アオリ練習帳 前編
イラストを描いておられるハロさんの記事で、以前僕が書いた記事をご紹介いただきました。ハロさん、ありがとうございます。
さて、こちらの記事ではアオリの構図に苦慮しておられるのですが、ハイ、僕ももれなくアオリ苦手です。特に人間の顎をアオった形を正しく描けなくて、なかなか苦しんでおります。
ということで、実践あるのみ。描いてみることにします。描きながら考えたこと、普段気を付けて描いていることなどをまとめてみました。考えはあくまでも僕個人のものですので、必ずしも正しいわけではありませんのでご了承ください。
また、描くにあたって、ハロさんの描かれた絵をモデルにさせていただきました。ただし、あくまでもモデルです。好みで変えた箇所もありますし、比較していただくためのものではありません。
今日は前編。主線の整理までをやります。
アオリの絵を描く
地面を描く
まずは地面を描きます。アオる角度が目的なので、地面がなければ話になりません。例によって、iPadのAdobe Photoshopには直線ツールがないので、フリーハンドです。Adobeさん、実装、お願いします……。
骨組みを描く
いきなりキャラクターを描くとつじつまが合わなくなるのは明白なので、地面のパースを意識しながら骨組みを描きます。ハロさんの描かれた絵では、キャラクターが右手に何か(スマホ?)を持っていたので、それを見ている前提で描いてみました。
体型を描く
骨組みを基にいきなり服を描いてもいいのですが、大概失敗するので、まず体型を描いていきます。裸の女性を想定して描いていきます。別にHな気持ちで描いているわけではありません。体型を描いた上から服を描いた方が、服のサイズやシルエット、しわなどが描きやすくなります。
と、ここで問題発生。大事な顔の表情が、右手に持ったスマホで隠れてしまいそうです。いや、こういうことは骨組みを描いてる時点で気付くべき。
慌てず騒がず、右手の位置をズラして対処します。
髪型ですが、大きなリボンを付けていたので、なんとなく長髪を束ねていることにしたくなりました。長髪が嫌いな男子なんかいません(偏見)。
衣装も、妖精を意識された服を描いておられましたが、パレオを描いてみたくなったので、水着を描いた上からパレオを重ねてみました。違います、Hな気持ちで描いているわけではありません。太股と太股の間、パレオの裾の間に水着が見えたらちょっとHっぽくなるんじゃないか、だなんて微塵も考えていません。
しかし、なーんか、かわいくない。ポーズそのものが女性らしくない。そりゃ女性に性的な興味を持たない僕が、無理矢理に水着姿の女性を描いてるんだから、仕方ありません。
……って、諦めてどうする。
ここまで描いたのですから、あがけるだけあがいてみましょう。色々と外科手術を施しながら、少しでも女性らしくしてみます。
もう無理。僕には女体の神秘が分からないよ……と言いたくなるのをこらえて、直せるだけ直しました。もはや脳内は絵を描くことではなく、絵を終わらせることを目標にしています。危険な兆候です。こういう時は適度に妥協することも必要になるでしょう。
では、このラフの黒を他の色に変えて、主線を引いていきます。
主線を引く
僕は、主線をAdobe Photoshopで引く際、画像サイズがA4・300dpiの場合は、ブラシ「アニメーターペンシル」太さ3で描いています。
塗りは「ハード円ブラシ」をメインに、「ソフト円ブラシ」「ハード円ブラシ 筆圧不透明度/流量」しか使わないので、それ以外のブラシは非表示にしています。色んなブラシをインストールしていますが、いつ使えばいいのか分かりません。いずれ、色々試してみようと考えてはいるのですが(この「いずれ」は永久に来ないヤツ)。
主線入れが終わりました。途中でラフには描かなかった線や表現、アクセサリーの追加なんかもしていきます。僕は、主線を引く作業が一番楽しいです。ま、つまりこれから始まる塗りは地獄でしかない、ってことなんですが。どういう風に塗るか、またゆっくり考えて塗りたいと思います。
一応、主線のみの状態です。
アオリで気を付けていること
さて、ここからは番外編。僕がアオリを描くときに気を付けていることを、少しお話します。
顔のパーツのパース
身体の骨組みは最初にパースを付けて描いているので問題が起きにくいのですが、箱の骨組みに顔を描き始めるとパースを無視しがちです。
眉・眼球の傾きや口角の高さ、顔のパーツ全てに正しくパースをかけるように意識して描いています。角度的にはもっと強くパースがかかってないとおかしいんですが、そこはお察しで……。
髪全体のふくらみ方(特に頭頂部の高さ)
これは文章で説明するより上の図で見ていただく方が早いのですが、顔はアオっているのに髪型がアオリになっていない絵を多く見かけます。他の部分を丁寧に描いておられるのに、もったいないな、と感じてしまいます。
上図のようなアングルの場合、顔の左下からカメラでアオっているので、必然的に髪の右半分は下がるくらいの角度が付きます。アオる角度で自撮りするのは難しいので、自分の頭を右に傾けて左下から自撮りすると、これに近い角度の頭画像になります。
自撮りするのは難しいことではないですし、何枚でも撮れるので、少しずつ頭の角度を変えながら撮りまくって、描きたい角度に近い画像を参考にするのも勉強になると思います。
これをやると、素晴らしい利点があります。自撮りが上手くなり、自分の顔が良く見えるアングルが分かり、SNSの画像のクオリティが上がりモテモテに、現実で人に会うときも常に自分の顔をベストな角度で維持し続けられるようになりモテすぎて困るようになれます。
なに? 僕はそれで実際にモテているのか、ですって? その質問は万死に値するぞ。
ということで、引き続き次回、アオリ練習帳・後編のつもりでしたが「中編」に続きます。よろしければ、引き続きお付き合いください。
長々とお付き合いくださってありがとうございます。
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