21歳の夏、セブンティーンという歌を書いた。
昨今とにかくバンド事情が取り沙汰されている。
そんな中僕はいつも流行りにすら乗れない。
先月ごろ、打ち上げ騒動の時は同じタイミングでTikTokの動画の音源を間違えてしまい、変なバズり方をした。
そして今回はこの状況(DJまる最低だな)の中、
セブンティーン
君とさよなら
タバコに火をつけた
という、普通に読んだら一発アウトの曲をリリースするんだから、俺は相変わらず最低である。
てか普通にここだけ歌詞を朗読したら、単なる最低な男の話になる。なんで今なんだよ。
これだから田中優斗なんか信じてはいけない。自分でも信じられないほどの運の持ち主である。
僕は本来、どうしようもない人間だ。
けどセブンティーンはそんなありふれた、単純で明確なストーリーではない。
ここにはそれだけ記しておきたいと思う。
今回、こんなに気合を入れて告知しているのは、この曲は僕達のバンドの勝負曲であるからだ。
毎回勝負曲を作っているが、今回は一年も掛けて歌詞を書いて、編曲を考えた。そもそも今年の1月にリリースしたミニアルバム「大都会に告ぐ」に収録する予定で作っていたが、全く上手くいかず、先延ばしになった。
何度も何度も練り直して考えて、パソコンに突っ伏したまま寝てしまい、朝起きるとキーボードの型が顔についてしまうところから1日が始まる生活を続けて完成した。でもそれを経て間違いなく名曲に仕上がったと思うし、キーボードも喜んでいると思う。
昨夜、配信リリースされるギリギリまで作業に追われていたので、リリースされて音源を聴いたあと、今日は贅沢して寿司でも食うか!と思った。
1000円札を握りしめて、ジャージにバンTでスーパーへ向かうと、割引になっている安い「しまあじ4貫」しかなかった。普通に「10貫よりどりセット」とかを想像していた。しまあじが4貫。
果たして誰に需要があるのか。
「お前はまだまだだ。」と神様に言われているような気がして、仕方なく ”しまあじ4貫” と申し訳程度の冷凍餃子を買った。餃子を作っていたら、めちゃくちゃ焦げた。冷凍が焦げるな。
あまりにも情けない。
早くこの生活から抜け出したい
まだまだやらなくちゃいけない
発泡酒を飲みながら色々と考え事をしていると、そういえばあの日も寿司を食べに行った事を思い出した。
僕はもうセブンティーンではない。
20代は肌寒くて、結局ハッピーエンドの
B級映画みたいだと思った。
10代の時、何度も踏切へ向かおうとした俺を止めてくれた君でさえも傷つけて
2番線に飛び込もうと思って、でも出来なくて。
そんな最低な僕でも誰かに見つけて欲しかった。
そこから必死にもがいて、歌って、20歳にしてようやく掴み取った少しの閃光は、僕を照らさなかった。思っていた未来とは違った。閃光が照らしたのは僕ではなくて、僕の涙だった。
メンバーが先に降りて、一人になったステップワゴンの運転席、勝てなくてごめんなさいってツイートをした。申し訳なくて、悔しくてたまらなかった。
でも思い出した。
君がこの街を出ていく朝
歌う事を選んだこと
2023年の夏 某日
この曲の歌詞が書けた。
閃光はもういらないんだ
是非聴いてほしいです。
追伸
Spotifyの「青春と一瞬」
というプレイリストのカバーアートに選出された
どうやらこれはそこそこ凄い事らしい。
本当にありがとうございます。
この曲がいつか
SCHOOL OF LOCKで流れますように
(願)