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写真をもっとずっっっと楽しく

10月12日、土曜日の午前7時、のちょっと前。
醒めきらない脳みそを揺り起こしながら駅のホームに立っていた。あんまり覚えてないのでたぶん半分ほんとうに寝ていたのだと思う。

この時間に意外と賑わっているのはたぶん連休の初日だから。
特急かいじもそこそこの乗車率でなんだか少し落ち着かない。

まぶしい朝の光のおかげで少し億劫ながらも眺める車窓にビルの群れが現れだすと、この景色を見るのはもう何回目かもわからないのにやっぱり心が躍る。

もうひとつ心躍る理由があった。
写真家の幡野広志さんのワークショップ(その3!)を受けに行くのだ。

たくさんの人がホームにいた
線路の光と並んで走ってるみたいなのがちょっとジブリっぽいなと思った
近くなる都会
爛漫
ホームドアと車両のドアを慣れた手つきで操る
いい天気でよかった

この日は少しだけ早起きをして、少しだけ早い電車に乗って、少しだけ早く東京に着いた。

少しだけあの街を歩いてみたくて、少しだけ手前の駅で降りて、少しだけ遠回りをして、少しだけ寄り道をした。

少しだけのつもりが、そこそこしっかり目に寄り道をキメてしまったので、目的地への到着がぎりぎりになってしまった。まあ間に合ったのでよしとしたい。

都会の朝に合ってるなと思った
もころんとは
ひとつ前の駅でおりてみた
おしゃれなお店が多いなあ
窓際に並べられた本がなんかよかった
ワークショップ参加者さんのおかげで知った珈琲屋さん
これまたおしゃれだった
店員さんと光の話をした
時間が迫っていたのでテイクアウトで

流石にその3とならばお出迎えの狩野さんもいないだろうなあ、と勝手に思いながら会場に近づくと、いつものように狩野さんが立っていて嬉しかった。

いつものように、なんて言ったけどぼくがワークショップでここを訪れるのは実際2回目なので、そこまでいつもかどうかと言われるとちょっと困っちゃうんですけど。

でもたぶん狩野さんはワークショップの日はいつもこうやってお出迎えをしているのだろう。なんだかちょっと貫禄がある気がする。

狩野さんが立っているととても安心する
前回も同じ席だった健さん、ぼくもパーマセルマネしよ
見る人にどこまで伝わるか、ぱっと見わからないところまで考えて撮られていて感動してしまった

今回のワークショップは写真との付き合い方がメインのお話だった。

幡野さんのワークショップを受けると写真がとても簡単で楽しいものだと知る。
ただ、落とし穴があって、大半がその落とし穴にはまって写真で不幸になってやめてしまうのだという。

その具体的なお話がユーモアを交えながらなのだけど、とってもシビれる内容だった。何ボルトくらいだろう。
電気風呂よりはシビれたと思う。

そこまで言って委員会すらなまぬるいくらいのところまで言ってた。たぶん。まずそこまで言って委員会をよく知らないです、すみません。

シビれる内容なのだけど、すごく腑に落ちて、なるほどなあと何回も心の中で頷いていた。
たまに声を漏らしてしまっていたと思う。たまにどころじゃなかったかもしれない。

自分にとっての"幸せ"を考える。
写真で不幸にならないように。
写真ってやっぱり"考える"の連続なんだな、と思った。

3度目の正直で炊き立て羽釜ご飯
ほんとうに美味しかった
途中から焼けるにおいが意識の一端をさらっていったしょうが焼き
α7のカクカク感とオレンジのリングが好き

写真のセレクトと現像についてもガッツリ教えてもらった。

幡野さんのプリセットをいただいて何枚か練習をした後、あらかじめ撮ってきた50枚からセレクトして、そのプリセットで現像してみる。
幡野さんも同じく参加者の50枚からセレクトして現像をする。

