重機のキララ(上)物理本/イメージBGMの話
かぎです。みなさまいかがおすごしでしょうか。
タイトルの通り、『重機のキララ』ep01~06を収録した物理本を刷ります!!!!
ものが届き次第boothの「あかぎ急便」で販売予定でございます。よろしくお願いいたします。
収録内容はほぼweb上で公開しているものと同様ですが、おまけとして
・追加エピソード『ご褒美』 ……汎用スケアクロウの短編
・各話解説
・あとがき
・ウルトラスーパーかっこいい表紙イラスト
を収録予定です。
今回の表紙は、普段から個人的にお世話になっている、ウルトラスーパーイラストレーターの小田ハルカさん(@aries_bug)にお願いしました!
うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
自分でお願いしたのに何度見ても動揺がすごい。見ましたか?この………この…………………見ましたか?キララがいるんですよ…………すごい………………
実物ではこちらの表紙がキラキラな紙に印刷されてよりキララがキラキラになる予定です。
小田さんは、大学生の猫が頑張るわくわくアニメ『はたらくお兄さん』や、大学教授が頑張るホラーアニメ『影鰐』などでビジュアライゼーションを担当されています。本当に何でも最高に仕上げてくれる最強のイラストレーターさんです…………………ありがとうございます!!!!!!
ちなみにロゴと装丁の担当は例によってわたくしです。よく見るとオキザリスもいるので可愛がってやってください。
こちらの物理本ですが、前作『ZENITH(ALEX THE UNDEAD)』同様、超極小部数しか作らない予定なので品切れの際はご容赦ください。
ほんとは全編完結させた頃にコミティアに出て置く予定だったんだけど、昨今の印刷業界の切迫状況を見て何か少しでも経済貢献できないかと思い、このような感じになりました。自分がめっちゃ本作りたかっただけという欲も多々ある。楽しみだなー。
今はあとがきと解説部分を頑張って書いています。これ終わったら入稿!これ終わったら入稿!!
ZENITHは連作短編集だったので全ての話にイメージソングがあった(話にしたい曲を洗い出して、もらったお題と結びつけて曲のイメージ先行で書いていた)んですが、キララは先に話が決まってから書き出したので、実は特に決まった曲のイメージがありません。
もともと『ポストアポカリプスやったから、次はサイバーパンク書こ!』という発想から生まれているので、最初のイメージは北欧のサイバーパンク風世界観エモエモメタルバンドのEmber Fallsの『DIVINE』と『Heart shaped black scar』でした。
DIVINEは「一度だけでいい、美しいものに指先でも触れられたらいい」みたいな曲です。これは本編のテーマそのまんまかもしれない。
HSBSは「彼女は俺の神を演ずる」みたいなことをずっと繰り返すかなり意味深な歌詞なんだけど、今思うとちょっとチカちゃんのモチーフになってるかもしれないなあ。曲がバリバリのバリに好き!!!!!
Ember Fallsはどの曲も全部ばりばりにサイバー厨二パンクス精神を煽ってくるし映像がかっちょいいんだよな……… 実写パートはやりすぎてちょっとダサい(褒めてる)
あと、ep06の一番ひどいことになってるシーンで「ヘッドライトの前に立ち竦む鹿」みたいな表現を書いたんですけど、あれはImminenceのDiamondsという曲の歌詞です。
Imminenceも北欧のエモい曲しか書かないバンドなので、ZENITHを書くときに「This is goodbye」を延々と聞いていた。
この話のテーマのひとつは『暗室の中の光』なので、ep05くらいまではdiamondsがこの作品にぴったりなのかなと思ってました。
ズバリ『光』ってタイトルになってるんだけど、ep05の素体くんとビルの屋上でおしゃべりするシーンは、ちょうど前半の転換ポイントだと思います。
最近まではなんとなく「まあこの三曲の間とった感じのとこかな〜」くらいの気持ちで考えてました。
でも、今『重機のキララ』のテーマソング何も考えずに決めていいって言われたら絶対にこれじゃん!!!!!という曲を思い出してしまった。
Extreme waysという曲です。
いや、これは実際は私がめちゃくちゃ好きな映画『ボーン・アイデンティティー』、そしてその続編『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』『ジェイソン・ボーン』のテーマソングです。だから本当はジェイソン・ボーンという男の人生を表した曲なんです。
(『ボーン・レガシー』はボーンシリーズじゃなかったら結構好きだった。ボーンじゃなかったら)
ジェイソン・ボーンは秘密の組織に人間兵器として改造されてしまった男で、格闘術や殺人技を反射のレベルで叩き込まれている最強の『歩く兵器』です。
彼はひょんなことから記憶を失い、自分が誰なのか、なぜこんな風になってしまったのかもわからず、訳も分からず追われ、誰かを愛せば片っ端から奪われ、ひたすらひどい目に遭いながらも自分の極限の人生に立ち向かいます。
とにかく常にひどい目に遭ってて、安息の地に住まうことを決して許されない哀しい男なんです………常に哀愁を背中に背負わされながら歩くめちゃめちゃめちゃめちゃかっこいい人です。
Extreme ways(極限の道)という曲はそのまま彼のしんどくつらい人生を表した歌で、ボーンシリーズで必ず最後にかかるテーマです。それで毎回かかるタイミングが最高なんだよなあ…………トゥ↑イイ〜〜〜〜〜〜!!!トゥ↑イイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!あ"ーーーーーーー!!ボーン!!今度こそ幸せになってくれ!!!!!!!(そしてエンドロールのモーショングラフィックスがめちゃめちゃめちゃくちゃ最高におしゃれで好き)
で、マンダロリアンのマンドーといいメトロイドのサムス・アランといい、私はそういうひたすら有刺鉄線でできた極限の道を歩きながら生きていくみたいな人がとにかくめちゃくちゃ好きなんだなあ。だからキララのキャラクター造形には間違いなくジェイソン・ボーンもモデルに入っていると思います。まあキララはビビリだし、オキザリスがいないとただのちょっと超能力使える弱い人なので、全然方向性は違うんですけど……
うわー歌詞を今改めて見るとなんかもうただただキララの今の状態にしか見えなくなってきた。これ読んでこの話書いたんちゃうんか?くらいの気持ちになってきた。
そもそもExtreme waysって最初は既存の曲を『ボーン・アイデンティティー』の最後に当てはめたものらしいんですよ!!じゃあ別にボーン以外がExtreme ways背負っててもOKだよな!?!?そうだろ!?!?
というわけで、よかったら歌詞見てみてください。て私の好きな人だいたい極限の道歩かされてるのでだいたいこの曲似合うと思います。
https://genius.com/Moby-extreme-ways-lyrics
ボーンシリーズもよろしくお願いします。カメラワークと格闘が本当にかっこよすぎて吐きそうになります。
あとキララ本もよろしくお願いします……へへ………