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noteでノベルゲーム『薔薇の城』 *4 右に避ける

本作『薔薇の城』は「noteで遊べるノベルゲーム」を目指して書いた物語です。物語を読み進め、記事の最後に現れる選択肢を選ぶことで、展開や結末が変化します。途中から読み始めた方は、ぜひ最初から読んで、ご自身で選択肢を選んでみてください。

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右にける

 私は咄嗟とっさに右に身を引く。

 先ほど私がいた位置へ向かうまっすぐな薔薇姫の突きが、不自然に曲がる。

無駄むだよ」

 剣が曲がる。剣先の軌道が、空間をねじ曲げるように確実に右に変化している。避けられない。私は必死に身体をねじり、急所をかばう。

「ぐゥ……ッ!」

 薔薇姫の突きは、私の左肩をとらえていた。刺しつらぬかれる痛みが、全身をふるわせる。

「貴女がけることくらい、私には分かってるの」

 そう言いながら、薔薇姫は腕の力を強める。ズブリ、ズブリと剣は私の肉をき、奥へと入ってくる。

ける方向に合わせて軌道を変えるくらい、難しい話じゃないわ。痛い? でもすぐに痛くなくなるわ。貴女の腕はなくなるんだから」

 薔薇姫の目が鋭く光る。刺さった剣を横になぎ払い、腕を切り落とすつもりだ。

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