【妻の産前にしておきたいこと】睡眠時間をお金(ロボット掃除機、食洗機、洗濯乾燥機)で買う
現在進行形で子育てに悩みながらも、二児の父となり、多少なりとも経験値を積んだ私が、これから父親となる方に自分の経験を語る。
日本でもトップクラスの忙しさになる
産前の準備といえばどうしても育児グッズに目が行きがちであるが、私はそれ以上に家事の負荷削減に目を向けるべきだと考える。
産後は多忙を極める。
たとえば、睡眠時間が激減する。それもやりたいことがあって計画的かつ自主的に睡眠時間を削るのではなく、主に子どもの夜泣きによって自分の体調や予定とは無関係に削らざるをえない状況に追いこまれる。
この負担感は学生時代の「桃鉄で完徹しちゃった」とはわけが違う。残業続きの日であれ、インフルエンザであれ、夜泣きがあれば眠っていられないのである。
お金で睡眠時間を買おう。
第一子が誕生直後、私は家庭内の努力に酔っていた。
妻の睡眠時間を確保するために、授乳は妻にお願いする以外になかったものの、家事のすべてを自分が引き受けるような気構えを持っていた。
帰宅後、掃除・食器洗いなどで2時間ぐらい遣い、朝も4時台に起きて洗濯物を干すような日々だった。妻の体調が優れないときは、自分と子どもだけ別室で眠り、夜泣きの対応をした。
それを父親としての責任の果たし方だと思っていたし、妻への愛だと思っていた。
睡眠時間を削り、妻子に身を捧げるおれって、なんて素敵なんだろう……と酔っていた。
振り返って考えると、この考え方は誤りだった。
睡眠時間が減れば、人は平静を保てなくなる。家事に追われて、妻や子にイライラした態度でぶつかっては本末転倒である。父親としての責任や妻への愛とは、穏やかに日常を暮らすことだ。
生活は、しょせん生活であって、がんばって回すたぐいのものではない。育児期間中、どうしても歯を食いしばるような日々が続くのだけれど、少なくとも頭のなかでは「しょせん生活」という意識を持って、サボることに寛容でありたいと思うのだ。
がんばらねばならないのは、仕事や夢に対してであって、生活に対してではない。家庭はがんばる場所ではなく、休む場所である。
サボろう。とにかく、サボろう。
父親や夫がやらなくていいようなことは、ロボにやらせよう。自分は父親や夫がやるべきことを穏やかにやろう。
育児期間中の父や母は、もっともっとサボるべきだ。家事をサボってためた力で、めいっぱい子どもを愛そう。
どれだけ皿を洗っても、子どもの成長とは無関係だ。洗濯物を干すよりも、絵本を読んであげたほうがよい。
ロボット掃除機、食洗機、洗濯乾燥機は富裕層の特権ではない。
このような買い物をしようとすると「贅沢ではないか?」「買わなくてもがんばればできるのではないか?」と感じてしまう。
贅沢ではない。
仕事をし、新しい命を育み、妻を支える人がロボット掃除機ぐらい買ってもよかろう。食洗機ぐらいでバチが当たるものか。
がんばればたしかにできる。
だが、家庭はがんばる場所ではない。1日のうち自由な時間が30分しか取れなくなったとして、それを洗濯物干しに回すのが人生だろうか? 子どもがめずらしく昼寝をしてくれたその30分、洗濯物を干すのと妻とお茶でも飲むのと、どちらが有意義な時間だろうか?
私が「富裕層の特権でしょ」と見下していた(いや、見上げていた)これらを購入したのは、つい最近のことだ。
なんてもったいない!
第一子の誕生前にすべてを購入しておくべきだった。この3つがあれば、1日の睡眠時間はゆうに90分は増える。90分増えればイライラは半減する。イライラが半減すれば、妻も子もハッピーである。
ロボット掃除機5万円、食洗機5万円、洗濯乾燥機10万円。20万円で睡眠時間が買える。ハッピーが買える。安い物だ。絶対的な金額としては決して安くはないが、得られる効果を考えれば破格だ。
これから出産を迎えるご家庭にはぜひ、使うかどうかわからない育児グッズで悩むよりも、まずロボット掃除機、食洗機、洗濯乾燥機を買ってほしい。型落ち品でも中古でも、ないよりはマシだ。
食洗機や洗濯乾燥機は設置工事もあり少々面倒なので、ぜひ産前に準備しておきたいところである。
ちなみに睡眠時間に直結する順番としては、洗濯乾燥機→食洗機→ロボット掃除機である。新生児はとにかく服を汚すし、小さすぎて干すのが面倒なのだ。