青柳翔さんとゆるキャンへの感謝

2021年3月7日 、夕暮れ時。
皆さんは何をしていただろうか。

私は自室の壁を見つめて泣いていた。
かれこれ数時間。日が落ちてくるのに合わせて見つめる壁はだんだん暗くなっていき、無機物すらも憂鬱を責め立てるようだった。

食事の選択も、咀嚼すら億劫な日だった。
朝から何も食べておらず、空腹を悲しみがかき消し続けている。

何があったと思うだろう。何もないのだ。本当に何もなかった。たまにある、ただただ世界が悲しくてたまらなくなる日。3月7日はそんな日のひとつだった。

その日の根拠のない悲しみはどうしようもなく、気分を紛らわすための全てを悉く拒否していた。
YouTubeのサムネが目に痛く、Netflixのマイリストがどれもつまらなく見えたり、お気に入りのプレイリストは悲しい曲ばかり、友人へ送ろうとするLINEの画面を開くのすらハードルが高い。

困った。

更新されないツイッターのTLをどうしようもなくてとりあえず引っ張った時。

【ライブ配信】
#劇団EXILE
#青柳翔
#CL でキャス配信中

CLキャスの通知だ。
私のCLはバグっているので、アプリから直接通知が来ない。キャス配信に気付けるかどうかは運である。

縋る気持ちも残っているとは言えず、ただこの憂鬱に、生身の人間のBGMが欲しい。何も加工されていない生の声。ダメだったら停止するしかない、もう今日なんてどうだって良い。

そんな気持ちでCLを開いて、青柳翔さんの赤い丸をタップした。

「おすおすおすおすおすおすおす」

ふふ。

ものすごい安心感。いつものゆる〜くテキトーな挨拶、コメント欄は慣れたものでみんなおすおす返している。

そして何故か、みんなで何かを見ようという流れになった。我々オタクがよくやる同時観賞会だ。青柳さんと、コメント欄であれでもないこれでもないと話し合いが始まって、その時のコメント欄の優しさといったらなかった。
一瞬何を見るか決まらないまま流れるかと思われたが、ファンの皆様が提案を重ねて優しく引っ張ってくれた印象がある。

結果、我々は青柳翔さんとゆるキャン△1話を見ることになった。さっきまで押せなかったNetflixの再生ボタンを、私は押せていた。

青柳さんのゆるゆる実況を聞きながら話は進み、キャラクターがカップラーメンを食べるシーン。あ、美味しそう、そう思った。美味しそうで溢れるコメント欄と、キャンプ地で食べるカップラーメンが美味しいとか、確か青柳さんが言った気がする。
お腹が空いていることに気がついた。

私は青柳翔さんと、沢山のファンの方々とゆるキャン△1話を見た。

同時観賞会が終わっても配信はもう少し続いて、キャンプの話とかファンミの話とか、そういったことを話したと思う。
配信が終わってロケットの画面を見た時に、ご飯の時間だな、そう思い、涙は止まっていた。

その日初めて口にした固形物は麻婆豆腐だった気がする。

この日にキャスを配信してくれた青柳翔さんには感謝している。
勝手に少し元気になることができて、本当に嬉しかった。

ゆるキャン△で良かった。何もかもがちょうど良く暖かかった。

そしてあの空間を一緒に作って共有してくれたファンの皆さんにも本当に感謝している。

青柳翔さん、ゆるキャン△、ファンの皆様に、勝手に感謝しています。
ありがとうございました。

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