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大家族のような街に

おはようございます。
先週末は、神輿に、盆踊りの練習に、と夏男満開の気配の武内和久です;)

認定NPO法人 フードバンク北九州ライフアゲインの代表/原田 昌樹さんにお会いし、たくさんのお話を伺ってきました。

ライフアゲインの事業内容は、下記のとおりです。

  • フードバンク事業……食べられるのに廃棄されている食べ物を頂く仕組みをつくる

  • 食のセーフティーネット事業……貧困世帯などを食を通じてサポートする

  • ファミリーサポート事業……食を通じたサポートをする中で、他の問題点などを見つけ、一緒に解決していく

  • 食の災害支援事業……被災地に必要とされる“温かい”食を届ける

無料塾はメディアでも注目されています。

所得、教育、健康、さまざまな「格差」が声高に叫ばれる中、都市型の北九州の貧困問題は、より深刻かもしれません。
北九州において、いわゆる貧困家庭とされるのは、約2万世帯もあります。
ひとり親家庭に限ると、1.4万世帯のうち半分以上が、貧困状態にあるそうです。

貧困状態になると、直撃するのもののひとつに『食べ物』があります。
「食べたいものを食べられない」のでなく、「今日食べるものがない」ということが
あちらこちらで起きています。
食べるものがないということは、子ども達の体だけでなく、心にも重くのしかかることが見過ごせません。

代表の原田さんは、ご自身が若い頃、心の病にかかったそうです。
その病を克服していく中で、色々な人からの温かい助力があり気付きました。
「知らず知らずのうちに自分を追い込んでいたのは、“寂しさ”や“孤独”だったのだ」
そう気づき、周囲を見渡したとき、自分のやるべきことがだんだんはっきりしてきて、
現在の活動に繋がっているそうです。

貧困のため、食べるものに困っている方々も多くいて、
そのお子さんたちは、ただお腹を空かせていることしか出来ないことがあります。
他方で、食べられるのに、曲がっている、大きさが規格外、箱が潰れているだけで中身に問題ない商品など、世の中には廃棄される食品もあります。
ライフアゲインは、その両者を繋げることによって、食品ロスと貧困の問題の同時解決にも取り組まれています。-
貧困が”連鎖”していくのは切実な現実です。

そうして世代をまたいで、格差が徐々に拡大していきます。
私も十数年前に英国赴任時、social mobility(社会的流動性)というテーマが英国で大きな政策課題になっているのも目の当たりにしました。
まさに、社会の空気がよどむことが、社会の危機につながるという危機感がテーマになっていました。
今の日本は、どこまで自覚的にこのテーマに向き合えているでしょうか。

個別の貧困問題は、行政にも地域にも見えにくいことがあります。
そんなときに、街全体が「少しだけお節介」になって気に掛け合い、
そして、制度だけではなく、「大きな家族」のように、手を差し出す関係性をどう創れるか、
そこがこれからの地域の“安らぎ”、“信頼感”の土台になっていくと考えます。

待っていても、行政や英雄が出てきて、この問題を解決してくれる訳ではありません。
そうしているうちに時間は過ぎていきます。
“自分ごと”に少しでもして、小さな想いを繋げ合う、手を差し出し合う、それが大事だと切に思います。
ライフアゲインの活動は、そのひとつの具象化された実践であると感じました。

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