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私の推しをすすめる。21 ベル

[さとゆみビジネスライティングゼミ] 3期生のシマです。ゼミで学んだことを、即アウトプットする80000字チャレンジ(1日1000字×80日)noteを毎日更新中 80000字チャレンジ36日目/のこり44000字
テーマ:エモーションにフォーカスし、ピントをあわせる。
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:エピソードファースト
:AだからB
:エモーション ”感情”にピントを合わせる。
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「ラインっ♪」「ラインっ♪」「ラインっ♪」師走に3通のメッセージが鳴る。1通目は、めちゃくちゃ笑顔でトイプードルの子犬を抱いた息子の写真。ららぽーとのペット屋さんだ。2通目は「ジングルベルのベルちゃんです」の文字。3通目は「今年のクリスマスプレゼントにサンタさんへお願いします」との内容だ。「はっあっあああ!!!!ありえへん…犬を飼いたいからって、そこまでするん。サンタさんへとか…しかも、名前まで決めてるやん。あかんって。ほんまありえへん…」話は7年ほど前にさかのぼる。

犬を飼いたいという「奥さんと子供チーム」VS 絶対飼いたくない「わたし」のお話。かれこれ1年以上「犬飼いたい、犬飼いたい」と言われ続け、「無理無理、絶対に無理」と言い続けてました。「なんで、そんなに嫌なん?絶対かわいいって!」何度も言われ続けました。しかし、目の前にあった髪のブラシを手にし「だって、このブラシ見て。かわいい!って思える?無理やろ…だって、犬=ブラシやで。愛せる自信が全くない。愛せないのに一緒に住むとか無理やから」と猛反対。しかし、むこうチームも譲らない。送りつけてきたラインの画像を見せてきて、「ホラっ!めっちゃかわいいやろ。ベルちゃん」「だから、名前をつけたらあかん!愛着が湧く!やめて」そんな押し問答が続く。この話になると、最後は決まってダンマリ。そして不穏な空気になる...じゃあ「一回でいいからベルちゃん一緒に観に行こうよ」と。「もう”じゃあ”の意味もわからんけど、絶対に飼わへんで。それでもいいなら見に行くわ…」と不穏な空気を断ち切るために、ららぽーとへ車を走らせる。エスカレーターをのぼるとすぐにペットショップ。お店では、お姉さんが笑顔で手をふり待っている。奥さんと子供も笑顔だ。わたしはももちろん、無表情だ。「ああ!!パパさんも一緒に来てくれたんですねー。ベルちゃん抱っこします?」と店員さん。だから…名前で呼んだらあかんって。奥さんと子供は、抱っこしながら、「ほら!ほら!かわいいやろ!」と、かわいいの押しつけが始まる。さらに店員さんも加勢する。だ、か、ら、ブラシと一緒やって、と心で思いながら、無表情を貫くわたし。鉄の心をもつ男。すると次の作戦が発動される。「パパさんもベルちゃん、抱っこされますか?」もう、最悪や。これが、よくみんなが言う、抱っこして目があったら、もうウチの子!ってなるやつなんでしょうねと。見に行くだけやでって、何回も言うたのに….すると、後ろからは、「抱っこしてみ!抱っこしてみ!」の大応援。「はぁーーーー…」と深いため息と共に、腕の中に犬が鎮座する。「パパさん!どうですか!かわいいでしょう!」と、テンションぶち上がり、口角もガンガンにあがった店員さんを見て一言。「いや。何も思いません…」無表情で答えた。もう最悪な空気ですよ。もう色々耐えきれず、1秒後には一人でペットショップを出ていました。

それから1ヶ月、2ヶ月と時は過ぎ、桜が咲くころ。忘れもしないスーパーに買い物に出かけた休日。駐車場に車を停めようとした時に、「犬、飼いたい…」と話出す。「もう、絶対無理やって!ずっーと言うてるやん!もう1年以上無理って言うてるやん!」めずらしく口調を荒げた、わたし。夫婦喧嘩をしたことあるかな?ぐらい、したことがなかったけど、ワンチャン飼いたい、飼いたくないバトルの最終決戦が車内ではじまった。時間にして、何分だろう。長くない時間の言い合いが終わると、無言で車を降りてどこかへ歩いていく、奥さん。子供は「かかーーー!!かかーー!!かーかー!!」と泣き叫んでいる。(”ママ”じゃなくて、”かか”と呼んでいた)
ここで追いかけたら負けだと、こちらも腹をくくる。それから30分ほどたったぐらいに、子供を抱っこしながらふと、思い直した。「あんなにも欲しいと言い続けることって、今までなかったな…ほんまに飼いたくて飼いたくて仕方ないんやろうな…自分は、したいことばかりを思いっきり、やってきて、奥さんのこうしたい!を止める権利なんてないよな…」そんなことを思い、すぐに電話をした。「犬、飼っていいよ。愛せるかわからんけど。散歩も絶対いかへんけど。」と。

そこから、我が家のワンチャン探しが始まった。いろいろ調べていると、ペットショップでなく、ブリーダーさんから直接買うことにしたと報告がある。そしてお目当ての子犬が生まれたと、見に行きたいからと、神戸へ車を走らせる。そこには、ヨチヨチと歩く子犬のトイプードル。ブリーダーさんは、パパワンちゃんとママワンちゃんにも会わせてくれた。もう、奥さんの中では決まっている。最終確認だ。「ほんとうに飼ってもいいん?」「ええよ。」そこから数ヶ月後、我が家にやってきたトイプードル。名前はもちろん「ベル」夏にやってきたジングルベルの「ベルちゃん」だ。

あれから7年の歳月が流れた。「ベルーー!散歩いくぞ!!」「ベルーーかわいいなーー」「ベルーー!!ベルー」今日も私のベルを愛する声が、家中にこだましている。

書いた文字 2040字
書いた時間 2時間
MEMO
あかん。2000文字、2時間も書いてしまった…びっくりする。愛が溢れてしもたな。さーー課題!

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