滝澤諒の自己紹介
【自己紹介】
脚本・演出を務めます、滝澤諒と申します。全く同じ名前のアイドルが存在しているため、エゴサをするとイケメンの別人ばかりがタイムラインに流れてくると自分の中で話題に。偽名を使うよりも、同姓同名の別人がいた方がプライバシーの担保に役立ちそうです。
普段は新聞社で「校閲」と呼ばれる仕事をしています。紙面の間違いを見つけ出して直すのですが、毎日大量の活字と向き合っているうちに人との向き合い方を忘れてしまい、このままではいちいち「誤用ですぞwww」と指摘するような人間になってしまいそうで恐ろしいです。ただ、ひたすら文章に向き合う仕事は性に合っていたらしく、なんとか演劇と並行して続けることができています。そういえば、昨年は卒論と並行しながら脚本を書いていましたね。一つのことにだけ頭を使って煮詰まる(実はこれも誤用)よりも、気分転換になって良いのかもしれません。普通にしんどいというデメリットは置いておいて。
【質問への回答】
ところで、昨年自分が書いていた脚本というのが、中央線の駅名を冠したキャラクターたちが跳梁跋扈する物語でした。「中央線沿いで好きな町は?」という質問は、それにちなんでということでしょう。
良い質問のお礼に、高尾駅の思い出から始めることにします。約4年前のこと、演劇サークルの公演準備の作業後に、ノリで「終電で高尾山行って日の出見ようぜ」という話になり、私を含めたバカ3人で暗闇の中、スマホを頼りに登山をしました。ライトを消せば、目を開けているのか閉じているのかもわからないほど濃い闇の中で、風に揺れる笹にすら怯える始末。しかし、顔を上げれば満天の星空(誤用)、彼方にはビーズをぶちまけたかのような煌めく夜景が……。ただ、気温は氷点下。地表より約3度ほど低く、「凍死する!」と思って山頂の自販機で買ったコーンスープはすぐに体温より冷たくなりました。震えながら待った日の出の感想は、「これでやっと帰れる」。
他にも印象に残っている町はたくさんあって、夜遅くまで公園で語り明かした吉祥寺も良いし、公演を楽しんだ荻窪(小劇場)も、高円寺(古着屋やカフェ)も捨てがたい。うーん。中央線沿いの町は、どれもそれなりに良いところがあって、そしてどこか決定打に欠けるような気がします。
町ではなく、駅に絞って考えるのであれば(西)国分寺でしょうか。我が母校、一橋大学の最寄りである国立駅から新宿方面に向かう中央線に乗ると、一つ目の駅が西国分寺、二つ目の駅が国分寺です。前者には武蔵野線、後者には西武線が乗り入れているため、ここで多くの人が下車するのですが、これがちょっとした問題に。駅の間隔が5分弱ほどしかないので、話題のチョイスが難しいのです。いずれかの駅で降りる人と一緒に帰っていると、(あ、そろそろ着くから話切り上げないとな……)と気もそぞろになりますし、複数人で一緒に帰っていると残った人と何を話そうかということを即座に考えなくてはなりません。特にサークルに入りたての頃は(西)国分寺で一気にメンバーが減って、まだあまり話したことのない人と一緒になると、毎回静かにテンパっていました。農工大の先輩と二人で帰った時は、何を思ったのかスイカの栽培方法に関する蘊蓄を傾けていたことを覚えています(ネギと一緒に栽培するといいとか)。何もかも間違えている……。でも、そのぶん新しい会話も生まれるわけで、そういうドキドキ感を生み出してくれる場所としては好きかもしれないです。
【飽きた】(人生の分岐点)
つまらん。よそゆきの毒にも薬にもならない文章を書いてしまった。そもそも自己紹介って嫌いなんだよ。幼稚園の頃に年長さんの時だったかな、家庭の事情ってやつで転園した時に、僕は元々クソデカマンモス幼稚園に通っていたんだけど、10人くらいしかいないようなちっこいボロボロの幼稚園に移って、そこで見知らぬ園児に取り囲まれて自己紹介させられたのめっちゃ怖かったなぁ。プラタナスの巨木の下で。小1の時には吃りがひどくて名前がうまく言えなくて、帰り道でツヨシくんって子に「練習しようぜ」って言われて何回も名前を言わされたな。いいやつだったけど、すごい嫌だった。大学に入学してからも、105分授業の初回で自己紹介だけで使い切った時はたまげたね。全員の名前なんて覚えるつもりないし、必要だったら自分で名前聞くよ。まあでも情報収集の場というよりも場に加わるための儀礼なんだろうな。不思議だけど。だって、別にオリジナルでも何でもない短いフレーズを言うか言わないかで信用度がめちゃめちゃ変わるんだから。
