カミナシ的PMMのススメ 〜Go-to-Marketのスピードと精度を上げるの巻〜(NewStudyに取り上げていただきました)
2023年も年末となりました。
こんにちは。カミナシのタカクラです。
今日は、今年自分が一番時間を使ってきたPMMという仕事について
振り返りとこれからを書いてみようと思います。
「なんだかいろんな企業がPMMを置き始めてるけど、結局なにしてるの?」
という方に向けて、カミナシではこんなことやってますーというのが
参考になれば!
そして、カミナシのビジネスサイドの取り組みに興味がある方は
是非、当社ビジネス本部長宮城の記事を読んでみていただけると
ビジネスサイドの動き方や、PMMの立ち位置について、参考になるかと思います↓↓
カミナシ的PMMのはじまり
カミナシとして「PMMをおいたほうがいいかも?」という議論が出始めたのは
2022年10月頃で、私は当時兼任で一人目PMMをやり始めました。
が、当時はミッションや役割の定義が曖昧だったり、そもそもリソースが足りなかったり、「これ誰ががやるべきなの?」といった浮いたボール系の仕事がやってくる、といった状況でした
(抽象度が高い役割になると必然的にそういったことは起こるので、それ自体が悪いとは思わないですし、自分自身はそういう浮いたボールを拾うことが好きなタイプなので個人的には問題なしではありました)。
本格的にPMMをやろう、となったのは2023年4月です。
前述の宮城が「PMMちゃんとやろう」と意思決定をし、私は兼任ではなく専任の一人目PMMに、そして組織面でもマーケティング部門の1組織として設置されることが決まりました。
それまで兼任という体制でPdMチームにも所属をしていたので、マーケティングとPdMと協同する動きが主体となっていましたが
PMMのミッションとして漠然と「市場とお客様に愛されるプロダクトを作り届ける」を考えていたものの、
「(直接的に)誰に何の価値を届けるのか?」
「何をKPIとして動くのがよいか?」
といったことにすぐに答えを持つことが難しい状況でした。
PMMを置いたほうがいいかも議論の中で出ていたミッションは色々とありましたが
確かに全部やったほうがいいしできるに越したことはないんだが
今のカミナシにとって、優先度が高く、そしてPMMがやるべきことだろうか?
こんなことを悶々と考えながら、事業の予算達成のために必要な、かつある程度の抽象度が求められる役割に「何に価値を出せばいいんだろう、、」とモヤモヤと考える日々でした。
(前職で一緒に働いていた大好きなチームメイトが他社でPMMをやっている & 近所に住んでいるといったことがあり、彼女と会っては色々と相談させてもらっていました。あめりちゃん本当にありがとう!!)
カミナシ的PMMの一歩目:立ち位置を決める
そんな中、カミナシ代表の諸岡が「PMMに関する本がもうすぐでるよ」と教えてくれたため、藁にもすがる気持ちで予約。
Amazon様から到着した日から貪るように繰り返し読み、腹落ちしたところも腹落ちしないところもノートに書き出しました。
LOVED 市場を形づくり製品を定着に導くプロダクトマーケティング
(この本のおかげで自分の思考の整理が進みました。プロダクトやマーケティングに関わる皆様におすすめできる本です。)
そして、今のカミナシの事業や組織の状況に合わせて「優先的に価値を一緒に出していきたい役割」に焦点を当てることにしました。
カミナシでは先述の宮城のnoteにあるように「マルチバーティカル戦略」を念頭にプロダクトのGo-to-Market計画を立てています。
複数の業界×複数の部門へのアプローチ、販売活動、利用定着、アップセルという動きが必要になるため、常にビジネスサイドでは「受注までのステップやカミナシ活用の再現性が見込める業界」と「まだ再現性が低い業界」のどちらにもアプローチし、SAMを広げていく活動を実施する必要があります。
現在のカミナシのビジネスサイドは以下のような役割が置かれています。
このように整理したときに、現状のカミナシにとって事業計画と照らし合わせたときに優先度高く価値発揮をしていくところは「Go-to-Marketエンジンの強化」と踏切り、価値提供範囲を決めることとしました。
カミナシ的PMMのニ歩目:暫定でもいいので取り組み内容を決める
「どの役割と、何のために」協同し、価値を出していくのかを定義したので、PMMの取り組みとしては以下のようなことをやっていくことにしました。
