プレミアリーグのHG(ホームグロウン)制度について勉強しよう
写真引用: https://twitter.com/spursofficial?s=21
プレミアリーグのHG(ホームグロウン)制度について勉強しよう
こんばんは。
ルドベキアです。
今回は差別問題については取り上げませんが、私がフィールドとして設定しているプレミアリーグで適応されている、HG(ホームグロウン)制度について勉強していきたいと思います。
人種差別を取り上げていないのになぜ書かせて頂いているかというと、理由は2つあります。
①プレミアリーグをもっと楽しめる
プレミアリーグで1つのクラブを追うに当たって、移籍動向やチーム内容のニュースなどは必然的に目に入ってくるものです。
その中でプレミアリーグに所属するクラブはいくつかの守らなければいけないルールが存在します。
このルールを詳しく知ることで、リーグ内の様々な動きの背景を理解することができ、より一層楽しむことができると考えています。
②差別問題と無関係でない可能性がある
まだ何の研究成果も発表していないのですが、人種差別を研究する上で様々な可能性を考慮する必要があります。
その上でルールを正しく理解することはとても重要だと考えています。
要するに、今回はプレミアリーグを楽しんだり研究したりするための引き出しを増やそうという考えのもと、HG制度について勉強していこうとなったわけです。
勘違いしないで欲しいのは、ルドベキアは4シーズン前からプレミアリーグのクラブを追っているものの、めちゃくちゃ詳しいわけでは無く、これを読んでくれている方と一緒に勉強しようというスタンスでおります。
なので、間違っている箇所などあれば指摘をお願いします!
HG制度とは
早速ですが、HG制度とはどのような制度なのでしょうか?
プレミアリーグの公式サイトに書かれている説明を見てみましょう。
"It can contain no more than 17 players who do not fulfil "Home Grown Player" criteria.
The remainder of the squad, up to a total of 25 players, must be home grown.
Under-21 players are eligible over and above the limit of 25 players per squad. "
(各クラブは、「ホームグロウンプレーヤー」以外の選手を最多で17名までしか登録できません。
また25名を上限とし、残りの選手は「ホームグロウンプレーヤー」でなければなりません。
21歳未満の選手は、25名の上限を超えて登録することができます。)〔筆者訳〕
引用: https://www.premierleague.com/news/102383
つまり各クラブが登録できるのは、
・登録できるのは上限25名まで
・その内でHGPでない選手は上限17名まで
・21歳未満の選手は上限に関わらず登録できる
という事になります。
難しいですね。
言い換えると、ホームグロウン制度とは、クラブにはHGPが8名以上必要になるということです。(もちろん7名以下でもプレミアリーグに参加は可能ですが、上限である25名の登録ができないため戦力で差がついてしまう)
この制度を理解した上で気になるのが、HGP(ホームグロウンプレーヤー)とはどのような選手を指すのかということです。
ホームグロウンプレーヤーって何?
ホームグロウンプレーヤーがどのような選手を指すのかということもプレミアリーグの公式サイトに記されています。
"A "Home-Grown Player" means a player who, irrespective of nationality or age, has been registered with any club affiliated to The Football Association or the Football Association of Wales for a period, continuous or not, of three entire seasons, or 36 months, before his 21st birthday (or the end of the season during which he turns 21)."
(ホームグロウンプレーヤーとは、国籍や年齢に関わらず、21歳の誕生日を向かえるまで(または21歳を向かえるシーズンの終わりまで)に、イングランドフットボール協会、またはウェールズフットボール協会に加盟しているクラブに合計で3シーズン登録されているプレイヤーを意味します。)〔筆者訳〕
引用: https://www.premierleague.com/news/102383
これも難しいですね。
つまり「ホームグロウンプレーヤー」とは、国籍や年齢に関係なく、21歳になるまでに合計で36ヶ月以上、イングランドフットボール協会・ウェールズフットボール協会に加盟しているクラブ(下部組織も含む)に所属している選手を指します。
例えば、スペイン国籍の選手がウェールズのクラブの下部組織に16歳で入団、17歳でプロデビューした後、18歳でスペインのチームに移籍した後、また20歳でイングランドのクラブに移籍し1年間在籍すれば、「ホームグロウンプレーヤー」となる訳です。(こんなケースはなかなか無いと思いますが)
16、17、20歳の36ヶ月間をイングランドもしくはウェールズのクラブで過ごしていますからね。
この制度の狙いは?
この制度ってなんの意味があるのでしょうか。
そもそも、ホームグロウン制度とは、10-11シーズンから自国の選手の国外流出を防ぐために導入されました。
しかし、これによって自国の選手の国外流出以外にも影響が出ました。
・HGPの市場価格の高騰
・イングランド代表の強化
・HGPの若手選手の活躍の場の増加
などが挙げられると思います。
実際にイングランド代表は、ホームグロウン制度導入前の2010年と比べて現在の2021年でFIFA世界ランキングを4位上昇させています。(※1)
また、平均年齢も2歳1ヶ月も若くなっています。(※2)
結果的にイングランド代表にとって良い結果となったことは間違いないでしょう。
次の記事ではこのHG制度が人種差別にどのような影響を与えるのか考えてみたいと思います。
※1)2010年では8位、2021年では4位
※2)EURO2008では27歳4ヶ月、EURO2020では25歳3ヶ月