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医学部学士編入の記録(全国行脚編 II)

医学部学士編入で筑波大学を受験した際の行程の備忘録を記載しようと思います。

元々筑波大学は数学・英語が受験科目で課せられていたり、化学が高校範囲メインであったりと、私の併願校とは若干方向性が異なるところがあり、受験予定はありませんでした。ただ直前になり「少しでも合格する可能性があるなら出願した方が良いのでは」と考え直し、私が関東在住で受験に必要な諸々のコストが少ないこともあって出願することにしました。志望動機書の文字数が2000文字と香川・阪大とそれほど文字数が変わらなかったため、出願書類準備にはそれほど時間を要しなかったのが幸いでした。また研究内容を1000文字程度で記述することも求められ、私の場合は修士論文の要旨をやや噛み砕いた内容を記載しました。論文別ずりの添付はできるようだったため、筆頭著者論文がある方等はそれらを添付するのも良いと思います。

試験は7/13(土)-7/14(日)と2日にわたっての実施でした。前週の7/6(土)に阪大1次、7/7(日)に香川の2次があり、それまでは殆ど香川・阪大向けの勉強しか取り組んでいませんでした。英語は阪大の生命科学の大問1つで課されるので少しだけやっており、数学は阪大物理対策にマセマの微積・線型代数に取り組んでいました。ただ、無機以外の高校範囲の化学や数学(確率等)、統計は殆どやれておらず、本当に「なんとかなれーッ」状態で週末を迎えました。

前日は仕事を終えた後に電車で移動し、万博記念公園駅前のアパホテルに宿泊しました。アパホテルは以前から気になっており、安価だったため今回初めて利用しましたが、マットレスの相性が良いのか、これまで宿泊したホテルの中でも1番熟睡できました。筑波受験後にも数回アパホテルを利用しましたが、再現よく熟睡できるため、出先で眠りが浅い方はぜひ一度お試しください。また、アパホテルのアプリをインストール&会員登録すると、チェックアウト時間が1時間延長されるので、こちらも導入おすすめです。

当日朝はまず万博記念公園駅からつくばエクスプレスでつくば駅に移動しました。駅前には岡本太郎作のモニュメントがあり、奇しくも阪大近くの万博記念公園駅を想起しました。

未来を視る

つくば駅から試験会場までは徒歩で向かいました。バスもありますが、移動時間が徒歩とそれほど変わらない&本数がそれほど多くないので、晴れていれば歩きでも良いと思います。また、筑波大学の学士編入試験は医学類だけでなく、他の学群・学類の試験も同日に行われています。そのため、雰囲気で試験会場に向かうと実は違う学類向けの試験会場でした、なんてこともあるかもしれないです。医学類に限らず、筑波の学士編入試験を受ける方は自分の受験キャンパスがどこかは事前に確認することをお勧めします。

医学類の試験会場はつくば駅から徒歩で20分程度だったかと思います。入り口に電光掲示板があり、受験者を見るとなんと108人でした。当然ですが教室にも多くの受験者がおり、「この中で上位5人に入るのは厳しくないか」と思いつつ、やるしかないということで試験に臨みました(3回目)。

先進的

午前は英語・数学でした。数学は行列、統計、積分のラインナップで、大体5割ぐらいでした。物理の問題を解くにあたり必要な勉強しかほぼやっておらず、元々得点源とは期待していない&できたらラッキー程度に考えていました。そのため、ざっと解けそうな問題だけ手をつけて、残りの時間は英語に割り当てました。
英語は直前に医療系の論文や単語を詰め込んだ効果か、当社比でそこそこ手応えがありました(6-7割?)。普段論文を読まれている方やTOEFLで高得点を取られている方であれば、あまり対策はせずともなんとかなるかもしれません。一方外部試験スコア提出にあたりTOEICのみ取り組んでいた方は、900点以上あっても医療系論文・単語は少し触れておいた方が良いと思います。

お昼時間はせっかくの機会と言うことで筑波大学周辺を散歩しました。個人的には歩いて10分ほどの松見公園が日陰のベンチあり、近くにコンビニありでゆっくりできるのでお勧めです。

