初めての連載作品完結から10年経って思った事【きまま日記37】
こんにちは、にしうらです。
9月に入って少し涼しくなったと思いきや、今日はまた夏のような暑さに戻ってびっくりです。早く外を散歩するのにちょうどいい気温になってほしい…。
前回の月報でちらっと書いたカラーらくがきを昨夜Xにアップしました。
自分の初連載&単行本化作品『踊る!アントワネットさま』の完結巻・2巻発売から10年ということで描いた主人公のマリーです。
じゅ…10年…?本当に…?
時の流れの早さにただただ驚くばかりですが、せっかくなので少し思い出話でも。
ここ数年描いているのは『フランスふらふら一人旅』のような旅行記漫画が中心なので、ご存知ない方もいらっしゃる(もしかしたらそっちの方が大半かもしれません)と思いますが、自分の漫画家デビューは「まんがタイムスペシャル」という芳文社さんから発売されていた4コマ雑誌でした。(ちなみに雑誌は2019年10月で休刊してます…😭)
このまんがタイムスペシャルで2011年に『踊る!アントワネットさま』の連載が始まりました。
その前にも同じ雑誌に数回漫画を載せていただきましたが、こちらは連載ではなく「ゲスト掲載」というお試しで何話か描かせていただくような枠だったので、『踊る!アントワネットさま』が自分にとって初めての連載作品になります。(確か1、2話がゲスト掲載、3話から連載スタートという形だったと思います)
当時はゲーム会社に勤めつつ土日で描いていたのと、そもそも読者の方に向けて漫画を描くということに慣れていなかったので、月6〜8Pの短い分量の連載でも毎月頭を抱えながら、時にはギリギリになって泣きながら描いていた記憶があります。
初期の頃はネームが全没になる事もかなりありました。
掃除した時に出てきた当時のネームを見たら本当にまとまっていなかったので、単に自分の技術が連載するのに足りなかっただけなんですが…😇
その節は担当さんに本当にお手数をおかけしました…ネームや絵に無茶苦茶ダメ出しもらったの、当時はしんどかったけど振り返るとすごいありがたかったな〜と感じています。(←これは担当さんがしてくれた指摘がちゃんと「作品を面白くするためのもの」だったからです。同業の方の話を聞いていると、中には理不尽だったり見当違いなダメ出しをひたすらする編集者もいるみたいなので…それはありがたくもなんともない。というかパワハラ)
そんな手探りの作品でも、毎月なんとか担当さんのOKをもらい、原稿を納品して雑誌に載せてもらえて、アンケート送って応援してくれる方がいて、単行本の一巻が発売されました。その後、一巻の売り上げがあまり出なくて、連載は想定より早めに終わってしまったものの、二巻は無事出してもらえることになり…3年近くの連載が終わる頃にはネームの没や直しも、初期の頃よりかなり少なくなっていました。
自分は『踊る!アントワネットさま』の連載を終えて、ようやく漫画家見習いから漫画家(一応)になれたんじゃないかな…と思います。
『踊る!アントワネットさま』は、いま読み返すと絵も話も未熟な所が多々目につきますが、それでも自分が描いたキャラクターは全員愛おしいですし、「今ならこう描くなあ」と思う部分はあれど、当時の自分が精一杯作った話は今読み返しても「結構いいじゃん」と思えます。
そして昔の自分が作った作品を、連載当時も、そこから10年経ったいまでも「あの作品、好きです」と言ってくださる方がいる。作品自体も、読者の方の思いや言葉も、全てかけがえのない宝物です。
そしてそれは、アントワネットさま以外の作品に関しても同様です。
自分にとって漫画を描き続けていくということは、自分の人生の宝物を増やしていくことだな…と振り返ってみて感じました。
願わくば、10年先も20年先も描き続けて宝物を増やしていけますように。
それでは、また次の更新で。
2024.09.06
スキやフォローなどのリアクション、更新の励みになってます。いつもありがとうございます。
おまけ
にしうら染の単行本作品リスト
4コマ漫画(2010〜2016年)
『踊る!アントワネットさま』(芳文社)全2巻
『シネマに恋して』(竹書房)全1巻
『前略、パリは甘くて苦いです』(芳文社)全2巻
ストーリー漫画(2017年〜)
『モネのキッチン 印象派のレシピ』(秋田書店)全2巻
『彼女と私の異国ごはん』(秋田書店)全2巻
旅行記漫画(2019年〜)
『フランスふらふら一人旅』(大和書房)
『フランスふらふら一人旅 モネの足跡をたどる旅』(大和書房)
※記事中の書籍のAmazonへのリンクはアフィリエイトリンクです。Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。