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文房具トーキョー
episode.07
乗り換えが多い東京駅。
それでも仕事中、
改札を出る機会があると
ついつい巡ってしまう
小一時間の黄金ルートをサーキット。
仕事なのか休憩なのか、
もしかしたらこっちが仕事なのか。
一番初めに乗り込むのは、
北口すぐに天高く聳え立つ「丸善」丸の内。
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文房具、書籍の品揃えが壮大で、
たまに小さな催事も行われているから
小一時間という計画がのっけから崩れる
こととなる丸の内シンデレラ城。
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真逆の南口、当時の面影を残しながら
厳かに佇む「KITTE」東京中央郵便局。
センス煌めくセレクトショップ
「ANGERS bureau」
世界の優秀なデザインだけを集めた
「GOOD DESIGN STORE」
1Fではそのまま郵便局が運営され、
郵便グッズも溢れてるから
一秒も気が抜けなくて目が乾く。
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ANGERSと同じフロアにあるものだから、
そのつもりがなくても吸い込まれるように
立ち寄ってしまう局長室。
(吸い込まれ方は行けば納得)
憧れの局長デスクから見る
一味違う東京駅舎に魅了されて、
ココロに晴れやかな郵便を受け取る。
ここには手紙を書くデスクが設置され、
本を読む嘘っぽく凛とした紳士や
手帳を開くミステリアスな淑女、
何度も写真を撮り直す恋人達が
思い思いの勝手な時間を過ごす。
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棒になりかけてる足に
水をやりながら立ち寄ってしまう
クリエイターセンスがとんがる店
「VINYLトーキョー」
ああ、愛する餃子ちゃんを知ったのも
この場所だった。
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宿命にかり立てられながら辿り着くのは
旅の疲れを癒す終着駅。
牛の革を次々と売り上げる原始人の終着駅。
カバーはもう増やしたくないし
最近は買う物も少ないけれど、
それでも応援したいし何か買いたいと
伝説のあられビーバーをレジへ連れていく。
小一時間と目論んでいた
軽率なトーキョートリップはすっかり夕方
およそ二時間後に終電を迎えた。
それでも良いと思える方々、
白線の内側でお待ちください。
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