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「アウトプットする」ためのハードルについて考えた

こんにちは。サイボウズ株式会社 開発本部 People Experienceチーム Developer Councource Unit(以降DCU)の貴島(@jnkykn)です。DCUは、エンジニアの成長や情報の流通を軸に活動をしています。今日は、今年の夏に企画したイベントの顛末について書きます。(企画の供養と思って😇)

情報発信のきっかけを作りたい

技術広報の文脈で語られることが多いエンジニアの情報発信ですが、個人的には成長の機会の1つと捉えています。技術的な情報発信のためには「いい加減なことは公開できない」と考え、裏付けのための調査や検証をする方がほとんどではないでしょうか?この調査や検証と文章化を通して、自身の知識が深まったり、整理されたりするところが、成長のチャンスだと思うわけです。

障壁を低くすることで情報発信しやすくできないか?という試み

一方、普段ブログを書いたりする習慣がない方にとって、「公開することを前提にした準備」の障壁が高いのではないかと考えていました。例えば、情報発信のきっかけとして、アドベントカレンダーを挙げる方も少なくないと思います。しかし、アドベントカレンダー企画に参加するための記事の公開先を持たない場合、新たにブログサービスに登録するために登録先を調査、比較検討したり、ユーザー登録したりという手間があります。サイボウズの場合は、Cybozu Inside Outで公開する方法がありますが、「いいネタがあるんだけど、社外に公開して良い内容かどうかチーム内で確認が必要」というケースもあると思います。社内限定記事やメモもOKにすれば、この障壁が下がるのではないか?と仮説を立てました。夏ならアドベントカレンダーとは違った企画にできると考え、7月に開催することにしました。
アナウンスの文案を、北地(@tos_kitt)さんや酒井(@sakay_y)さんにレビューしていただき、企画参加用のkintoneアプリを作成しました。企画のご相談をしていた酒井(@sakay_y)さんからは、「この目的が達成できたかどうかを、参加者アンケートで確認できるようにすると良いですよ」と助言をいただきました。そこで、参加アプリに記事の情報登録と同時に、簡単なアンケートに回答していただくことにしました。

ブログまつり参加アプリの画面
ブログまつり参加アプリの登録フォーム

こうして作成したアナウンス文と参加用アプリの英訳を、社内の翻訳担当チームに英訳依頼をして日英対応しました。
企画の周知をするにあたって、北地(@tos_kitt)さんに助言をいただいて、スクラムマスターやQAのリレーブログ執筆メンバーにも企画の事前共有をしました。その後、開発&クラウド基盤&ラボ向けに告知、募集期間は7月いっぱいとしました。

情報発信ができるようになるには段階がある

募集開始と同時に参加してくださった方もあったのですが、どちらかというと普段からブログを書いたり登壇したりアウトプットができている方が登録してくださった印象です。社内テックカンファレンスとして開催された開運夏まつり2024のOSTで、西原(@tomio2480)さんがおっしゃっていたのですが、「そもそもアウトプットに至るまでには障壁があり、各障壁をクリアしていかないとアウトプットにつながらない。障壁をクリアするための施策が必要。」で、以下のような段階があって、各段階の間に障壁があるということでした。
1.言葉になる
2.構造化
3.調査+表明+公開可否の検討
4.見せ方、ことば遣い、アクセシビリティの検討

技術情報のインプット・アウトプットと習慣化・成長の関係についてOSTで議論された内容
「結論:西原が記事を書く」となっていますが、記事は書かれていないかも?

結果報告

企画の告知をして数週間後、予想外の「CYBOZU SUMMER BLOG FES'24」企画が立ち上がりました。自分が企画するより、エンジニア主導の企画の方が1億倍価値があるじゃないですか!というわけで、自身のブログまつり企画そっちのけで記事の公開依頼に対応したり、Cybozu Inside Outにバナーを掲載したり、Tech系ブログRSSを作ってみたりしていました。そんな中で、11本の記事(うち2本は自分で登録)がアプリに登録されました。ご参加、ありがとうございます🙏
記事登録状況を7月のカレンダー形式で表示すると、思ったよりも登録された記事があるなぁと感慨深いです。

ブログまつり参加アプリのカレンダー表示
程よくカレンダーが埋まっていて良い

以下、アンケートの結果をご紹介します。
※1人で複数の記事登録ありのため、人数ではなく件数を表記しています。

ブログまつりは情報発信のきっかけになりましたか?