業界の選定と検証、および各施策実行のための各チームとのコラボレーションは後述するので、ここでは「プロダクトとGo-to-Marketを整合させるロードマップの策定」と「アセットの計画策定」について少し触れてみます。
現在カミナシが提供しているプロダクトは1つなのですが、これから複数プロダクトにしていくことを見据えている状態であったり、1つ目のプロダクトもより進化・深化させていくフェーズとなっています。そのため、プロダクト方針と、顧客への訴求内容や訴求タイミングの足並みを揃えおくことで、より早く市場に対して価値を提供するための下地を作ることが現在のうちからできると考えました。
具体的には、コンテンツ×プロダクトのロードマップを策定し、毎月やQごとに見直しを行うことで
・Go-to-Marketサイドからプロダクト方針をアップデートする必要があるか
・プロダクト方針から新規キャンペーンを策定する必要があるかどうか
が可視化される状態を作っています。
取り組み例:業界の選定と検証
カミナシの成長のためには、一つの業界でのディープサクセスと複数業界への拡大が重要ですが、特に複数業界への拡大するためには以下のような要素を得る必要があります。
これらを高いレベルで得るためには、各人が片手間でやるのではなく、複数人で一定期間で集中してやることで高い集合知を形成する必要があります。
そのため、マーケ・IS・FS・CS・PMMのビジネスファンクション全てが関わったタスクフォースを形成すること、ビジネスサイドで設定できるKPIを設定し、集中して検証を実施しました。
PMMに欠かせないこと:チームコラボレーション
各施策の計画を立てたり実行をする上で、PMMが単独でできることは実はほとんどありません。そのため、常日頃から各チームとコラボレーションをし、計画の実行と達成にむけた動きを取っていく必要があります。
PdMとのコラボレーション
プロダクトに関わるチームの「市場や顧客に愛されるプロダクトを作り、届ける」というミッションの下でPdMとPMMが背中合わせとなって協同する、というところは目線が合っている中でも、以下のような具体的な話まで認識を常にすり合わせておく必要があります。
・具体的なロードマップはどうなっているのか、どうしていくべきなのか
・ロードマップを推進するためにサービスチームへどう働きかけるのか
・ロードマップをどのようにビジネスサイドで活用するのか
・顧客や市場の状況をどのようにロードマップに反映させるのか
すり合わせのためにお互いの定例ミーティングに参加して状況をキャッチアップしたり、社内向けのアセットはPdMが、社外向けのアセットはPMMが管掌する、といった役割分担で活動をしています。
新しい業界の探索においては、PMMがより業界の中に入り込んでGo-to-Marketの進捗を見る中で「より早く、より深く業界に入りこむために必要なプロダクトポートフォリオや機能強化部分はあるか」を考えるところにPdMの力を借りています。
マーケティングとのコラボレーション
未来の顧客との接点を初期に作ることがマーケティングチームの役割です。そのためには、マーケティング施策の遂行や変更に必要な事業情報とプロダクト情報が、適切な粒度とタイミングでマーケティングチームに入っていることが重要です。
現在PMMはマーケティング部門配下の1チームとして活動しているので、毎日各チームの代表者と話す場を設けながら、優先的に実行すべきキャンペーンがないか、ある場合はどのように分担しながら進めるか、キャンペーンにおいて必要なメッセージングやアセットの目線合わせを行っています。
そして週次でマーケティング全体方針と各キャンペーンの進捗確認、プロダクトのアップデート情報の認識合わせを行っています。
また業界開拓においては、カミナシでは展示会での成果を重要な指標として置いているため、展示会内でのキャンペーンに必要なマーケティングアセットの準備や展示会当日の差配を、マーケティングチームとPMMで協同しています。
セールスとのコラボレーション
カミナシのセールスはインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーセールスの3つのチームから構成されていますが、それぞれがタイミングによって注力すべき業界や規模が微妙に異なっていることが特徴としてあります。例えば、カミナシにおいて今後注力すべき業界かどうか、つまり攻める領域を広げるかどうかの仮説検証を実施するのは、カミナシにおいてはインサイドセールスが主に担当します。
以下のnoteがわかりやすくまとまっていますので、カミナシのインサイドセールスに興味がある方はぜひ!
