『カナルタ 螺旋状の夢』
SNSで『カナルタ 螺旋状の夢』の情報を見つけ、すぐにYouTubeの予告をチェックした。虫などの自然音、シュゥゥと息を吐くような音、そして不思議な歌声を聴いた時…あぁこれは観なくては!と思った。
それから何日か経って、そうだカナルタ観に行こう!と上映館を探してみたら渋谷での上映が終わっていた。行ける距離だとしたら逗子か…でも仕事モリモリだしなぁと少し悩む素振りをしたけれど、多分最初から観に行くと心では決まっていた。
観て感じたことや記憶に残っているものをメモしておこうと思う。
・口噛み酒のチチャを作る際、"集中して作る"と言っていた。作り慣れているから何も考えず手さえ動かせば完成するだろうけど、でもちゃんと集中するんだって。それを聞いたとき、いかに自分が普段の行動に集中というか…心を通わせていないか気付かされた。
・セバスティアンも他の人達もみんなみんな、他愛もない話題に凄く生き生きとした話し方をするし、満面の笑みを浮かべる。それが自分のイメージの中の現代人と異なってみえた部分で、物事を捉える感覚や心の動きなどが根本的に違うように思えた。私達が暮らすこの社会は、あらゆるモノが溢れ過ぎていて麻痺しているのかもしれない。
・人や自然やすべてにおいて、ちゃんと生命を感じた。宿るものを感じた。生きるとはこういうことだぞ!とセバスティアンが教えてくれた気がする。
・セバスティアンが新しい薬草を見つけたとき、森がザワザワ!って不思議な反応をしたような気がした。そして、薬草に名前を付けようって言っていたのが印象的だった。名もなき植物が名を貰い意味を持つ。なんか、いいなって思った。
終盤、急に涙が込み上げてきた。泣くのを堪えるのに必死で画面をしっかり見れなくなった。これは何やら凄く大切なシーンなのでは?!セバスティアンが大事なことを言っている気がする!ちゃんと聞きたいのに、聞いたら泣いてしまう!というか鼻水が!タオルどこだっけ?うわぁぁ!ってプチパニックだった。
観終わって外に出たら、我慢していた涙が堰を切ったように溢れてきて歩きながら泣いた。今後のことを悩んだり未来への不安だったりって、そんなタイミングでの鑑賞だった。生きる力をもらった。壁にぶち当たる度に、セバスティアン達やあの森の風景を思い出すかもしれない。『カナルタ 螺旋状の夢』に出会えて良かった。