だから、私はカメラを構える
カメラを通して世界を見ていると、
私は時に涙が出そうになります。
青空を横切るひこうき雲
道端で静かに咲いている花、
毎日のあたたかい食事、
大切な人たちの笑顔。
そして
これらに囲まれている生きている私。
まるで当たり前かのように存在する
小さいけれど、何にも代えられない
ささやかな幸せを目の当たりにするからです。
SNSの普及により、
私たちはいつも自分を誰かと比較し、
”理想”だと思い込んだ何かを追いかけ、
いつのまにか手の届かない幸せに夢中になり、
本当に目を向けるべき幸せを忘れてしまう。
私たちは、そんな立ち止まることができない時間の中で生きています。
でもカメラは
私たちが立ち止まるチャンスをくれます。
私たちの周りにたしかに在るものに目を向けるきっかけをくれます。
大切な人たちが笑っていること。
大切な人たちを笑顔にできること。
私にとっての幸せは、
これに尽きるのです。
だからこれからも涙を堪えながら
カメラを構え続けます。