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何か力(りょく) /20240112

わかりきったことではあるのだけれど、寝巻きを着て寝るとあたたかい。火曜日にユニクロで値段が下がりきっていた部屋着を買った。少し安くなったら買おうかなと思っているうちにオンラインから在庫が消えてしまい、たまたま整骨院のそばのお店のワゴンに積み上げられているうちからきれいなのを引っ張り出して買ってきた。

裸で寝ていたんですよ。怖いですか、わたしが。

お布団かけていれば寒くないと思って、毛布に直接くるまると気持ちいいしとか言って裸で寝てた。もう1月なのに。
肩と足先が冷えていた気がする。いまも爪先は少し冷たいけれど、洋服ってすごいですよ、あったかい。心なしかよく眠れるような気がする。
心なしかじゃない。絶対よく眠れてる。

今週は4日のうち2.5日を在宅勤務、1日だけ出社した。最後の0.5は今日、午後半休でがん検診。
余裕を持って14時の予約にし、13時前まで仕事をして家を出る。暖かい。
スロースタートでいいんだと言い聞かせる。1月はゆっくりペースを作っていけばいい。

ぴったり1時間で終わる。

知らないビルの休憩スペースで西陽の当たる街を眺める。何もやりたいことがない。せっかく午後半休をとって15時にそれなりに大きな都市で自由の身になったというのに何もしたいことがない。つまらない人間だな。

少しだけ散歩する。急に見慣れた風景の場所に出て何かが記憶から甦り、ポスターを見る。知り合いがお芝居の公演をしている。今日の開演は19時。19時かあ、まだ3時間半もある。

地下鉄に乗って引き返す。まあいいや、帰ろう。まだコーヒーや紅茶も飲めないし、食べられるものもない。ただ歩き回るしかできず時間を潰す方法もない。つまらないのも当然かもね。そしていまたぶんわたしは舞台を求めていない。

なんとなく桜のことを思う。今年はきっといろんなところに桜を見に行こうと思う。何かを何かする力のことを何か力(りょく)と言うとして、わたしの何かをする力はいまほんの少し、ほんの少しずつ回復しているところ。どこからかと言うとこの何年かから、あるいは10年くらいから、四半世紀くらいから。ただ起きて、顔を洗って服を着て髪やら何やらをして出かけるみたいなそういう力がわたしにはずっと無かった。
約束してそれを破らないために泣きながらする何かしか無かった。
ようこそわたしの内なる何か力。春になったら花を見に行こうね。

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