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僕の好きな音楽を紹介する(インストゥルメンタル編)

 前回の「歌モノ編」に引き続き、僕が好きな音楽、今回はインストゥルメンタル編をお送りします。並びもジャンルもバラバラです。何かのついでに、気になる曲を聴いてみていただけたら幸いです。

 ちなみに、前回「歌モノ編」はこちら。

1/1 - Brian Eno

 説明するまでもない、アンビエント界の巨匠、ブライアン・イーノの傑作「Music for airports」から。大学生の時に初めてこの曲を聴いて大変な衝撃を受けました。夏場に浴槽に水を張って浸かり、風呂蓋を閉めて真っ暗な中で目を閉じるということをよくやっていたんですが(クーラーの電気代を抑えつつ、気持ちも落ち着ける)、その時にこの曲を聴いたものです。

Goodbye Miss Goodavich/Rosie's Reel - Lúnasa

 僕が「世界で最も美しい音楽を一つ挙げろ」と聞かれたら、迷わずこの曲です。

 ルナサは、アイリッシュ・ケルト(アイルランドのケルト音楽)のバンド。バンドと言いながらメンバーは普段一人一人バラバラに演奏家として活動していて、年に一回とか集まってレコーディングするそうです。「年に一回しか会わないのに、なんでこんな演奏できるん?」といつも不思議でなりません。トチ狂ったかのような変拍子の嵐。しかし、それが最高にカッコいい。

 初めてこの曲を聴いた時、僕は涙を流していました。悲しいとかうれしいとかではなく、純粋な美しさへの感動の涙です。特に後半のフルートが天使の声に聴こえて、ああ今自分は神の声を聞いたのだ、と思いました。この曲が収録されたアルバム「otherworld」は全曲が神曲と言ってよく、今だにルナサのベストアルバムとして心に残っています。良かったらアルバム通して聴いてみてください。

EXTRA - Ken Ishii

 メジャーどころですが、挙げちゃいました。日本が誇るテクノ・ゴッド、ケン・イシイ。もうこれはあっちこっちで見たし、聴きましたね。むしろ「ここまで知名度の高い曲を挙げるのはダサい」までありますが、いいの。カッコいいもんはカッコいいんだから。

 とりわけアニメ映像も美しく、何十年も昔のアニメながら現在も古さを一切感じさせません。それってつまり、現在のアニメはこの時から何も進化できていないってこと……? 恐ろしい。

Strange Attractor - 細野晴臣

 これまた懐かしい。細野晴臣さんの傑作アルバム「N. D. E.」からStrange Attractor。これも大学生の時に延々聴きました。

 アルバムタイトル「N. D. E.」はNear Death Experience(臨死体験)のこと。細野さんが臨死体験された、ってことなんでしょうか。アルバム通して深みを感じる曲満載で、お気に入りのアルバムの一つです。

Two-Part Invention No.4 in D minor, BWV 775 - J. S. Bach

 この曲は知ってる方も多いかも。バッハの「二声のインヴェンション」と呼ばれるピアノ練習曲全15曲の4番目です。

 二声っていうのは、右手で一音、左手で一音、という合計二音で弾ける曲ですよ、ってこと。まさにピアノの練習曲にふさわしい構造になっています。15曲は、一曲ずつ音がズレていき(C Major、C Minor、D Major、D Minor、E Major……)、曲ごとに異なる演奏技法を練習できるように作られています。この曲では両手に満遍なくトリル(二つの音を素早く交互に弾き続けること)の練習ができます。いや、軽くこの曲は指の拷問では? しかしこれが練習になるのですよね。

 バッハお得意というか、バロック音楽お約束の、同じ旋律が反復しながら曲が展開していくのも非常に楽しいです。小学生の時からバッハが大好きで(初めて買ったレコードは「ブランデンブルク協奏曲」でした)、こうしたシンプルな曲の美しさに強く憧れました。

The Bonnie Banks O' Loch Lomond - スコットランド民謡

 スコットランド民謡(イギリス)、ロッホ・ローモンド。「ローモンド湖」という実在する湖の曲です。あっ、これ今気付いたけど歌入ってるやん。しまった……お許しください。

 僕は世界各地の民謡が好きです。今でこそ体系化されている音楽ジャンルたちですが、それは比較的最近の話で、その前はジャンルとか関係なく、その土地の人に伝わった音楽があったんですよね。音楽理論もないところで、12音階の縛りがない場所で生まれた音楽たち。そうした響きは僕を魅了して止みません。

 話を戻して、これは「カロデーンの戦い」という戦争に従軍した、ハイランドの兵士二人の歌。二人のうち一人は戦死、一人は捕虜になるけれど後に解放されて故郷へ帰るんですが、その時に戦死した友人に「俺はハイロード(生きた者が帰る道)で、お前はローロード(死んだ者が帰る道、ケルトの伝説)で、共にローモンド湖へと戻るんだ」と歌ってる、というのがあらすじです。

