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#留学304日目 10ヶ月のインターンおしまい


気がついたら留学開始からいつのまにか300日を超えた。ほんとにあっという間だった。

そして先週はラボでのインターンの最終週。
10ヶ月間の長期インターンついにおしまい。
まあプレゼンテーションしないとだからまだラボには行くんだけど。

嬉しいようでちょっと悲しいようで寂しいようでよくわからない気持ち。正直実感が湧かない。

この10ヶ月間自分でいうのもあれだけど、ほんとうにがんばった。

ラボで働くのは割と小さい頃からの夢。
高校の時までは薬剤師になりたいって思ってたし。
初めてのラボでの実験がずっと憧れていた留学先のドイツという国でできたことは本当に奇跡だし貴重な経験すぎた。


でも想像以上に大変だった。

最初所属した時は化学英語について全く知らなくて、状況すらまともに報告できなかった。そして化学実験についても全然経験がないもんだから、慣れるまで本当に辛かった。そんでもって慣れてきたと思いきやその次は人間関係で困った。これが前期3ヶ月。正直本当に辛くて孤独でインターン先を変えようと他の企業に応募したりした。全部ダメだったけれど、そのくらい逃げ出したかった。地獄だった。

そして夏休み期間。旅行の予定がない日以外は実験をさせてもらった。この頃にスーパーバイザーが変わった。大げさだけど世界が変わった。自分1人でできることがたくさん増えた。そして今では一番の友達に出会えた。この頃から研究室での生活がどんどん楽しくなった。

冬学期からはフルタイムに切り替えて、毎日9時から6時まで頑張った。
冬学期は3人のスーパーバイザーにお世話になった。光触媒の実験が綺麗で楽しくて、どんどん実験も人の手を借りずにスムーズにできるようになって、収率もアップして本当に楽しかった。

でも最後の2人のスーパーバイザーのくれた実験は今までやっていたことと全く新しい分野で、
また人の手を借りなきゃいけない生活が再開して病んだ。
何度反応機構を説明されてもさっぱり意味がわからないし、負のループが起きた。

何をやってもうまく行かない日ばっかりで、
いつまで経ってもスーパーバイザーに助けてもらわなきゃできなくて、
必要とされてないとか考えちゃったり、わたしがいないほうがいいよなとか考えちゃったり、結局全然化学のこと理解できてないし、何してんやろとか思ったりした。日本で私の大学の研究室で研究している友達と自分を勝手に比べて病んだ。

何にもうまくいかなくて泣きながら帰ったり、
家に帰っても疲れて料理すらできなくてすぐ寝ちゃって、今度は何もしてない自分が嫌になってまた泣いて、ドイツ語の勉強もおろそかでそれもまた嫌で、
留学に来て多分1000回くらい人生が嫌になった。笑えるくらい。世の中の働いている大人はどのようにして働くモチベーションを保てているのか本当に疑問です。



留学って行く前は、現地の友達と遊んで、言語も習得してペラペラになって、たくさん旅行して、キラキラおしゃれな生活みたいなのを想像してた。日本で生活するよりも「楽」できるんじゃないかとかさえ思ってた。
海外出張とか、海外で働くのがなんとなくの目標で、ヨーロッパの方が日本よりも堅苦しいルールとか人の目を気にするとかそういうのがなくて、もっと生きやすい場所なんじゃないかなって期待してた。


でも実際は何度も頻繁に会えるような友達を作るのはほんとに大変だし、言語は難しいし、勉強はしないといけないし、全然キラキラしたおしゃれ生活じゃなかった。ラボに所属するってことを決めたのは自分だし、それが大変であることはわかっていたけれど、それでも「楽」できる場所なんかどこにもないんだとわかった。

なんだろう。日本で研究室に所属していたことがあるとか、長期インターンをしたことがあるとかだったらまた見え方が違ったのかもしれない。帰国して、実はここで辛いと思っていた経験は全然楽な方で、実は日本ではもっと辛いことが待っているとかなのかな。そうなったらドイツに移住しよっと。


インターンに応募したこと、10ヶ月間最後までやり切ったことに後悔はない。どんな内容であっても「10ヶ月間ドイツの研究室でインターンを最後までやりきった」っていう事実は、今後どんなことに挑戦する時も自信に繋がるし、留学で一番頑張ったことだと言い切れる。ボロボロになったけれど、大袈裟だけれど、日本以外の社会の中でも生きていける場所を見つけられたような、そんな希望にもなった気がする。

素敵な人にもたくさん出会えた。本当に充実した。留学先で現地の人の何かに所属するって、簡単そうで一番難しいこと。そんな環境で、バチェラーとしてラボに所属することは誰もが経験できることではないし、こんなにかっこいいPhDの方に、強くて賢い女性たちに囲まれる機会はもう2度とないかもしれない。本当に本当にたくさん学んだ。教授とスーパーバイザーの方々には感謝しかない。将来もう一度戻ってきて、こんなに成長したよって、また絶対に会いにきたい。国際会議とかで会ってびっくりさせたい。化学での再会でなくても、絶対にもう一度会いたい人たち。

そして、留学に来なかったら、ラボに所属しなかったら、こんなに自分の人生を見つめ直す機会はなかった。自分の悪いところもだけれど、いいところがたくさん見つかった。こんな私だけど日本にいた時よりも格段に自分のことが好きになった。

とりあえず10ヶ月間おつかれさまわたし。

せっかく朝早くに起きて研究室に行かなくていいし、休みたいところだけれど、
ドイツ語のテストはあるし、日本の研究室の先生からは卒論発表のスライドを出せと言われるわ休む暇がない。このまま帰国までノンストップだ。

れっつごー

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