ワークショップに申し込んでから、この50枚をどう選ぶか色々考えたんだけど、自分の中では折衷案として申し込んでからの1ヶ月ちょっとの間に撮った写真から選んでいった。ここですでにセレクトしてんじゃんという話なのである。(今は同じ日に撮った50枚を持ってきてね、ということになっています)

幡野さんといえどセレクトしてきた中からセレクトしなおすのはすこし大変そうだった。申し訳ないなあと思いながら、どの写真を選ぶか固唾をジョッキ一杯分くらい飲みながら見守っていた。

見守っていたのだけれどジョッキに口をつけるかつけないかくらいの頃に、写真についてコメントしてくださるので会話になる。
写真を見ながら色々話をするのが楽しかった。

セレクトする時に気をつけること、現像する時に気をつけること、教えてもらいながら実際に幡野さんのトーンで現像していく様子を見る。

改めて、写真ってやっぱり"考える"の連続なんだな、と思った。

ワークショップ最初と最後の写真が狩野さんだった
また会いましょう!

楽しい時間はあっと言おうとして口を開こうとしている間に過ぎていって、気づいたら終わりの時間。

これは毎回思っていたけど、今回がいちばん内容が濃くて、時間も圧倒的にあっという間に過ぎた感じがした。

後ろ髪を引かれるどころか柱か何かに縛り付けられてるのではと思いつつ会場を後にした。超がつくベリベリショートなので引かれる後ろ髪もないはずなんだけど。
心のロングヘアー。なにを言ってるの?怖い話?もう夏終わったよ?

幡野さんをはじめ、狩野さん、辻さん、小池さん、参加者の皆さん、皆さんがいたからあの素敵で濃密な時間が過ごせたのだと思います。ありがとうございました。

「ネガティブな感情が伝わってこない」
と言ってもらえてとてもうれしかった
記事のトップにもしちゃうくらい
お気に入りの写真になった

上の写真は今回ワークショップで幡野さんがセレクトしてくれた写真の中でも特にお気に入りの2枚。(現像はぼくがやってみました)

前回までのワークショップでサクッといい写真を撮れるようになって、今回幡野さんプリセットの配布でサクッといいトーンで現像できるようになった。

それはきっと、写真に関しても撮影や現像じゃなくて考えることに時間をかけてほしいという想いとか、言ってしまえば写真以外の時間をもっと充実させてほしいというメッセージなのだろうな、と感じた。

写真のワークショップなのに不思議な感想だとは思うけど、写真によって不幸になる人を減らしたいのだという思いが伝わってきた。

これまでのワークショップを受けた方しか受けれないその3ですけど、受ける資格のある方マジでおすすめです。ていうか前回までを受けているなら絶対受けた方がいい。ここまで散々ふざけたおしてますが、これは冗談抜きで。

せっかく今写真を楽しいと思っているのなら、ぜひ。
今回の内容を知る知らないでこれからの生活が大袈裟じゃなく大きく変わると思います。今までのワークショップですでに変わっているのだけど 笑

社会に蒔かれている落とし穴の種と、それを時には自分も蒔いてしまっているかもしれないということ。できるだけ落とし穴にはまらないように、落とし穴の種を蒔かないように心がけるにはどうしたらいいか考えること。

写真ってやっぱり"考える"の連続なんだな、と繰り返し繰り返し思った1日でした。

これはぼくが初めて幡野さんのワークショップを受けたときのnote。
1年と8ヶ月前の自分の写真と、今の自分の写真を見比べると全然違う。当たり前だけど。

撮るのも現像のトーンも良くなったなあと思う。まあトーンについては直近は幡野さんのプリセットなのだけど。
2ヶ月後には幡野さんもプリセットを変えてるというし、ぼくも自分なりにここからトーンを色々調整していきたいと思っている。

幡野さん、「その3」の内容をどこまでやるか結構悩んだんじゃないかと思う。改めて、やってくださってありがとうございました。
おかげさまで、もっとずっと楽しく写真を続けていける気がしています。

やさしいが故の厳しさを感じました

では、また。

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