【レビュー】 『Shelley FKA DRAM』 / Shelley FKA DRAM
一発屋ラッパーの笑顔の行方
1. 一発屋ラッパーとしての苦悩どの業界やジャンルにおいても一発屋ほどその後のキャリアに苦悩する者はいないだろう。華々しいヒットは刹那的なもので、波に乗るのかはたまた波に飲み込まれて二度と這い上がれずに溺れてしまうのか、そのプレッシャーは計り知れない。ことラップの世界においてもそれは顕著だ。ラップトップとマイクさえあれば誰でも成功できる可能性を秘めているヒップホップドリームの裏では、数多くのラッパーが成功を手にできずに消えていく。仮にその成功を一度手に入れても、その成功が