やっぱり、夏が一番好きだ
自分が生まれた季節だからか
夏休みのせいなのか
私は夏が一番好きだ。
むわっとして空気を手で触れる感じも
ぎらぎらと照り付ける太陽も
もくもくとした入道雲も
大きな声で鳴く虫の声も
不穏な気配を出してから降る
突然の大粒の雨も
額からふきでる汗も
ふとももにへばりつく制服のスカートも
雨でびしょ濡れになって
きゃあきゃあいいながら
友達と校舎に避難していたことも
クーラーの効いた静かな図書館
水浴びの冷たさ、きらやかさ
音、光、鮮やかさに魅せられる花火
終わってしまう寂しさ
そういうことを思い出す瞬間。
情緒の変化が激しい私と
空模様が似ているからなのか
いつもはひっそり生きている私が
夏に惑わされて
大胆になれるからなのか。
今回の夏もまた
一年前と同じように
今までのような良さは味わえないだろう
でも、それでも
家の窓から入道雲を眺めたり
暑い日にガリガリ君をかじったり
家の前で手持ち花火をしたり
ベランダで花や野菜を育ててみたり
夏を夏として満喫することはできるから
私の大好きな、夏。
前向きになれる、夏。
いつも始まりの、夏。
楽しみたい。せっかく生きてるんだから。