午後は生命科学・化学でした。生命科学はあまり難しいところがなく、ある程度勉強された方は総じて高得点が取れて差がつかないのではと感じました。強いて言うなら大問1の最後の記述で多少差がつくぐらいかと思います。一方化学は出題範囲がカンブリア爆発しており、大問1,2,3ともにがっつり大学範囲でした。香川・阪大向けに大学化学を学習していたためか7割程度?解けましたが、筑波志望で高校化学をメインにやってきた方には非常にハードな出題だったと思います。逆に例年通り高校範囲の出題であったら化学で差がつかず落ちていたと思うので、この変化はラッキーでした。果たして来年以降どうなるのでしょうか。

その後は適性検査なるものを受験しました。2024年度のテストの内容は事前知識等必要なものではなかったため、当日試験官の方の説明をしっかり聞いて取り組めば問題ないと思います。

初日の受験を終えた後はつくば駅に向かい、駅近くのバーガーキングで遅めの昼食をとりました。筑波というと田舎のイメージがある方もいるかもしれないですが、つくば駅近くにはショッピングモール、つくば駅隣の研究学園駅前には映画館があったりと、生活に必要な(娯楽)施設は整っているので、住むにあたり困ることは殆どないとおもいます。加えてつくばエクスプレスで秋葉原まで最短45分で出れるので、都内にも気軽に遊びに行けます。博物館や大きな公園もあり、家族連れで遊ばれている方も多くいらしたので、すでに家庭がある編入生にも非常に住み良いところだと思います。

2日目は自宅から会場に向かいました。その日は曇りで涼しく、夏用とはいえスーツを着る身には大変助かりました。面接の順番は受験番号順に午前・午後に分かれており、私は午前の部でした。午前の部の後ろだと待ち時間が恐ろしく長くなり、午後の部だとせっかくの休日を心穏やかに過ごせなくなってしまうので、受験される方は早めに願書を送付することをお勧めします。
前日と同じ会場に集合後、数十人単位で呼び出され面接控え室に集まり、そこから順番に呼ばれるという形でした。面接室は確か6部屋あり、100人捌くにはこれぐらいしないとなんだなぁと思いました。試験室前の椅子で座っていたところで前の受験者が退出してきたのですが、出てきた瞬間ため息をついており「厳しい部屋…ってコト!?」と身構えました。事前情報だと時間が短いこともあり、どちらかというとフランクな雰囲気と聞いていたのですが、部屋に入ると重苦しい雰囲気で少し面食らいました。私の言葉足らずで苦笑いされる場面もありましたが、全体としてはなんとか乗り切れたかなという手応えで面接を終えました。

以上が記録になります。試験の合格発表は7/25に行われ、無事正規合格をいただくことができました。

筑波大学受験のススメ
間違っていたらすみませんが、筑波大学は規定の年数大学に在学&規定の単位数取得していたら卒業せずとも編入できたはずです。受験科目的に化学系の学部3年生であれば、以下点から合格は目指しやすいと思います。

  • 教養時代の線形代数・微積の記憶がまだ新しい

  • 高校範囲の化学の記憶がまだ残っており、尚且つ大学範囲の化学についても油が乗ってきているから、どちらの出題にも耐えられる。

  • 生命科学と化学は親和性があり、化学を知っていれば生命科学の学習もスムーズに進められる

  • 春休みなどでがっつり学習時間を取れる

化学専攻だと有機化学で薬の作用機序を学んだりで、次第に医学に興味を持ち始めた方もいるかもしれません。もし少しでも早く医学を学びたいという思いが出た方は、スポンサーと交渉する等で金策を立てた上で、筑波大学の編入を検討されてはいかががでしょうか。
また当然ですが筑波大学は茨城県にあるため、関東圏に住みたい方もお勧めです。関東圏だと他に群馬大学と$${\textit{Science Tokyo}}$$がありますが、難易度や試験内容を考えると、理系の素養がある方が安定して合格しやすいのは筑波大学かと思います(筑波大学の編入試験の情報源としてはnoteの「医学部学士編入試験対策ブログ」さんの記事がおすすめです)。

PS
世田谷文学館で「漫画家・森薫と入江亜季 展」が始まりました。森薫先生の原画は以前京都国際マンガミュージアムの「大乙嫁語り展」で拝見したことがあるのですが、その緻密な作画や原画から溢れる中央アジアの文化・生活感には圧倒されました。森薫先生をご存知の方もそうでない方も、近くを訪れた際にはぜひ。
恥ずかしながら入江亜季先生はこの展覧会のホームページで初めて名前をお伺いしたのですが、「北北西に曇と往け」はビビッとくるものがあり購入しました。読了の上、展覧会に訪れようと思います。


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