対してフィールドセールスは、すでにGo-to-Marketがある程度進んでいる業界を確実に獲得していくことをメインに持ちつつ、仮説検証段階にある業界の深掘りとGo-to-Market戦略に組み込むべき業界かの判断をすることを担当します。
そしてカスタマーセールスは、顧客の状況(利用状況や組織の状態)を考慮の上、どのようにアカウントプランを広げていくのかの検証と実行を実施しています。
このようにチームによって役割やKPIが異なる中で、カミナシのGo-to-Marketをより深く、より広くしていくために、各チームのプレイブックや営業資料、代表的な顧客事例を作る、といったセールスアセットの計画立案や実行をPMMでは行っています。
例えば、業界を広げることが可能かを検証するために、既存顧客に事例化のためのインタビューを実施させていただきました。検証を進めるに当たって、「あなたの業界にいるお客様が使っているし、効果が出ている」ということがお客様に伝わると前に進めやすいと考え、複数社の事例記事と動画を作成しました。
展示会では「あの企業が使っているの?ならば使えそう」とお客様にも反響が大きかったことはもちろんのこと、社内の検証チームからも「具体的な取り組み内容が成果がわかりやすい」ことで、提案の確実性をあげることに寄与できているかと思います。
PR・CS・CDとのコラボレーション
マーケティングチームができる前から、カミナシはPRの力によって顧客へのインタビューや紙面掲載など、Go-to-MarketとAdaptionを進めていただいていました。
PRは今年新メンバーも加わり複数名体制となったので、より施策の数を増やす、幅を広げるのと同時に、仕組み化に取り組んでいけそうです。
具体的には、PRチームとともに今年は6つの企業さまに取材に行かせていただき、顧客の事例記事と動画制作を実施。そのうち2つの企業さまには雑誌と新聞の掲載にこぎつけていただくなど、より認知を広げる取り組みができています。
また、機能紹介のプレスリリースは分担して執筆して精度とスピードをあげる体制を取るなど、これからのカミナシの成長スピードを後押しする体制を今年中に模索できてきたかなと思います。
顧客事例の制作には、Adaption領域に役割を持つCS(カスタマーサクセス)チームとCD(コミュニケーションデザイン)との協業が非常に重要でした。価値貢献という意味合いではPMMが直接CSチームやCDチームに貢献できたところは非常に少ないですが、CSとCDと協業することでGo-to-Marketエンジン全体に対する貢献と業界探索のスピードと質を上げることができたと感じています。
カミナシ的PMMの三歩目:これからの取り組み
今年度始まったPMMという役割ですが、よりGo-to-Marketのスピードを上げることと業界を広げることにフォーカスしていくため、以下のようなことをやっていきたいと思っています。
来年には社員が100名を超える予定ですが、PMMはタカクラ一人でやっています。
スピードと成功確率をあげるため、複数プロダクト・複数業界のグロースを推進するため、2人目のPMMの募集をもうすぐ開始します!!
PMMに興味がある方、PMMじゃなくてもカミナシに興味がある方、
タカクラにいい仕事がある方、お話しましょう〜!!
ここまで長文を読んでくださってありがとうございました。
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後日談
本Noteを見てくださったNewsPicksさんより、NewsPicksさん内コンテンツ「NewStudy」への出演を打診いただき、2024年6月5日に動画が公開されました。
「PMMってなに?」「一人目役割って大変、、」「カミナシに興味あります!」の方に参考になりましたら幸いです。