こんなくだらないことを言ってる人間がきちんとした青春を送れたわけもなく、中学入学早々に卓球部に入りラノベにハマるというダブル・ミステイクを犯した僕は、花の陰キャ道を爆進していたわけなんですが、そんな僕にも転機が。生物の授業が終わった後、教室に戻ろうとする僕を呼び止める声。振り返ると、クラスのちょっとイケてる女子(ちょっと、というところがミソなんですね)が何かを手渡してきた。忘れ物の『デート・アライブ⑤』。ちょっとエッチな挿絵が入っているやつ。「たっきーってこういうの読むんだね」。それ以来、僕はラノベを封印し、教室ではドストエフスキーを読むようになった。これ実話ね。文学かぶれになるというトリプル・ミステイクを犯した僕は教室から浮き上がってあわやそのまま雲の中へ……というすんでのところで踏みとどまる。
高2の文化祭がきっかけだった。我が母校はクラス対抗で演劇をするのだけれど、みんなすっごい気合い入ってるからどこもクオリティもすごくて、だから結局勝負を左右する要素として脚本の面白さが結構大事になってくる。で、うちのクラスでは陽キャが「俺らでオリジナル脚本考えよーぜ」と言い出したはいいものの当然彼らにまともな文章を書ける能などあるはずもなく、「たっきーって難しそうな本読んでるから書けんじゃね?」というわけで無事に脚本を押し付けられる羽目に。それでも、放課後に「脚本会議すっぞ!」と集まって、ワイワイと意見を言い合うのは、何だか青春みたいで楽しかった。「タイムスリップさせよう」とか「ホラーにしよう」とか「謎解き要素を入れよう」とかめちゃくちゃなことばっかり言ってたけど。
で、『Endless Night 時空を超えた肝試し』っていう劇を作って(原題は『あぽたぷなさ』。「みんなで一文字ずつ考えたら最強の題名になるんじゃね!?」という天才的な発想のもと決定したが、クラス投票で却下された)、それがまさかの高3をも打ち負かす得票数に。脚本というよりは、陽キャたちの演技と人望(と政治力)によるものが大きかったみたいだけど、そんなことより、喋るのが苦手な自分が書いた言葉が、観客を笑わせている。そのことに、ちょっと柄にもなくドキドキしてしまった自分がいて、それが今でも演劇を続けてる理由なのかな、って思ったり。
ここからは早送り。高校での経験がきっかけで大学で演劇サークルに入り、そこで先輩の脚本のパロディーを書いていたらその先輩から読書会に誘われ、そこで同人誌を出すことになり、それ用の小説を書いたらたまたま入賞し、そのおかげで面接に有利になって今の仕事に就き、大学院進学を回避したのでサークルにフルコミットして卒業公演の脚本を書くことができ、おかげで後輩とも仲良くなれ、今も演劇が続けられている、というわけで。すごい分岐点だったんだなぁ、今から思えば。
【別の人生を生きられるなら?】
JKになって、プリ撮ったり制服ディズニーしたり。生物室に忘れられていたラノベを回収して、冴えない男の子に手渡したり。したいなぁ。
公演情報
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劇団トワズガタリ
名前のない演劇祭紫 参加作品 『同生同命』
脚本・演出 滝澤諒
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◆出演
高尾友季 羽尻結衣
◆スタッフ
音響 小畠佑介
照明 宇佐木
宣伝美術 葦ノ芥
広報 川口芽萌子
制作 柚木弥桜
応援 佐藤愛佳
◆日程
3/20(水)[第 2 部] 17:30~
3/20(水)[第 3 部] 20:00~
*1 部につき 2 団体の公演があり、両公演併せて 60 分となります。
*チケットは 1 部につき 1 枚です。
*開演 30 分前に受付・開場致します。
◆料金
応援チケット 2500 円
一般 2000 円
高校生以下 1500 円
リピーター500 円
◆ご予約
下記 URL よりご予約ください。ご予約は本番当日の 8 時まで承っております。それ以降 は当日券の扱いとなりますので、当日受付までお知らせください。
◆会場
北池袋新生館シアター 東京都豊島区池袋本町 1-37-8 中村ビル 2F
◆アクセス
東武東上線・北池袋駅(池袋駅から 1 駅)から徒歩 30 秒 埼京線・板橋駅 西口より徒歩 10 分 *お時間に余裕を持ってお越しください。
◆差し入れについて
全て受付にて預からせていただきます。生もの、お花の差し入れは NG とさせていただき ます。ご了承ください。
◆お問い合わせ
名前のない演劇祭 Mail:no_name_theatre@yahoo.co.jp Twitter:@no_name_festa
劇団トワズガタリ Mail:gekidan.towazugatari@gmail.com Twitter:@_towazugatari
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