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海外移住関連の困りごとにChatGPT Deep searchがとても使える
私は、2024年の9月ごろに日本からドイツに移住しました。移住の前に私なりに準備をしてきたつもりですが、移住関連のタスクが完全に終わっていない状態です。確定申告など、まだ起こっていないこともありますし、すでに起こっている現象でも、移住から半年たった(2025年2月現在)時点では、まだまだ終わっていません。
移住あるあるだと思いますが、Aを解決するためにBをしなければならず、そのためにはCをしないといけない、という感じで、延々とタスクが続いていきます。なぜそうなるのかというと、全体的な流れを把握していないため、その時点で理解しているTODOをこなすだけだからです。最初から全体像を把握していれば、正確なタスクリストを作成でき、プランAを実行しながら、プランAの成功確率を見てプランBを並行して動かす、というような方法が取れたはずです。
インターネットで検索したり、士業の専門家に有料で相談したり、GPTに質問をしていますが、それらはゆっくり進んでいる感じで、全体像を把握できた感覚はありませんでした。
最近、この問題の解決に役立つ圧倒的に良いソリューションを見つけたので、紹介したいと思います。それが、ChatGPTのDeep Searchです
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ChatGPTのDeep Searchは、OpenAI社が提供するAIツールで、月額200ドルのProプランから利用できます。月額としては非常に高額ですが、永遠に使うわけではないので、数ヶ月限定と考えれば、士業の専門家への相談料より圧倒的に安いですし、人に相談すると個別の疑問は解決できますが、全体像を把握するのにとても役立ちます。
また、私は仕事でAIを活用している方だと思いますが、AIに関しては素人です。OpenAIの性能が良いとか、GoogleのGeminiが優れているとか、少し使った程度では、素人が性能を判断するのは難しいと思っています。そのため、ChatGPTがAIとして良いのかはわかりませんが、ChatGPTのDeep Searchは、その機能において、特に「海外移住調査」というニーズを満たしてくれます。簡単に説明すると、このツールは、人間が書いたプロンプト(依頼)に対して、インターネット上の複数の情報を元に、AIが自律的に調査を繰り返しながら回答を探してくれるものです。
海外移住で知りたいことを調べるのが大変な点は、日本の常識を持っている人が、その国の法律や習慣をどう理解していくか、という部分だと思います。(例えば、「日本ではフリーランスの毎年の納税で所得税、住民税、消費税、個人事業主税があるが、この国ではどういう種類の税金があって、どのタイミングで払うのか?」「日本だと、賃貸契約時に敷金・礼金があり、毎月家賃を払うのみだが、物件によっては電気やインターネットが含まれている場合もある。この国ではどういう料金を、どのタイミングで払うのか?」)それらを調べるためには、税金なら政府系のHPから正確な情報を得る必要がありますし、保険なら保険会社のHPなど、情報源がバラバラです。仮に一次情報を見つけたとしても、現地語で書かれた専門的な文章を理解し、自分の状況に落とし込む必要があります。インターネットで検索して、noteなどのブログで同じ経験をした人の記事を読むのは非常に参考になります。(私もこのブログが誰かの参考になればと思い書いています)しかし、それはその人の状況での正解なので、自分のパターンに合わせるための変換作業が必要です。例えば、私の場合は「日本人男性、妻がドイツ人、45歳、配偶者ビザ、フリーランス、ドイツ移住」です。このどれか一つでも違うとプロセスが変わることがあります。そのため、他の人の経験を自分のパターンに変換するのも大変な作業です。
前置きが長くなりましたが、具体的に私がどのようにChatGPTのDeep Searchに質問して全体感を把握できたのか、以下にプロンプト(疑問)を記載し、有用性を感じていただけたらと思います。
(賃貸契約書を添付して)
私は、借り主です。この契約書は、ミュンヘンの一般的な賃貸契約と比較して、借り主に不利なことはありますか?この契約書の内容と一般的なことを比較して、わかりやすい表で教えて下さい。
ドイツの法定保険について質問です。
私は、フリーランスのエンジニアで45歳です。
ドイツの法定保険の会社に入ろうとしていますが、拒否されました。
拒否された理由は、会社員でない場合、EU内での保険を過去に持っていない場合、新規に入ることができないというものでした。
そして、民間の保険に入るように言われました。
これはドイツの法律上問題がありますでしょうか?法定保険会社は、加入したい人を受け入れる義務はないのでしょうか?主に法的・判例的に調査してください。
ドイツのフリーランス向けの会計ソフトに付いて質問です。
accountableなどありますが、クオーターごとのVATと所得税申告(Anlage S、Anlage EUR)ができるツールで、英語で操作できるものはありますか?複数ある場合は、使いやすさやデファクトの度合いも調査してください
ドイツの滞在許可の要件で年金の加入が条件になる場合を教えて下さい
上記のような疑問は、当然、インターネットや人に聞いたりして、時間をかければ解決できるかと思います。しかし、ChatGPT Deep searchは理解までのスピードが圧倒的です。ビザ、年金、保険、税金、不動産などなど、やることがたくさんある状況ですと、回答に早くたどり着きたいと思いますので、ChatGPT Deep searchだと、数十分で全体感がわかり、解決までの作業内容がわかります。
ただ、ChatGPT Deep searchもツールなので、使いこなすにはそれなりの使い込みが必要です。私の上記の質問は聞きっぱなしではありません。ChatGPT Deep searchが出す回答が重要度によっては、本当なのか別の手段で調査して裏取りをしますし(ChatGPT Deep searchの調査元のHPを自分でも読んでみる。そのHPの情報が最新の事実なのかを判断する)、質問と回答のラリーが数時間続くこともあります。
私も使い込みんで勉強中ですが、使いこなせるようになれれれば、海外移住においてもとても有益なツールになるかと思います。