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負けたくない話【小畠佑介】
こんばんは。
『とけないアイスがあるとして』で照明を担当している小畠佑介です。
このnote企画は、劇団トワズガタリのメンバーが、『とけないアイスがあるとして』の作品に登場する「新幹線」「地球」「アイス」について自由に書いていくものとなっています!
それにしても新幹線に地球にアイスとは……スケールが全く揃っていないし関連性も見い出せないですよね。
そんなバラバラなものを30分の脚本に放り込み、筋の通った面白いストーリーにするのが我らが脚本演出滝澤諒の真骨頂。いやー尊敬をゆうに通り越して全然憎いですね。少しくらいその才能を私にも分けてほしいものです😤
こんな調子で、今回のnoteは対抗心むき出し、負けず嫌い100%でお送りします。
早速新幹線の話から始めていきましょう!
1. 新幹線の思い出
私が人生で初めて「悔しい」という感情を覚えたのは、ひょっとしたら新幹線に乗る時だったのかもしれません。
小さいころ、愛知県にある父の実家に帰省するときに東海道新幹線に乗っていました🚅
新幹線の最寄り駅である豊橋にはのぞみが止まらないため(もう悔しい)、ひかりに乗ることになります。
当時の東海道新幹線では主に300系と700系の2種類の形式が走っており、700系が最新の形式でした。
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前面の顔だけでなく、側面の青帯の配置でも形式を判別できる。
子供は新しいものに惹かれるもので、そのころの私は700系のことを「かっこいいしんかんせん」、300系のことを「かっこわるいしんかんせん」と認識していました。父の実家に帰省するときは「700系に乗れないかなー」とワクワクしながら新幹線のホームに向かっていたものです。
ところが悲しいかな、自分たちの乗るひかりはいつも300系。周りののぞみはみんな700系なのに、なんならこだまですら700系だったりするのに……
自分たちだけ冷遇されているような気持ちになってとても悔しかったのを覚えています。
今振り返れば「そんな小さなことで」と思いますが、逆にそんな小さなことでも喜怒哀楽のスイッチが入っていた子供時代はなんて毎日が刺激的だったのだろうと少しうらやましくも思えてきます。
まあ親からすれば「700系に乗りたかった!」と駄々をこねる息子は結構面倒だったはずです。パパ、ママ、ごめんね。
この悔しさから、今でものぞみに対して少々の敵対心を抱いています。これまでひかりには何十回と乗っていますが、のぞみに乗ったのは人生で1度だけ。のぞみが止まる京都や名古屋に行くときもひかりを使っています✨
のぞみと大して所要時間は変わりませんし、自由席が多くて座れる可能性が高いのでおすすめですよ!
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優しい味。幸せの味。
ちなみに300系が完全に700系の下位互換だったのかといえば、実はそうでもなかったり。
300系は窓が大きいんです!
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妹が小学生になるまでは家族4人で3列シートに座り、妹と窓側の席を交代しながら(たまにけんかになりながら)外の景色をぼーっと見ていたことを覚えています。300系だからこそ、通路側の席でも結構景色を楽しめていたんですね。
東京から豊橋まで1時間半、あっという間でした。
2. 地球を感じた話
2つ前の葦ノ芥(本公演の舞台監督)が書いたnoteでは、私(小畠)が冒険心を持ち地球を感じやすいキャラとして描かれていました。うれしいながらも少々プレッシャーを感じています。
ちなみに彼女はそのnoteで自身について視野が狭いと謙遜していましたが、葦ノさんと話したり彼女の書く脚本を読んだりするたびに、彼女の人間観察の的確さとその描写の精緻さに驚かされています。
葦ノさんの持つ顕微鏡のような目もいつかは手中に収めたいものです。
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美大を目指す心優しい高校生
地球の話に戻ります(多分人生で一度しか使わないフレーズ)。
個人的には、旅行で普段と違う気候の地域に行くときに「地球もいろんな姿を見せてくれるなあ」と地球を感じます。
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降雨量が非常に少ないステップ気候で、昼夜の寒暖差は約25度。
そんな厳しい環境でも人は住んでいたし我々もゲルで2泊した。
最近地球を感じたのは先週(2/10~15)大学院の同期と行った小笠原諸島の父島です🏝️
東京から南へ約1000km。気温は15~20℃と東京よりも10度ほど高く、少し寒さを我慢すれば2月でも泳げます。
私はダイビング体験をしましたが、耳抜きができず水深1mでギブアップしました。
私だけシュノーケルに変えて水面でプカプカ。魚を眺めたり、水中から浮かんでくる大きい泡を砕いて遊んだりしていました🐠
それはそれで楽しかったけど悔しい!
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森の雰囲気も関東とは少し違いました。
シダ植物が多い一方でスギがほとんど生えていないので、花粉症に悩まなくて済みそうです!
