「私と大晦日と2つの物語。(12月31日)」
*
今日は大晦日。今年も24時間を切りました。
私は大晦日というと、2つのお話を思い出します。
「笠地蔵」と「マッチ売りの少女」。
どちらも大晦日を舞台にした物語なんです。
*
「笠地蔵」は、貧しいけど心の優しい老夫婦とお地蔵様の物語。
新年祝いをするためにお爺さんは、町で笠を売ろうとするが一つも売れないうちに日が傾き、雪が降り始めてしまう。
諦めて帰路を急ぐ最中、吹雪の中にお地蔵様を見掛ける。
雪に埋もれる姿をふびんに思い、売れ残りの笠を被せ、足りない分は、自分の笠と手持ちの手ぬぐいをあげて帰ります。
*
お金を得られず、さらに自分の笠や手ぬぐいまでをも、失ったお爺さん。
お婆さんは最初こそ呆れるが、心の優しさに共鳴する。
その夜、家の外から聞こえた物音に、二人が戸を開けると、お餅やお正月祝いの山海の恵み、そして財宝が残されていた。
吹雪く景色の遠くに見えたのは、お地蔵様たちの去り行く姿。
老夫婦の優しさと、それに答えたお地蔵様の心暖まるお話です。
*
一方の「マッチ売りの少女」は、
誰一人として困窮する少女に救いの手を伸ばさずに、飢えと寒さの一夜の後に、少女は昇天してしまう。
唯一の救いは、大好きなおばあ様に導かれ、天国に召されたこと。
*
現実は「マッチ売りの少女」の世界のような
「無関心」が当たり前な世の中だけれど、
今、暖かなお部屋で大晦日を過ごすあなたには、どうか「笠地蔵」の優しさを心に持っていて欲しいのです。
私が思考の真ん中に置いていること。
「心」の大切さをどうか、あなたのはぁとに尋ねてみてくださいね。
(MIYABI)
いいなと思ったら応援しよう!
ご支援くださり、ありがとうございます。くださったチップは、楽譜やご本の購入代金に使わせていただきます。