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2025.2.18 秘密を忘れない
ペンを握るほどの気力は残っていなかったので、きょうはここに書こうと思います。まだ全く起き上がる気は無いけれど、このベッドは懐かしい匂いがして、まだ温かいような気がしてちょっと嫌な気持ちになります。半分だけ開けたカーテンのそとが、明るすぎてまた少しだけ嫌になる、でもきっと曇っていたら今のわたしは泣くのを我慢できていなかっただろうから、丁度良かったのかもしれません。秘密とは多い方が優しい人間なのでしょうか?知らない方がいいこと、知るべきだったこと、色々あるけれど、知るべきだったということも知らなければ、幸せな儘でしょうか?もっとも、人は約束された不幸に自ら浸りにゆくような節があるから、そんなことはただの物語に終わるのでしょう。昨今の世界は、ひとに言えないことが何かと多くなってゆく日々ですが、言いたかったであろう気持ちも忘れていって、自分でさえも忘れてしまったら、ほんとうに報われないなとすこし悲しく思いました。忘れたいと願う夜もあるのに矛盾だらけで、そうやって、誰も知らない 自分でさえ知らなくなる秘密が今日も旅するのです。帰り路で泣いたところで、意外と誰も知らないし、大人になったということなのか、子供なままなのか、聞く術もありませんね。私の気持ちなんてきっとあの人はわかっているのでしょう。前は何を考えてるのか手に取るようにわかったはずなのに、その事実にまたすこし苦しくなりました。息の仕方も視線の位置も分からなくなって考える余裕もなくなって時が止まったようなあのときが、きっとわたしの走馬灯となるのだと思います。きっと私もあなたも、もう会えないとしてもいつか違うひととも幸せになれるし、このまま会い続けても互いを受け入れて、夜は越えてゆけるけれど、ずっとあの景色が瞼の裏にいて、ずっと忘れられないのです。でもやっぱりこの匂いは好きじゃなくなったよ
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