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2020年のJKトレンドは「オタク」と「病み系」が牽引しそうな話。

「現役女子高生の2020年トレンド予測および2019年下半期トレンド」に関する調査を行いました。(こちらは「TT総研」としてリニューアル前に発表した調査です)

2019年下半期はラグビーW杯や開催が迫るオリンピックなど、スポーツを中心に明るい話題が多くありました。そんな日本全体のムードとは別に、通称「JK」と呼ばれる女子高校生の間では常に独特のトレンドが目まぐるしいスピードで生まれています。この度TT総研は、半期ごとに実施している東西別のJKトレンドに関する調査を行い、過去2回のJKトレンド調査※の結果と比較しその実態を探った上で、2020年のトレンド予測を行いました。

※2018年JKトレンド・東西ランキング…https://tt-soken.jp/article/778
※2019年上半期JKトレンド・東西ランキング…https://tt-soken.jp/article/789

調査概要
・調査対象:15歳~18歳 事前調査で高校生と回答した関東地方および近畿地方在住の女性278名(関東地方:179名、近畿地方:99名)
・調査期間:2019年12月17日(火)~ 12月18日(水) 
・調査方法:インターネット調査

2020年JKトレンドキーワードを予測&選出

2020年のJKトレンドとなるキーワードを予測するにあたり、女子高校生が予測する「2020年に流行しそうな人・アイテム」の中から特に注目すべきものをTT総研で選出しました。まず「人」部門では、今年1月にデビューしたジャニーズの「SixTONES」と「Snow Man」。この2グループの特徴は、ジャニーズJr.として数年前から長く活動しているためファンの熱量がすでに高いこと、YouTube・Instagram・WeiboといったSNSを活用していること、そして2グループを同時にデビューさせデビュー曲のタイトルも“SixTONES vs Snow Man”とすることでファン間の競争心を煽り、「参加型」の応援スタイルを確立していることです。また、今年春にデビューする「JO1」を生み出した、韓国から日本に上陸したオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」も、オーディション出場者のファンが自らSNS広告や交通広告に出稿して応援仲間を募るという、韓国流のファン参加型のスタイルが注目を集めました。

人気アイドルグループ「嵐」が年内で活動を休止する予定であることなど、男性アイドルグループの話題で持ちきりとなりそうな2020年。「参加型」の応援スタイルと、その熱狂によって「オタク化」したJKが一大トレンドを巻き起こしそうです

「アイテム」部門では、「チャイボーグ」と「ピープス」に注目です。「チャイボーグ」は中国の完璧な美人を指す言葉としてSNSから広まり、この下半期にはYouTubeに中国メイクのハウツー動画が急増するなど、以前にトレンドとなった韓国風メイク「オルチャン」ブームと同様の流れを見せています。

そしてもうひとつの注目トレンド「ピープス」とは、上半期から徐々に流行し始めた新しいストリートファッション(サブカルストリート、略してサブスト)で、この下半期にはInstagramに「#ピープス女子」投稿が急増、現在9万投稿を突破しています。このトレンドを生んでいるのが、病んだ印象を与えるメイク・ファッション・SNS投稿を好む「病み系」と称される女子高校生たちで、メイクは赤を基調としたリップやアイシャドウ、肌は白くトーンアップさせ、ファッションは黒を基調としたサブカルストリートというのが特徴です。

SNS投稿用の画像加工トレンドを指す「病み加工」も、この「病み系」の女子高校生の間で流行し始めています。2018年頃から、これまでの「インスタ映え」の定義である明るくて鮮やかな写真とは対極的な、画像をあえて暗めにする「#暗め加工」が流行し始めましたが、それがさらにエスカレートして暗闇で撮影したり、漫画の病んだセリフを貼り付けたりと、暗くて病んだような印象を与えるSNS投稿が2020年はトレンドとなりそうです。

最後に「タトゥーシール」はリアルな線画調のタトゥーをボディシールにしたもので、2019年夏から流行し始めている韓国トレンドです。女子高校生にとっては画像加工に似た感覚で肌加工が楽しめるようで、アパレル店舗での取り扱いも増えており、今年の夏には本格的に流行しそうです。
このように、有名人は「オタク」、アイテムは「病み系」がそれぞれJKトレンドを牽引する2020年になりそうです。

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2019年下半期JKトレンド東西ランキング
~アイテム編~

続いて、2019年の下半期トレンドを調査するとともに、過去の調査結果との比較分析を行いました。はじめに「2019年下半期に流行ったアイテム(フード、コスメ、エンタメなど)」については、東西ともにトップは「鬼滅の刃」、「あな番」、「天気の子」という結果になりました。1位の「鬼滅の刃」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載中の大人気漫画で、昨年の4月よりテレビアニメの放送が開始されました。「⽣殺与奪の権を他⼈に握らせるな」など、真似したくなる印象的な台詞がTikTokやプリ加工で「ミーム」(TikTokのダンスに代表されるような、オリジナルにアレンジを加えながら真似て投稿されることで広がっていくコンテンツ)として広がり、新規ファンが急増する下半期となりました。「週刊少年ジャンプ」の発売日である毎週月曜日には、「#鬼滅本誌」(感想をツイートする際に付けられるハッシュタグ)が日本のTwitterトレンドに入るほどの盛り上がりを見せています。コンビニやカフェとのコラボも展開され、さらに劇場版の公開が決定しており、2020年も引き続き大注目のトレンドです。

