雑誌会や特演を攻略する
英語が苦手な人のための英語論文の読み方、まとめ方
私の通っていた大学では、論文を読んで、纏めて、そして発表するイベントがありました。イベントの呼称というか講義名は、学部の時は雑誌会、マスター(大学院)の場合は特別演習略して特演と呼ばれており、各々が英語論文を探してきて、翻訳を頑張って、パワポにまとめて、、、といろいろと面倒なイベントでした。もちろん、半ば強制される形で論文を読まされるので強制的に頭に知識が入ってくるので、最終的には学会発表であったり卒論・修論で意外と役に立つ場面が多かったりします。
ですが、できれば楽して乗り切りたいと思うのは必定ですよね。なんだかんだで論文は読み物なのでいかに楽して早くたくさん読めるかというのが攻略の鍵になります。
さぼれる部分はさぼり、必要な知識はきっちりと頭に入れるほうが効率はいいのではないでしょうか。
さて、どんな風に早く論文を読むのかというとずばりgoogle翻訳をフル活用します。そして、意外と大事なのがPDFビューワに何を使うのかというのもポイントです。
まず初めに、論文の選び方ですね。
大体12~16ページくらいの論文を選んでおけば間違いないでしょう。
少なすぎるのはプレゼン時間が余ったりするので危険ですし、何より教授に「少なすぎる」と突っ込まれかねません。ほどほどのものを選びましょう。
そして、内容に関しては好みでもいいですが、学士ならば割と基礎の論文、修士なら割と新しめの論文でいいのではないでしょうか。この辺は研究室の先輩に相談すればいい感じの論文を教えてくれると思います。
情報系の分野であれば割と日本語でまとめてくれているものも多いのですが、そういうのはかえって危険な可能性もあります。
なぜなら、日本語でまとめるくらい有名なのであれば教授陣はめちゃくちゃ詳しい可能性が高いからです。プレゼンで中途半端なことを言うと質問でいじめられる可能性があると思います。(ただ、しっかりと要点を押さえて、質問されにくいようにカモフラージュするというテクニックもなくはないです。)
論文が手に入ったら、おそらくそれはPDFになっているかと思います。大体の人はGoogle Scholarなど引っ張ってきていると思いますので。データさえ手に入れればあとはコピペ翻訳でひたすら翻訳開始なのですが、ここでポイントがあります。
ここで用意するものは
・Google Chrome
・Google翻訳
・Libre Office Writer(改行コードを消すため)
になります。さて、一番大事なのはGoogle Chromeになるかと思います。なぜかといいますと、こちらのコピペ機能が非常に優秀なのです。ブラウザはEdgeやらFireFoxやらあるかと思いますが、PDFの論文をコピペするのであればChromeが最優秀でしょう。詳しく説明していきます。
まず、前提としてPDFはChromeで開きます。そしてなぜChromeなのかといいますとコピペ機能が優秀だからです。どこが優秀なのかといいますと、主に改行に関してです。例えば、PDFになっている文章というのは文章が終わっていなくても幅が足りなかったら改行しますよね。わかりにくいかと思いますので下に例を出します。
例:
Hello, this is a pen. I love
apple.
