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若松をコートダジュールに?―北九州未来会議プラス@若松

おはようございます。
RF1のサラダに感動しつつ、日本のサラダ文化の奥深さは意外と世界一ではないかと思っております武内和久です。

7月8日、趣深い旧古河鉱業若松ビルにて、「アグリゾート」の創設者であり、敬愛する小村泰秀さんと、「食と農」についての対談セッションを持たせていただきました。
農業が産み出す“つながり”が新しい地域の在り方をどう形づくるのか、北九州の豊かな自然と人間関係が新しい世界を拓くのか、面白い対談となりました。

小村さんは、著書『アグリゾート物語』の中でも、
「日本の農業を誰もが憧れる職業にしたい」
「田舎の良さを伝えたい、土にふれ、自然と共にある豊かさを伝えたい」
「田舎と都会を繋ぐ、新しい農業のモデルをつくりたい」と述べられています。
私も、農作業に関わる機会があるごとに、「農」は、貴重な静寂と手触りの空間と感じます。
農業から、日本人の特性である真面目さと技術と精神性の原点(災害、丁寧、こまめ)が来ていることも感じます。

他方で、日本の農業の課題として、季節に関係なく、安くて大量、手軽で便利という消費者ニーズに答えようとするゆえに、化学肥料、農薬の使用、形や大きさなどの規格選定と廃棄、人工的に改良された種、より強い農薬への依存などが進むことがあります。
そもそも、農家は何のために生産し、誰に届けたいのかを改めて意識し、原点に立ち返る必要がある、と小村さんは問題提起されています。
確かに、とても安価な野菜、整い揃った野菜は、手ごろであり、物流の上でも効率的です。
それでも、栄養価の低下など、本来の力が削がれることに危機感を覚えます。
最近では、青少年の体格の劣化が始まっているというデータもあります。
私は、英国時代に、”給食革命”をリアルタイムに見てきましたが、給食費のコストカットは、未来を左右する課題です。

「アグリゾート」さんが考える農業リゾートとは、リゾートの語源が”何度も通う場所”であることから、「清らかで美しい自然の中でリラックスできる場所」というイメージです。
「あなたがあなたのことを心から大切に出来る場所」というのが、アグリゾートの考える農業リゾートのあり方なのです。

同時に、コミュニティの軸となる可能性を「農」は持っています。
また、これから、教育において農業との関わりも深くなっていくでしょう。
今までの既成概念を手放し、時代の変化に適合させていくことであり、人間が生まれながらにして備えている「直感力」や「想像力」を養うような教育がこれから求められている教育をが大切になってくるとしたら、
農業の持っている「不調和が創る調和」ともいうべき繋がり合い、自然と伴走しながら、「想像力」を生み出す泉としての魅力も持っていると感じます。

最後に。
農業は「正解がない」というより「問題も予測できない」状態が常態のようです。
自然体で、「今ココ」を大事にしながら、淡々と課題解決することが必要でしょう。
仲間と動物と植物への気遣いとリスペクトも大切です。ひいては、それが、“持続可能”性に最も必要なことだと考えます。
若松の地から、「アグリゾート」さんのように、深い意味での私たちの繋がりや自然との関わり、人間の学びを変えて行くような起点が拡がっていくことを期待します。
それを行うに余りある豊かな緑、風、陽光が、この地にあり、そして、その背景には、土地の背負ってきた豊かな歴史があります。
土地の誇りを大切にしながら、閉鎖的ではなく、開放的に、新たなアイデアや感覚を採り入れる、その時代の足音が聴こえてくるような対談でした。


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