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【ネタバレあり】白昼夢の青写真 クリア後の感想 垂れ流し

はじめに

…とんでもないゲームを作ってくれたな、と思った。

これを書いている今、クリアして丸3日経っているけど、気が付けばこの作品のことを考えている自分がいる。

なんとかしてこの気持ちを吐き出さないと今後の人生に支障が出るレベルなので、書き出していきたい。

総評

総プレイ時間は24時間ぐらいだった。読むのが多少早い方だと思うので、大体30時間あればクリアできると思う。

週末とか連休とかある程度時間を見つけて一気にやって欲しい。ついでに翌日を休みにしておいたほうが感情の渦に巻き込まれても浮き上がってこれる時間が取れるのでオススメ。

分岐はなし。3つのシナリオを読み進めて最後のグランドストーリーに収束していく。

シナリオ・演出・BGM、全てが欠けることなく白昼夢の青写真という一つの世界を構築している。

エロに抵抗がないなら是非買ってプレイしてみて欲しい。1万円は高い? 飯を抜け。

そのうち全年齢版が出たり、アニメ化などもされる(されて欲しい)と思うけど、この感覚は今だからこそ味わえるものだと思っている。

作品を紹介するときにあまり他の作品の名前を出したくないんだけど、シュタインズゲートと智代アフターを足した近未来SFって感じが近いと思う。何を言ってるのか分からないと思うが、クリアすれば分かる。

きっかけ

ペリカンさんと漆原莉子さんの対談動画の中であったコメントだった

莉子ちゃんねる【初!実況&対談コラボ配信!】ペリカン先生×漆原莉子
https://www.youtube.com/watch?v=2op1qmoqhX4&feature=youtu.be&t=3325

 ペリカン「今オススメするなら白昼夢の青写真」
 莉子「ペリカンさん、まさかの被りです」
 ペリカン「面白かったとかではなく、心を動かされた」

Laplacianというメーカーは、正月のセールでニュートンと林檎の樹を買ってプレイした程度にしか知らなかった。

ニュー林自体は綺麗にまとまっていたものの、良くも悪くも「まぁ面白かったよ」というレベルの作品だったので、個人的にはそこまで期待していなかった。

しかしあのペリカン先生が「心を動かされた」というのだから、プレイしないわけにはいかないなと思ったのがきっかけ。

ここからネタバレありの雑文

最初に断っておくと、このゲームにはヒロインが1人しかいない。

そして、このヒロイン"世凪"と主人公"海斗"の人生全てを見せつけられるのがこのゲームである。

(エロゲユーザあるあるだと思うんだけど、最初にコンフィグ設定をしてゲーム開始をして少し設定をいじってまた最初から、というのをやると思うのだが、新しく始めるたびにこのCASE-1, 2, 3がランダムで始まってしまって戸惑った)

CASE-1, 2, 3の物語は完全に独立している。

後に出てくるCASE-0でそれぞれの意味が分かってくるんだけど、とりあえず1つずつのCASEがお話としてしっかりまとまっているので、ダレることなく楽しめた。

CASE-1 波多野 凛

主人公は有島 芳。

45歳非常勤講師。かつて小説家を目指していたが、大学時代の先輩"波多野 秋房"という天才作家に打ちのめされて筆を折り、冷え切った関係の妻との怠惰な日常を過ごしていた。

そんな中、波多野 秋房の娘である凛と出会い、秋房の人生最後の記録に触れることで、物語が進んでいく。

父と母から見捨てられた世凪の孤独感から生まれた凛。

挫折感・敗北感・劣等感を常に感じ続けている有島。

死をモチーフにした冷たく暗いテイストのシナリオで、個人的にイチオシのCASE。

同じ教員である渡辺のセリフに自分自身も救われ、泣いた。いいやつだよ渡辺…。

CASE-2 オリヴィア・ベリー

主人公はウィリアム・シェイクスピア。

カトリック弾圧の激しい中世イギリス(作中だとテンブリッジ)が舞台。貴族の家に盗みに入ったところをオリヴィアに奴隷として身請けされ、彼女の劇団の劇作家として頭角を現していくというストーリー。

演劇をテーマにしたシナリオで、登場人物も多く、終始楽しい掛け合いが見られるCASE。

作中のシナリオと『ハムレット』『ロミオとジュリエット』がリンクしており、その辺りも知っているとなお楽しめる。

勝ち気な性格のオリヴィアがふと見せる優しさを含め、世凪の理想の大人の女性像か。

『ロミオとジュリエット』になぞらえた純粋なラブストーリー、まさに喜劇。

CASE-3 桃ノ内 すもも

主人公は飴井カンナ。とある事件によって通信手段がなくなった近未来日本が舞台。

有名な写真家だった母親に憧れ、母親が残したスケッチから76年に一度見られるハレー彗星を撮影するために奔走し成長していくひと夏の青春物語。

カンナもすももも、自分の本当にやりたいことを探して、互いが互いに助けられ、気付きを得ていくシナリオがとにかく好き。

CASE-1が死の物語だとしたら、CASE-3は生の物語。自分らしく生きるってなんだ?を探し続けた2人の物語。

すももは世凪にとってのありのままの自分だったのかなと思う。

もしかしたら、もう一人の登場人物であるスクラップハンター梓姫さんも、世凪の出した一つの答えなのかもしれない。

テーマソングの恋するキリギリスがとてつもなく好きなんだよね。早くフル版発売してくれないかな。

【白昼夢の青写真】CASE-3オープニングテーマ『恋するキリギリス』
https://www.youtube.com/watch?v=lyVKfhKLs1c

CASE-0 世凪

主人公は海斗。

何故か記憶を失った状態で何らかの施設で目を覚ます。隣には謎の白髪赤眼の美少女"世凪"。

アンドロイドの出雲に促されるまま3つの夢を見て、自身の記憶を追体験させることで本当の目的を知っていく…というストーリー。

ここのシナリオは是非自分でプレイして体験して欲しい。

まとめ

ぱっと見はヒロインが4人いて個別の愛の形を表現しているのかと思いきや、全てが世凪に対する海斗の愛の深さを表していることに気付いたときには、世凪のことが好きすぎてたまらなくなっているはず。

クリア後にCASE-0のOPテーマ『Into Gray』を聴くと、自然と涙が出てきます。

【白昼夢の青写真】CASE-0オープニングテーマ『Into Gray』

https://www.youtube.com/watch?v=fov1aJ3lc3E


全人類、やれ。


公式サイト: https://laplacian.jp/yonagi/

Amazon: https://www.amazon.co.jp/gp/product/B081ZC5W6H

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