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今日、初めて友達に花を買った。[エッセイ]

母の日以外で、人に花をあげるのは
初めてかもしれない。

今日、初めて友達に花を買った。

なぜ買ったのか。
自分でもよくわからないが、
少し気分が良かったのと、
“バラフェス”の文字に惹かれた。

それからなにより、
そこに咲いていたオレンジのバラが
彼女にとてもよく似合うと思ったのだ。

聞けば、明日から旅行に行くとのこと。
“タイミングの悪いプレゼントに
なってしまったなぁ”
と少しは後悔したけれど
渡せないよりは100倍マシ、
と思うことにする。

久しぶりに会った友達。
振り返ってみると、
ここ1年くらいは会っていなかった。

でも、付き合いが長すぎて
いつ会っても、どこで会っても
同じようなテンションで
迎えるし、迎えられる。

それがいいのだ。

スーパーで軽く買い出しをした後、
近況報告で始まる
特別感のない、
ひたすらに心地がいい2時間半。

聞けば彼女は、
名古屋での新居を探しているとのこと。

新たな環境でスタートを
切ろうとしている彼女は
明るく、とても穏やかな目をしていた。

(単に眠かっただけ、
というのも大いにありうる。
そこがまた愛しくて、たまらない。) 

東京から、遠いようで近いような名古屋。
あまり寂しいとは思わなかった。

同じ学校に通っていた幼い頃とは
会う頻度がまるで違うけれど、
なんだかもう、時間や空間を超えて
どこまでも繋がっていられる存在なんだと、
そして、それをお互いに確信していることを、
今日改めて感じた。

彼女が覚えているかは別として、
(私が覚えているかは別として)
これまでの人生における
さざ波から台風波までを
好き勝手に共有してきた相手。

これからの人生も
適当にお互いを気にかけつつ
唐突に連絡を取り、

幸せを、喜びを、
悲しみ、そして苦しみを、
シェアしていきたい。

鮮やかな一輪のバラのように
見ればふと笑みをこぼすような
そんな温かみのある存在として
大切にしたい、私の友達。

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ここまで読んでくださり、
本当にありがとうございました。

普段はだいたいサーフィンに関して
書いています。過去記事はこちらから。

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