ヴィンテージ絶対主義から中立派になった訳
こんにちは、サブレです。
私は昔バンドやったりリペアやったりしてたんですが、お正月になると毎年某サングラス掛けたGさんが正解の部屋に入るアレで数億円ヴァイオリンと中古、どっち?っていうのあるじゃないですか。その話を分かりやすく端折ってしようかな、と思います。
まぁストラディバリウスとかあの辺は極端なんですけど、ヴィンテージと新品、どっちが良い音?って言われて昔は私もそんなのヴィンテージの方が高いし良いに決まってる!と思ってました。でも今は一概にそうとは言えないことが分かりました。
まず分かりやすくギターで説明するとヴィンテージが高くなる理由としてまず木材です。
木っていうのは繊維の層が密に重なってるんですが、その層と層の間にある繋ぎみたいな物が年数が経つにつれて、水分量が減ったり風化していくんですね。そうすると弦の振動が伝わりやすくなるのでよく鳴る、またその音の帯域も濁りが無くなってクリアになる傾向にあるみたいです。枯れた音、とも言われます。
ただ、年数が経つにつれてその他の部分でも劣化が起きるので、状態の良い物も減ってくる、希少性があるので値段も高くなる、という感じです。また、今輸入出来ない木材が使われていたり、作ってた時期が短かったり、少量生産品だったりするとまたそれでおかわりが。。。っていう風に希少性が増す分値段も上がっていきます。
ストラディバリウスはまさにこのパターンですね。
これだけ聞くと、じゃあヴィンテージギターが一番良い音なんじゃん!ヴィンテージ最強!!って思うじゃないですか?
ではそれが一概にそうとは言えない理由を説明します。
今は科学が進歩しました。
なんと人為的にしかも短時間で木材を傷めず風化させる技術が生まれました。
今は科学が進歩しました。
なんとコレクターから名器と言われたヴィンテージギターを借りて3Dで型取りして、重さだけじゃなくその重量バランスから傷の位置、何から何まで完全に再現する猛者まで現れました。
因みにそのコレクターさんは再現された方が良い音と言ったそうですが、私もこのギターではないにしろ同年代のヴィンテージ物と再現品の弾き比べ、聴き比べをした事あって、どっちも劣らず良かったですが、個人的には再現品の方が好きな音でした。
まぁ上の2つは極端ですが、加工技術の向上は科学というか産業の発展の賜物で個体差、品質のバラツキがかなり減ってきています。特に廉価品とかでも普通に使えるギターがかなり多くなってきています。昔の廉価版ギター、特に日本が高度経済成長の頃に見様見真似でギターを作り出した頃のギターなんて本当に悲惨です。ビザールギターで調べてみて下さい。まぁ、それが良いっていうコレクターさんが居ることもまた事実なんですが。
ヴィンテージギターは状態もそうですが個体差が今に比べてかなり顕著にありますので、ヴィンテージだから絶対に良い、という訳ではありません、というのが私の結論です。間違っても否定派では無いです。でも絶対主義では無いです。
ヴィンテージコレクターの方私を嫌いにならないでください(切実)
59年のレスポール弾いたことありますが、ジャーン、って弾いてネックからボディーから振動がプルルルルって伝わって大人のおもt(自主規制)
まぁそのくらい鳴りが素晴らしかったです。それに傷入ってたり、塗装が割れてるのがイカしてるぜ!ロックだぜ!ヒャッハー!って言うのも分かります。
そうだなー、家具でいうところのアンティークみたいな感じ?ですかね。
うーん違う??
あんまり良い喩えが決まらなかったので今日はこの辺で。
因みに人為的に木材を風化させる技術を作ったのは日本の企業です。興味がある方はARE加工で調べてみて下さい。
日本の職人さんにはほんま頑張って欲しいんですわー。
…私何様やねん。