【魅せる育児】「新生児と話すことなんてねーよ……」と思ったら「予告・実況・感想」を意識する


現在進行形で子育てに悩みながらも、二児の父となり、多少なりとも経験値を積んだ私が、これから父親となる方に自分の経験を語る。

「魅せる育児」が自分を守る

言うまでもなく育児というものは、唯一無二の個性を持つ親と、唯一無二の個性を持つ子との関係性なので、無限と無限のかけ算だ。

だからまわりとの比較は、まるで無駄。「よそはよそ、うちはうち」という金言の価値を思い知る。

ただし、そうは言っても初めて行うことの数々に劣等感は忍び寄り、自動思考でまわりと比較し「自分はダメな親なんだ」と感じてしまうことは多々ある。

(本当はひとつの組み合わせしかない親子である以上、良いも悪いもない。比較対象などない。あえて言うならば、自分の子にとって、我々は世界で一番ダメな親でもあり、世界で一番素敵な親でもあるのだが。)

「ダメな親だ」と感じる必要はまったくないのだが、感じてしまうのであれば、日々がつまらなくなり、子どもと向き合うのが苦痛になってしまうので、改善したほうがよい。

「ダメな親」と感じてしまうシーンは多々あるが、比較的改善しやすいのは、子の機嫌とは無関係なところ、つまり自分の気持ちや技術次第でどうにかなるところだ。

おむつ替えをパパッと手際よく終える。
抱っこひもなど育児グッズの扱いがスムーズ。
子どもの機嫌が悪くても自分は穏やか。

そんな、いわば「魅せる育児」を身につけることは、自分を劣等感から守ってくれる(あくまでも、他者に魅せているわけではない。ただ、他者をも魅了すると「お父さんすごいですねー」とかなんとか言われて悪い気はしない)。

「魅せる育児」の第一歩は「話しかけ」

手際の良さの習得には時間が必要だが、「子どもに話しかけること」は意識次第ですぐできる。というか、意識しないといつまで経ってもできない。

たとえばおむつ替えをするときに、無言でテキパキ替えるのと、ゆったり話しかけながらもたもた替えるのとでは、後者のほうが魅せていると思う。

手がもたついていても、口が動いていれば、温かな空気が流れる(こういうところも育児と仕事は違う、ということを思う)。

そうは言っても、話しかけはなかなか難しい。言うまでもなく、子ども自身は何も話さないからだ。

会話のキャッチボールが成立しない初期段階の子どもに、何を話したらよいだろうか?

口下手な私はこの件についてかなり悩んだ時期がある。なぜ、ほかの親はあんなにぺらぺらと楽しそうに、物言わぬ子どもと話せているのだろう?

児童館などで先輩親たちを観察して私が気づいたことは「予告・実況・感想」から入ればよい、ということだ。

これからおむつを替えますよ、という「予告」

まず、子どもに接する前に、自分が何をするかを語る。

たとえば、
抱っこしていい?
おむつ替えようか
ミルク飲むかい?
着替えようか?
といったものだ。

難しいことは何も話していない。

おむつを替えているよ、という「実況」

次に、自分がやっていることを話す。

たとえば、
はい抱っこしています
おむつを替えているよ
ミルク飲めているね
着っ替え、着っ替え!
といったものだ。

ここでも難しいことは何もない。ただ、ありのままを話しているだけだ。

おしっこもりもりだね、という「感想」

最後に、自分の気持ちなどを話す。

たとえば、
うわー、重くなったね
おしっこもりもりだね
ミルクおいしい?
着替えて気持ちいいね
といったものだ。

この工程は頭を使わなければならないので難しい。

「予告・実況・感想」で「魅せる育児」に早変わり!

つなぎあわせるとこのようになる。

・抱っこするよ→はい、抱っこしました→いやー、重くなったねえ

・おむつ替えようか?→はい、今替えているよ→おしっこもりもりたくさん出ていたね

・ミルク飲もうか?→よしよし、飲めているね→おいしいかい?

・汗かいたから着替えようか?→はい、脱いで、着て→ほら、気持ちいいね!

実際の手際がどうであれ、このような話しかけをしていると、とてもプロっぽい。だんまり育児が「魅せる育児」に早変わりである。

仮に子どもが不機嫌で暴れていても「おー、機嫌が悪くて暴れているね(実況)」「怖い怖い(感想)」をくり返しぶつくさ言っていると、追い込まれた状況に見えなくなってくるのだ。

「魅せる育児」が続くと、無駄な劣等感はなくなり、いつか「おれ、なんか父親してる!」と思えてくる。

ぜひ、まずは話しかけからやってみてほしい。

まとめ

育児について他者との比較は意味がないが、劣等感を抱くようであれば「魅せる育児」を習得すると自信につながる。「魅せる育児」の第一歩は話しかけであり、「予告・実況・感想」を意識すると、なんとなく話しかけているっぽさが出せる。実際の手際はあとからついてくる。


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