サッカーはビジネス?
写真引用: https://twitter.com/nikefootball?s=21
サッカーはビジネス?
先日、「果たして永久追放って正しいの?」ということを書かせていただきました。
今回はここから少し深掘りして、「人種差別行為に対してクラブはどう考えているのか」ということを考えて行きたいと思います。
前回の記事で書いたことを前提に進めていきますので、読んでない方はこちらからお読みください!
現状
これまでにサッカー界は多くの人種差別問題に直面し、その度に様々な対処を行ってきました。
しかし現状でフットボール界から人種差別は根絶されておらず、これらの処分が正しかったとは言いきれません。
〇2014年-Jリーグ
浦和レッズのサポーターによる差別横断幕事件がありました。JFAはクラブに対して無観客試合、サポーターに対して横断幕掲揚禁止の処分を行いました。
〇2021年-プレミアリーグ
マンチェスターUのサポーターが相手選手に対して差別行為を行った事件がありました。クラブはシーズンチケットの剥奪とスタジアムから永久追放の処分を行いました。
今回は、フットボール協会が処分を下すことからクラブ自らが処分を下すようになったことの遷移からクラブの人種差別行為に対する考え方を考えていこうと思います。
処分の背景
まず、このように遷移した背景にクラブのどのような考え方が影響しているのかを考えます。
あくまで、ルドベキアの予想ですが、クラブが自ら対処を行うことになった背景が2つ考えられ、その2つにアンビバレントを感じました。
①無観客試合によるクラブの損失は数億円といわれています。スポンサーに対する罰金、チケット代金の払い戻しなどを考えれば無理もありません。
そうすれば、クラブは差別を行ったサポーターを特定しそのサポーターを取り除くことで、無観客試合の処分を受けることを逃れようと考えるのは妥当だと思います。
また、人種差別など社会問題に敏感なこの時代に、「差別主義者を野放しにするクラブ」のレッテルを貼られることを避け、あらゆる差別に反対しているというアピールにもなります。
①クラブの維持が大事で、人種差別行為に対する対応を間違えて収入・ファンを失いたくない
②選手が人種や性別などによって満足にプレーできないことはあってはなりません。となれば、人種差別行為を行ったサポーターは、クラブはサポーターとしてみなさないし、今後一切スタジアムに入らないで欲しいと考えることも想像できます。
また、この処分が他のサポーターへの警鐘にもなり差別行為は減っていくことも期待できます。
②クラブが大事にしているのは、人種や性別に左右されず選手が満足にプレーできること
協会から処分を受ける前に、クラブが自ら対処することに、相反する考えが見えたのと共に、どちらの考え方にも納得できてしまったのです。
では、どちらの考え方に基づいてクラブはこの対処を決めたのでしょうか。
フットボールはビジネス?
答えはクラブの首脳陣にしかわかりませんが、人種差別行為を行ったサポーターに対してレンジャーズやユナイテッドが行った対応に疑問を感じたのは、①がチラついていたためだったのだと思いました。
言い方を悪くするならば、上手くできすぎているのです。
特に今回の移籍市場で、フットボールにはとてもマネーゲームの要素が関わっており、そこに選手の誇りやサポーターの気持ちが乗っていることも十分理解できました。
そんなことを考えていた矢先、舞い込んで来たのがヨーロッパスーパーリーグ構想のニュースです。
これにはさすがに腹が立ちました。オーナー達はクラブを選手をフットボールをサポーターを何だと思っているのでしょうか。
このことで、筆者はビジネス要素の強い①の考え方に基づいているのでは無いかと思うようになりました。
①の考え方であるならば、人種差別行為を行ったサポーターを条件反射のように追放していくのみとなり、人種差別の根絶には至らないでしょう。今後の対応として、クラブが②の考え方を持っているということを証明することが、人種差別根絶に繋がるのではないでしょうか。