夕暮れと思い出と。
こんにちは。ザッキーです。
今日は私の何気ない気持ちのお話をしようと思います。
夏の夕暮れ―。
最近、夕方にチャリンコでぶらり買い出しにいくと
太陽が雲にかかり、夕暮れ時のピンク色の空をよく目にします。
ピンク色の空になることを「レイリー散乱」といいます。
太陽の光っはいろんな色の光が混ざってできていて、それぞれ空気の中にある小さな「つぶ」にあたって飛び散ることでピンク色の空になるらしいです。
■都会と田舎の違い
私の実家は東京ですが、山々が広がる田舎です。
視界に広がる空は、田舎ならではの美しさを感じられました。
ピンク色の空を見た時に、地元を思い出し
空が一面に広がる姿が見たいなと思い
自転車を走らせて、広大に見える場所を探しました。
しかし、15分くらい場所を移動しながら探しても
家やビルが視界に入ってきて、空だけが見える場所はありませんでした。
普通に考えれば、空一面に見える場所なんてないことが
分かるのに、気持ちが馳せて追いかけてしまいました。
今は、都内に移り住み、周りはビルばっかりです。
私の日常生活から車が消えて、代わりに電車を使うようになり
普段食べていた食料品は少しだけ値上げした感じがします。
昔は暇なときに、自転車で出かけて家の近くの野原に寝転がったり
屋上のある家に住んでいたころは
自分でテントを組み立てて、バーナーでココアを作り
寝袋に入りながら、微かに見える星の観察をよくしていました。
都内では、もう公園すら少なく
公園で寝ていたら、ホームレスにでも間違えられるか、酔っ払いに見えるかのどっちかで、自由に寝転がって空を見上げることは無くなりました。
■景色や場所は違えど、感じる気持ちは一緒。
空を追いかけても、視界いっぱいに見える場所はなく
色々と変わってしまったと、どこか寂しさを感じてビルの間から見えるピンク色の空を眺めていた時に“夏のにおい”が私に入ってきました。
湿気と風と生暖かい、そんな風にのってきたにおいでした。
その匂いは、
少年野球が終わってみんなで帰ったときのこと。
人の家のザクロを取ってみんなで食べたこと。
線香を持って家族みんなでお墓まで歩いたこと。
昔はこの匂いに何も感じたことがなかったのに
何もない、ふとした時に忘れていた思い出が蘇ってきました。
その時、
(ああ。どんなに住んでいる場所や景色が変わっても、昔から知っているその匂いだけは変わらないのだな)
と思いました。
色んな景色や日常がどんなに変わってしまっても
地元の思い出は、
なに一つ変わることなく、今の私を支えてくれているのだと思い
また、急に家族が恋しくなりました。
帰れる場所がある有難さ。
故郷がある有難さ。
好きな大切な人たちが生きていてくれている有難さ。
思い出は、楽しかったことや辛かったことも
沢山ありますが、それでもすべて恋しく思えました。
たった一つの夏のにおいに、色んな感情が引っ張り出され
最後には、少しほっこりした気持ちで帰宅しました。
■どんな気持でも
何気ない日常でも
大切なことを思い出した時間になった気がします。
光が散乱が希望に表すなら
それを覆う薄く広がった雲は、悩みだったりモヤモヤしてると表しましょう。
それでも他の人から見れば、その空はとても美しく見えているものだと思いませんか?
悩みがあっても、それが悪いことではありませんよね。
前に進んでいる人のように見えて、その悩みを抱えている姿がカッコよく見える時もあります。
自分が少し、ポジティブになる考えを帰り道の空に与えられたのだと思いました。
歩いてスマホを見ながら、音楽を聞いて帰ることが多い人は
一度空を見上げながらぼーっと帰ってみると、なにか良いことがみつかるかもしれませんね。