2位の「あな番」は日本テレビ系日曜ドラマ「あなたの番です-反撃編-」の略称で、考察したくなるストーリー展開や、キャラを真似たくなるような個性的な登場人物たちがSNSで話題となりました。映画「天気の子」もまた、劇中に登場する実在のスポットや広告・商品が、女子高校生たちにとってはSNS投稿で真似したくなる要素となり、トレンドにランクインしました

また、「ヒプノシスマイク」は男性声優キャラによるラッププロジェクトです。2017年始動直後から声優陣の豪華さに注目が集まり、TT総研が発表した「2019年トレンドキーワード予測」にもランクインしていました。2019年の下半期は、関西を舞台にした派生グループが新たに誕生したことでさらに話題となりました。

過去のランキングと比較すると、2019年下半期の特徴はトップ5すべてがエンタメコンテンツであるということ。コンテンツの内容やキャストの魅力だけでなく、SNS投稿で「真似したくなる」キャッチーな要素と「真似できる」リアリティがあることが共通するトレンド要因となっています。

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2019年下半期JKトレンド東西ランキング
~スポット編~

次に、「2019年下半期に流行ったスポット」については、前回の調査でも東西ともに1位となった「タピオカ屋」が、引き続き1位となりました。下半期のタピオカ市場は、芸能人やインフルエンサーがプロデュースする店舗が続々登場し、スシローやドトールといった大手外食チェーンがメニュー化。また、グミやチョコレートといったドリンク以外の商品が誕生するなど、新しい動きが多く見られました。

東の2位・3位、西の3位・4位・5位にランクインした各テーマパークは、前回・前々回の調査でも安定して票を集めていますが、2019年の下半期は女子高校生たちの楽しみ方に大きな変化がありました。これまでは写真映えする「フォトジェニック」なフォトスポットで静止画を撮影し、それをSNSに投稿するのが定番の行動パターンでしたが、アトラクションの待ち時間や移動時間、買い物中や食事中といった「ムービージェニック」な動画投稿をするJKが増加しています。

西の2位、東の4位となった「インスタ映えカフェ」は前回や前々回もランクインしましたが、これまでのカラフルで可愛らしいトーンからベージュ系でお洒落なトーンへと、「インスタ映え」の定義が変化しました。一方で「インスタ映えカフェ」と同様に連続上位をキープしていた「スターバックス」がランク外という結果となり、女子高校生たちの放課後の定番スポットが「スタバ」から「タピオカ屋」にシフトしたことがうかがえる結果となりました。

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2019年下半期JKトレンド東西ランキング
~流行語編~

続いて、「2019年下半期に流行った言葉」については、「それなー」が東西ともに1位に。これは、下半期からTikTokとTwitterに「オタクあるある動画」を継続投稿して一躍有名となった男性アイドル、末吉9太郎が動画内で頻繁に用いる言葉です。2018年、東の1位・西の2位にランクインした「それな」とは異なり、「それなー」という独特のイントネーションをJKたちが真似するようになりました。

2位の「ぴえん」は上半期から徐々に流行し、下半期終盤に急激にトレンド化した言葉です。日常のネガティブな出来事をポジティブに転換する言葉として、語感のかわいさ、“あざとさ”が女子高校生たちにうけ、InstagramのストーリーズやLINEなどのSNSで多用されました。これにはフリーアナウンサーの田中みな実さんやテレビ朝日アナウンサーの弘中綾香さんの人気に象徴されるような、戦略的な“あざとさ”が肯定される社会風潮も影響していると考えられます。

東の3位・西の4位となった「○○み」をのぞくと、全ての言葉が初めてランクインしており、流行語トレンドの移り変わりの早さが顕著に表れる結果となりました。

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2019年下半期JKトレンド東西ランキング
~有名人編~

「2019年下半期に流行した人」については、「Official髭男dism」が東西ともに圧倒的な回答率で1位となりました。SNS投稿のような日常的でリアルな歌詞が女子高校生たちの共感を得ると同時に、代表曲のひとつである「Pretender」の歌詞が、結ばれない恋を描いていることから、アイドル「オタク」の女子高校生たちが推し(好きなアイドル)の素材で作成して投稿するSNS動画に多数使用され、髭男ファン以外のオタクJKにも広く支持されました。

俳優で唯一ランクインした「横浜流星」は前回東の7位・西の9位で、今回は「あな番」効果もあり東の4位・西の5位にランクアップしました。国内のInstagramフォロワー数急上昇ランキングでも上位を常にキープしており、SNSでの活動が女子高校生からの根強い人気につながっているといえそうです。

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2019年下半期JKトレンド東西ランキング
~アプリ編~

最後に「2019年下半期に流行したアプリ」については、東では「Instagram」、西では「TikTok」が1位となり、2018年と同じ結果になりました。東の2位、西ではTikTokと同率1位となった「SNOWそっくり診断」はAIが似ている有名人を診断するアプリです。アップロード画像から診断できること、アウトプットは比較画像であることが従来の診断系アプリと大きく異なります。これによって“あざとい”写真を投稿しやすくなるという、TikTokと同様の理由で流行しました。

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memedaysとは
SNSトレンドとZ世代インサイトの研究機関。InstagramやTikTokなどで広がる投稿アイデア=「SNSミーム」のトレンドを、生活者およびメディアや企業へ提供しています。Z世代の消費動向に影響を及ぼす「SNSミーム」は非言語で伝わるため、国境を越えて世界中で流行しています。今後は、さらに世代を越えて影響を及ぼす可能性を秘めています。このトレンドをいち早くキャッチすることで、好感と購買へ繋がる新しいマーケティング戦略を提案いたします。同時に、SNSのポジティブな楽しみ方を広めることで、若年層のメンタルヘルス問題にも取り組んでまいります。
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