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窓ガラスも散らばっており、80年前がすぐそこに感じられた。
ちなみに製造元は現在旬の日産。
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ダイコンとキュウリを足して固くして2で割った食感。
しかし、この旅行で一番地球を感じた、いや地球に圧倒されたのは行きの船です🛳️
父島には空港がないため、父島に行くためには東京港からおがさわら丸という船に乗る必要があります。所要時間は24時間!
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小笠原諸島への旅客と貨物の輸送を全て担う島の生命線。
このおがさわら丸、7階建てとかなり大きい船で東京湾内は安定した航行をしてくれたのですが、太平洋に出た途端に速度が上がり波も大きくなることからめちゃくちゃ揺れました。
縦揺れ横揺れのダブルパンチ。手すりにつかまっていないと歩けないレベルです。
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これ6Fデッキからの写真ですよ。遥か下に見える海面がこんなに波打っているんです。
うーん写真では船の揺れをうまく伝えられない……もどかしい。
そんなわけでちゃんと船酔いしました。
中高ボート部だった人間が船酔いするなんて屈辱でしかありません。
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自室には窓がなく酔いがひどくなるので、デッキに出て船酔いに耐えながら外の景色を眺めていましたが、周りは一面の波打つ海です🌊
水深1000mのだだっ広い海の上で船にゆらゆら揺られている状況を冷静に考えたときに、自分たちのちっぽけさや孤独を強く感じました。特に夜は漆黒の海の存在感に圧倒され、このまま飲み込まれてしまうのではないかとビクビクしていました。
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船から約40km離れているが、光がよく見える。
船酔いと恐怖で地球に完敗した船旅でした。
帰りは乗船前に酔い止め薬を飲んだため、快適な船旅を楽しめました。
ありがとうアネロン。
3. 好きなアイス
小笠原の文章をだいぶ長く書いてしまったので、最後は手短に。
パンケーキに乗ったアイスが好きです。
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アイスって最初の2,3口はいいですけど、食べ進めていくうちに「おいしい」よりも「冷たい」が勝ってきませんか?
『とけないアイスがあるとして』では新幹線の車内販売で売っているアイスが出てきますが、あれこそ本当に冷たくて2口目以降はもう口の中の感覚がありません。
このように舌が冷たさに敗北してしまうと、せっかくのアイスがあまり楽しめなくなります👨🏫
その点、パンケーキに乗っているアイスは、口の中を適宜パンケーキで温めながら食べることで、アイス冷たさと甘さをいつまでも楽しむことができます。
アイスと温かいもの一緒に提供することを発明した人は天才ですね!
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4. 最後に
のぞみ、太平洋、冷たさ、どれも手ごわい相手でした。
『とけないアイスがあるとして』。実際に新幹線、地球、アイスの3つのテーマが物語の中でどのように絡みあうのか、登場人物は何と戦い、そして誰が負けないのか、ぜひその目で確かめてくださいね。
劇場でお待ちしております!
***
劇団トワズガタリ 名前のない演劇祭A
『とけないアイスがあるとして』
脚本・演出 滝澤諒
いつか富士山が見えた窓、暗い鏡になった窓。新幹線は夜を駆け、地球は今日も廻り続ける。
◆出演
宇佐木 川上頌太 高尾友季
◆日程
3/15 (土) 第2部17:30〜
3/22 (土) 第1部15:00〜
*1 部につき2 団体の公演があり、両公演併せて60 分となります。
*チケットは1部につき1 枚です。
*開演30 分前に受付・開場いたします。
◆料金
応援チケット 3000 円
一般 2500 円
U22 2000 円
高校生以下 1500 円
リピーター 1000 円
ご予約:https://shibai-engine.net/prism/pc/webform.php?o=74fhlenm
◆会場
北池袋新生館シアター
東京都豊島区池袋本町1-37-8 中村ビル 2F
アクセス
東武東上線・北池袋駅(池袋駅から1 駅)から徒歩30 秒
埼京線・板橋駅 西口より徒歩10 分
※お時間に余裕を持ってお越しください。
◆スタッフ
主宰 葦ノ芥
副主宰 高尾友季
舞台監督 葦ノ芥
演出助手 葦ノ芥 柚木弥桜
照明 小畠佑介
音響 佐藤愛佳
宣伝美術 葦ノ芥
衣装 YUKI
小道具 YUKI
制作 杉咲律 野口ふく
広報 羽尻結衣
◆お問い合わせ
名前のない演劇祭
連絡先:no_name_theatre@yahoo.co.jp
X:@no_name_festa
劇団トワズガタリ
連絡先:gekidan.towazugatari@gmail.com (制作 杉咲)
X:https://twitter.com/_towazugatari
Instagram:https://www.instagram.com/__towazugatari/?igsh=bGc3NTNxYzVncWJq
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