書いたものをあとから登録する方式だったので、「これも登録できそう」と書いた後で参加してくださるケースがやや多かったようです。

円グラフ:情報発信のきっかけになりましたか?
情報発信のきっかけになりましたか?
  • Yes: 5件(45.5%)

  • No: 6件(54.5%) 

    記事の公開場所

    記事の公開場所は、下書きを含む非公開の場所が11人中9人と、圧倒的多数でした。これは、期待通りの結果なのですが、一部は「この投稿、良い知見だと思うのでぜひ登録してください~🙏」とこちらから働きかけて登録していただいたものもあるので、純粋な記事公開に関するデータではありません。

円グラフ:記事の公開場所の割合
記事の公開場所の割合
  • 下書き:1件(9.1%)

  • 公開ブログ:2件(18.2%)

  • 社内限定:8件(72.3%)

お題(記事のテーマ)
お題は、タイミング的に「開運夏まつり」について書かれたものが4件ありました。開運夏まつりのフィードバックが集まると良いなと思っていたので、嬉しい結果でした。

円グラフ:お題(記事のテーマ)
記事のテーマ
  • 最近始めたこと:1件(9.8%)

  • 知見の共有がしたい!:1件(9.8%)

  • 開運夏まつり:4件(36.4%)

  • 自由テーマ:5件(45.5%)

この企画の中で情報発信の助けになったところ
助けになったところがあれば回答していただく任意回答形式で、11件中6件の回答がありました。非公開OKが情報発信の助けになったという方が一定数あり、これも期待どおりでした。

円グラフ:この企画で情報発信の助けになったところ
情報発信の助けになったところ
  • お題:1件(16.7%)

  • 事後エントリー方式:2件(33.3%)

  • 非公開OK:3件(50%)

ふりかえり

今回、アプリやアナウンス文の英訳を依頼したり、準備に時間をかけたわりには、企画の背景の説明不足があったなぁという反省があります。そんな企画にご参加くださった皆さま、本当にありがとうございます!!!その点、「CYBOZU SUMMER BLOG FES'24」は、企画書もしっかり練られていて共感できる内容でしたし、次々に参加者の輪が広がっていったのにも納得できました。(CYBOZU SUMMER BLOG FES'24の企画詳細については、その場の思いつきが20日間で100本以上の記事を生む企画になるまで|「CYBOZU SUMMER BLOG FES '24」の経緯と顛末)をぜひご一読ください。

今後について

アウトプットのきっかけづくりがしたいと思って企画したブログまつりだったのですが、普段からブログを書いたりする習慣がない方にとって、情報発信を始めるためにはとても大きなエネルギーが必要だと改めて感じました。西原(@tomio2480)さんが主催している力強くアウトプットする日 のように、「この時間に書きましょう」というもくもく執筆する会を社内で定期開催して、習慣付けのために利用していただくと良いのかもしれないなと妄想しています。来年また何らかの形で、情報発信をサポートできるような企画を検討したいと思います。

おまけ

下書きでも参加OKにするために、お題に「せっかく書いた記事の供養のため」というのを追加したのですが、出番はありませんでした。

記事のお題の選択肢のメニュー表示「開運夏まつり」、「最近、買ってよかったもの」、「知見の共有がしたい!」、「お勧めの本」、「仕事を快適にするツール」、「最近始めたこと」、「せっかく書いた記事の供養のため」が表示されている。
せっかく作ったお題の供養

おまけ(2)

このnoteをきっかけに、西原(@tomio2480)さんがOSTの結論(西原さんの宿題)になっていた記事を書いてくださいました。ありがとうございます!

  • 更新履歴

    • 西原(@tomio2480)さんの記事公開について、追記(2025-01-04)


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