 この曲はイギリスで広く愛されていて、様々なアーティストが歌ったり弾いたり(インスト版もある)しているので、色々聴き比べすると楽しいです。

Festivo - Václav Nelhýbel

 ヴァーツラフ・ネリベル(チェコ)の「フェスティーヴォ」。吹奏楽で良く演奏される課題曲です。ええ、そうです、僕はこの曲を小学生の時に吹奏楽部で実際に演奏しました

 聴けば分かりますが、演奏難易度が異常です。これを小学生に演奏させるとか、バカなの? 吹奏楽部の田口先生、あなたは本当に鬼でした。おかげでたくさんのことを学ばせていただきましたけども。

 この曲を聴くと指が勝手に動いて演奏を始め、緊張しておかしな汗が出てきます(笑)。

Chester Overture for Band - William Schuman

 吹奏楽つながりで、もう一曲。「チェスター序曲」です。大好きな曲です。木管楽器やってたら演奏してみたかった。

 この曲、序盤は非常に美しい普通の曲なんですが、途中から「あれ、なんでこうなった?」っていう展開になります(まあ聴いてみてください)。でもそこも同じ主題を繰り返し演奏しているだけで、次第に「お、俺たちをどこへ連れていくつもりだ……?」ってなってたら、最後に大団円を迎えるという、すまん、誰もが意味が分からなくなると思うが、実際そういう曲なんだぜ。

 中盤を聴きながら、僕が「私は今『ドラクエ』の塔の中にいます……」と思ってしまうのは秘密です。

Tribal Inc. - Steve Angello

 ノリよく、分かりやすいのも一曲入れておこう、ということで。いわゆるトライバル系(曲が「トライバル株式会社」を名乗ってますから、そりゃそうでしょ)です。

 電子音の刻みで聴かせるのもいいですが、リズムで乗せてくれるのも楽しいですよね。

CHRONO CROSS 〜時の傷痕〜 - 光田康典

ゲーム音楽編」は別でやろうと思いつつ、入れてしまったTVゲーム「クロノクロス」のテーマ曲。はい、神曲

 真面目な話、曲も演奏も素晴らしいし、映像も大好きなんですよ。これ、PS1の映像なんだぜ? 結城信輝さんのキャラクターが3Dになって動くんだぜ? お話は名作「クロノトリガー」の続きだぜ? 文句の付けようがないじゃないか。

 PS1版では戦闘に入る度に1分以上のロードがかかるという地獄のようなゲームでしたが、PS3・PSP・PS Vita上では一瞬でロード完了、リマスターされたPS4・Switchの「ラジカルドリーマー・エディション」は色々きれいになってるそうなので、いつか買えたらいいな。

Eple (Edit) - Röyksopp

 ハイ、大好きなロイクソップの、大好きな一曲です。どれくらい好きかというと、好きすぎてアナログ盤を買いました

 ロイクソップの音楽は独特の奥行きのようなものがあって、聴いているうちに不思議な森に入っていくような気持ちになります。まあ、この曲はにぎやか目なので、随分とウキウキした森に入っていくことになりそうですが。

 スーパーへ買い物に行く道すがら、よくこの曲が頭をよぎります。

1619kHz - Chouchou

 やい、貴様ら、Chouchouを聴けーッ!

 ということで、歌モノ編に引き続きChouchou続投です。Chouchouはインストもいいんですよ〜。

「しゃべってるやん」とかいうツッコミは認めません。しゃべってるだけです。歌ってないから、これはインストでいいんです……って、後半やっぱ少し歌ってたわ。すいません、お許しください(二度目)。

Aerodynamic - Daft Punk

 みんな大好き、ダフトパンクの時間だよ★ もちろん、松本零士エキスもバッチリさ★ あとはそう、キミがピッタリした服に着替えて、ミラーボールの下で踊るだけ★ コズミック・ナイトの始まりだ★

ノルマンディー - GEMS COMPANY

 PS3『ドラッグ・オン・ドラグーン3』のBGM風の舞台『音楽劇ヨルハ』の挿入歌として作られ、PS4・Switch・PC『Nier: Automata』がアニメ化された際のエンディング曲『灰ト祈リ』のカップリング曲として言葉が書き換えられた、という流れのある曲。

 延々と早口でまくし立てるのがアンドロイドらしくて面白いな……と思ってたけど、この曲もよく考えたら後半から歌ってるわ! 歌モノやん! すいません、お許しください(三度目)。

 このセリフはそらで言えます。カラオケに入らないかな。

A White Falcon - Dragostin Folk National

 民謡系がもう一曲欲しい、ということで、大好きなブルガリア民謡から。

 この歌唱法自体が唯一無二で、真似すらできないシロモノだから、ちゃんとしたのを座って拝聴するしかない。美しい響き、ってのはこういうのを言うんだろうな。

 これをAIができるとは思えない。そう考えると、人間もまだまだいけるさ。

「ぐうぜんのきろく2」予告編 - SAKEROCK

 最後に、曲じゃないけど、解散しちゃった大好きなインストバンドSAKEROCKをご紹介。このどうしようもないゆるさが好きでした。ライブとか爆笑しちゃう(下品すぎて)。

 ちなみに、このSAKEROCKのメンバーの一人が星野源さんで、解散後にソロアーティスト、俳優とどんどん活躍されていくのを不思議な感覚で拝見していました。

 今回はここまで。ご紹介したいのにYouTubeにないから断念せざるを得なかった曲がインストゥルメンタルには多くて、少し残念でした。長々とお付き合いありがとうございました。一曲でもお気に召す曲がありますように。

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