【コロナの向こう側へ】農×教育 今こそ輝く「いなか」での学び〜後編〜
今回取材するのは、高校生向けの農村体験プログラム「いなか塾」を営む奥出順一さん。
いなか塾とは奥出さんが通信制高校と提携して行う農村体験教育プログラム。生徒たちは4泊5日を京都や岡山の小さな集落で過ごします。
前編では、奥出さんの生徒たちへの想いについてお聞きしました。後編では、豊かな自然環境の中で生活する奥出さんの食事に対する向き合い方、そして人生の目標についてお聞きします。
奥出さん:「衣食住の中で一番大切なことです。はるか昔、人間が狩猟採集民だった頃は猿やゴリラと同じ様に一日中食料を探し回っていました。『食べることは、すなわち生きること』でした。そしてまた、食べたもので自分たちの体ができています。食事とは、それほど大事なことなのに都会の暮らしでは疎かにされがちですよね」
奥出さん:「岩崎さんが小さい頃、お母さんが健康を考えてご飯作ってくれたでしょう?その蓄えは25才でなくなってしまいます。カップ麺は手軽だけれど、人間は食べた物でできているからカップ麺が3分でできるように、思考回路まで短絡的になってしまうと思います」
奥出さん:「食事の下ごしらえに始まり、調理、食事、後片付けに至る間に食材の旬や祭事、作物を育ててくれる人たちへの感謝、食材の良し悪しや保存方法など様々な情報を得ることができます。それがやがて社会に出た時に役立つ自分なりの”判断基準”になるわけです」
奥出さん:「はい、自分の分身を増やすことです。健全な思考能力と、どんな時代になろうとも『自分の暮らしを自分で築ける』スキルを持った人を増やしたいと思っています。
例えば、主食であるお米や野菜の育て方、お味噌や梅干しなどの発酵食品の仕込み方、罠を仕掛け獣の肉をいただく、簡単な大工仕事もこなせる、生きることに直結した知識や知恵を伝えたいんです。
そんな暮らしができれば、世の中の流行や人の目を気にすることなく、自分らしく堂々と生きて行けると思うんです」
この取材から奥出さんの食事への向き合い方、人生の目標から “生きる”ことに誠実な姿が伺えましたね。
私は今回のステイホーム生活の中で、健康への意識が高まりました。そのような方も多いのではないでしょうか。
この機会に“生きる”とは何か見つめ直してみませんか?
「いなか塾」のホームページはこちら
※この記事はコロナ禍の最中に作成されたものです。
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