みたいな感じで、I love apple がlove で改行が入ってしまいますよね。こちら、PDFビューワによっては改行コードもしっかりとコピーされてしまいます。この文章をそのままGoogle翻訳にぶち込んだ場合、
こんにちは、これはペンです。私は愛している
リンゴ
となってしまうのです。ネイティブの日本人からすれば少しカタコトな日本語になってしまいますよね。しかし、Chromeの場合はこの改行をしっかりと無視してくれるので
こんにちは、これはペンです。私はリンゴが大好きです。
と改行が消えたことで自然な文章になったので翻訳も自然になるのです。
これだけでも楽になるのですが、もう1点便利な点があります。それは、論文中で単語の途中で改行されているときです。例えば、appropriateという単語が改行されるタイミングで論文に現れるときは
approp-
riate
というように、単語の途中に" - (ハイフン)"を入れて単語の途中ですよ、というしるしにしています。そのまま読める人はいいのですが、コピペで翻訳する人間と機械にとってはこれは厄介で、うまく翻訳してくれません。
そんな時でも、Chromeは非常に優秀です。しっかりとこれを検知してハイフンを消してクリップボードにコピーしてくれるのです。
正直、Chromeさえあれば最強な気がしてきますが、、、
では、LibreOfficeはどんな時に使うのかということになりますね。
こちらは、たまにChromeでも上手に改行を消してくれないことがあります。
そんな時に、検索・置換という機能を使って改行を正規表現で検索してスペースなどに置換するという処理を行います。
これさえ整えば、英語論文の翻訳は克服したも同然です。
もう少し、翻訳のポイントがあるので続けます。
やはり、論文というのは専門用語がたくさん出てきます。こんな単語上手に翻訳できないだろってのも結構あったりします。
例えば、私が最近目にしたものは"image registration"というものです。こちら、翻訳を通すと画像の登録と訳されるので、翻訳されている文章を読んでいると「???どゆこと?」と、不自然な日本語に首をかしげることになります。不自然な訳され方をされたときは、その単語について日本語と組み合わせて検索してみるのをお勧めします。先ほどの場合だと、画像処理の分野の論文だったので
[ 画像処理 image registration ] [検索]
という風に、分野(日本語)+訳が変な単語(英語) の組み合わせで検索してみてください。おそらく自然な日本語の言い回しで説明されているものが出てくると思います。それでも出てこない場合は教授に素直に聞いてください。専門的過ぎて広まっていない言葉ということになります。
さて、あとは日本語を読んでいて少し不自然と思う部分に接続詞を入れてみたして自然な日本語に変えていけば割と日本語論文風の体裁が整ってきますのでそこまでくれば自身の日本語脳で読解してください。
ですが、むやみにイントロダクションからコンクルージョンまで馬鹿正直に翻訳していては理解に時間がかかりすぎます。
論文の読み方のコツとしては、概要をいかに読み解くかにかかっています。
まずはアブストを読んで「ふーん、大体こんなことが書いてるのね」
という雰囲気をしっかりとつかんでください。30秒プレゼンでこのような内容ですと話せるくらいが目安かと思います。アブストには論文を短くまとめてあります。正直、ここに目的、結果、まとめがあります。ここさえ読めばなんとなく論文がやりたいことがわかります。
そして、アブストを読んだら次にIntroduction、その次にConclusionを読みましょう。そしたら、
「ほうほう、こういうモチベーションで研究をしていて、どういう式が成り立つかわからんしどういう結果を図で示しているかは知らんけど、結果としてこういう結果になって、こういう風に結論付けたのね~」
と、アブストの時よりも少し具体的に頭の中に論文の骨組みが出来上がってくると思います。
すでに、この時点でプレゼン資料のうち頭と結の部分はできています。
あとはここに具体的に数字を入れていけばいいのです。
ここに数字を入れるコツとしては、Conclusionを読んでいて「この数字どこから出てきたん」ってやつが出てくると思います。そこから芋ずる式に探していけば大まかに理解がはかどるでしょう。ついでにこの辺りでグラフや図表が出てくるかと思いますので、それらを頼りに数字の根拠を詰めていけばいいでしょう。
最後に、論文中の参考文献に関してです。
意外と、この参考文献が大事だったりします。というのも教授に意地悪な質問をされたりしたときにはやはり自身の知識量が大事になってきますし、加えて答えられなかったとしても参考文献も読んでいるというアピールにもなって意地悪度合いが下がるかと思います。参考文献に関しては、文献自体がバックグラウンドにある場合は同じ方法でAbstract, Introduction, Conclusionさえ読んでおけばいいでしょう。式に関して参考・引用文献とし登場したものであればその式が出てくる章だけを読めばなんとなくわかることが多いです。
いちいちすべての論文を読んでいたら正直時間が足りませんのでこのようにして効率化を図りましょう!
まとめ
・Google Chromeを使おう
・論文はAbstract, Introduction, Conclusion, その他の順で読もう。
・「なんやこの数字、どこから出てきたんや」から芋ずる式にデータを読み解こう
・急がば回れ 参考文献も効率的に読んでおこう。
こんなとこかと思います。
そんなこんなやっていたら結構な数の論文が頭に入るので頑張りましょう。
英語のまま読むのは余裕が出てからでいいよね、、、?
以上、トウフ流の英語が苦手な人のための英語論文の読み方、まとめ方
でした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
トウフ