層濃く・奥深いものにしているのに対し、フランスのそれは香りをまとわせる柔らかさを持つのだそう。 おそらくそれは同時に水分量の違いを意味し、スペインの気候とフランスの気候、そしてイタリアの気候がそれぞれの食文化にあったそれぞれの風味を醸し出しているのだろうと想像している。まぁ、地中海性気候だからと言われれば、自分の中ではなんとなく納得するものがあるのだけれど。
で、生ハムにも燻煙をかける文化があるらしく、これも聞きかじりの知識だが有名なところによるとドイツの生ハムがそうであるらしい。
まぁ、ソーセージと言われた時にイメージするのはあの燻香だから、薫香=ドイツの食肉文化=燻煙をかけた食肉=ドイツ風の食べ物という、ある種の連想ゲームが働いて、そうでなかったとしてもそう連想させてしまっているのかも知れないなぁと思っている。 実際、行った事のない土地の風土や食文化など聞きかじりの知識でしか知りえない。 文化的にも国境に面している地域なら、その国境の向こう側の文化が入っていてもおかしくないので、フランスも北西部だったりベルギーだったりデンマークだったりポーランドだって燻煙にかける生ハムがあるかもしれない。
ロシアにはサーロと言うラルドに似た食べ物があるらしく、以前ロシア人に聞ける機会があったので尋ねてみたら、モスクワ出身の彼は食べたことがなく、それはキエフ(ウクライナの首都)の食べ物だと答えられた。 そういう勘違いにも似た通説の流布の可能性もあるので、機会があれば検証してみたいものだ。
※ このブログの記事はその都度仕入れた時点で最新の知識で書いている。
時間が経過すればしれっと新しい情報を前提にして話を進めているかもしれないし、以前の記事と読み比べたら、明らかに矛盾する事を書きもするだろう。 可能であればその都度、訂正や補足を行うが、手が回らないのは容易に予想できるので、最新の記事情報を確認されることをお勧めする。※
自分の手元には二冊の本がある。
一冊は南青山にあるローブリューと言うお店の桜井信一郎シェフによる、「レストランのシャルキュトリー」
もう一冊は目黒にあるフレンチデリカテッセン カミヤの神谷英生シェフによる「これからの新しいシャキュトリー」
どちらも肉の解体からそれぞれの部位を生かした調理・加工、提供の仕方など、また神谷シェフの本には開業に至るための知識が書かれている。
ほとんどが今の自分には手が出ない(技術的に)ので、主に生ハムについての記述を食い入るように読み込んでは、あとの所は眺めるだけと言う、何とも失礼な読み方をしている。とてもご本人には聞かせられない。
以前youtubeで生ハムについて検索したところ、桜井シェフのレシピで生ハムを作っておられる大阪?のレストランの方がその製造風景を披露しておられ、これらの本の影響の大きさを感じたこともある。 やはりこの分野の草分けなのだろう。
お二人とも生ハムについて触れておられるのだが、大きな違いとして神谷シェフのレシピには燻煙処理について書かれており、「30℃の煙で6時間。 これを一週間繰り返す」とある。 冷燻は低い温度で煙をあてる事から、どうしても長時間、長期間の作業となる。
また、燻煙材のチップもナラやブナのような比較的色づきも風味も強い物を使っておられるらしい(ブレンドは表記されているがあえて書かない)。
自分は桃の木で作ったチャンクを燻煙材にしている。 一般的に淡白とされる桜やリンゴに近い風味と色合いで仕上がる。 ブレンドも考えるが手を出さないのはおそらく、あの桃の木の香りに自信を持っているので、余計なものを混ぜたくないと言う意識かも知れない。まあ、ブレンドに自信がないと言われればその通りだが。
お二人のレシピのどちらが正しいという事もない。ましてや間違っているなどと言う事もない。現に美味しいと召し上がっている方がおられるのだ、それが正解だろう。
桜井シェフのレシピには、一度肉を休憩させると言う手順がある。 自分の製造環境にその休憩をさせてやれるスペースがないため、神谷シェフの作り方に沿った作り方をしているが、燻製だけはしていない。
今回は4本仕込んだ。 仙骨だけ取った物2本、寛骨まで取った物2本。
一本ぐらい試してみてもいいじゃないか。
そう思って、金属の棚を導入する事でお役御免になった木の吊り棚に、第二の人生を歩んでもらうことにした。
そんな感じで今日はここまで。
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