MASSARA振り返りと考察①
今回のnoteではMASSARAの登場人物の分析(?)とこの世界で起きたことを時間軸に沿って整理し、今後の記事で考察を行なっていこうと思う。
文章の粒度の違いがあり読みづらかったり、見逃し部分もあるかも知れないが、ご愛嬌ということで。
生い立ち
今回の舞台を紐解くにあたり、各登場人物の生い立ちを理解するところから始めるべきだと思ったので、なんとなく登場人物を分析をしようと思う。
ケイ(矢花)
おばあちゃんから貰ったプレゼントに愛着をもっているところから、おばあちゃんっこだったことが伺える。一方で、両親の話が一切出てこないことから親がいない可能性がある。
【性格】
・高校入学当時は知り合いがおらず、カメラを取られた時も取り返せないような、控えめでオドオドとしているところがある
・「自分には何もない」と言っており、かなりのネガティブ思考
【進路】
・高校卒業後の進路についての言及は無し
・事故当時はおばあちゃんの家に居候しており、特に何もしていない
【その他】
・モノクロカメラ(=モノクロのフィルムが入ったカメラ)を常に持ち歩いている
・話の節々から色覚異常があるのではないかと考えられる
タカヒコ(大光)
酒屋の息子でハルキの幼馴染。
ハルキが丸くなってしまっていることが許せないと言っているが、酒屋を継ぐことが決まっている自分とは違い、何にも縛られていないハルキには夢を持ち続けてほしいという思いを持っているのではないか。ハルキに自分を重ねている部分があるのかも。
【性格】
・ウケ狙いの発言をしながらも、ケイへの発言に気を遣う点からも思慮深い性格だと考えられる
・一番に病室に駆け込んでいるところから仲間想いな一面があるのかも
【進路】
・大学はハルキとリョウタロウと同じだが、学部は異なる
・実家の酒屋を継ぐ
【その他】
・誰も「タカヒコ」呼びをしない
カズト(克樹)
教育熱心な親に育てられる。姉がいるが、大学在学中に駆け落ちし行方不明。高校受験に失敗し、自分のレベルよりも低い高校へ進学。大学受験で挽回しようと熱心に勉強していた。
【性格】
・親に敷かれたレールを実直に歩くいい子ちゃん
・切った梨をタッパーに詰めて、つまようじまで持ってきてくれる、用意周到なタイプ
・カメラが傷ついてないことをケイに単刀直入に言ったりするところから、言うところは言うズバズバ系かも。心に寄り添うよりは論理的に問題を解決させたいタイプ?
【進路】
・良い大学へ入学し、そのまま院進
・大学院進学以降の明確なビジョンが存在しておらず(自分自身が思い描くビジョンがない)、普通の会社に入社しそうだと言っていた(はず)
【その他】
・親に敷かれたレールを歩いているが、一歩間違えたら親からめちゃくちゃ責められそうだし、本人もどこかで爆発しそう
ハルキ(嶺亜)
タカヒコの幼馴染で、幼いころは沢山夢を持っていて”何者か”になりたいと思っていた。あっけらかんとしているように見えるが、今に満足しているんだと自分自身をだましながら生きている。実は感じていることは一番ケイに近そう。
【性格】
・口は軽いが、さらっとフォローするような優しさをもつ
・何者かになりたかった人で、おそらく無邪気で自由人
└モラトリアム期間の消滅とともに「何者かになりたい」欲求が抑えられている
【進路】
・大学へ進学(リョウタロウと同じ学部)
・冷凍食品系(メーカー?)の会社に就職
大学以降は同じ学部に進んだリョウタロウと仲がよく、それもあってなんとなく同じ会社に入社することになった。
【その他】
・半同棲中の彼女がおり、毎日弁当を作ってもらっている。結婚秒読み
リョウタロウ(こんぴー)
昔はアイドルやスターにあこがれていた。バンドを組みたいと言った張本人であり、大学以降は同じ学部に進んだハルキと仲がいい。また大学時代もバンドを組むなど、活発に活動していた。
【性格】
・彼女を文化祭に呼びたいがためにバンドを組みたいと言い出すロマンチスト
・一方でバンドでは食えないと活動を辞めるリアリストでもある
【進路】
・大学へ進学(ハルキと同じ学部)
・仕事に関しては明言されていない(てか覚えてない)が、ある程度自分の意思で入りたいところに入社したと考えられる
【その他】
・カフェでナンパされたり、バンドも組んでいたことから、常にモテてそう
・ケイだけは「リョウタロウ」呼び、他メンバーは「リョウちゃん」呼び
ダン(琳寧)
高校入学当時から細マッチョ。高校時代は野球をやっており、スカウトが見に来るほど上手かったらしい。筋肉ギャグをよく言う。所謂脳筋で、言い間違いもするし思ったことをすぐに口に出してしまうところがあるが、どこか憎めない明るいやつ
【性格】
・かなり寛大な心の持ち主で、なるべく人に心配をかけないようにしている
【進路】
・父親の容態がよくなかったため、進学をあきらめて鳶職をしている
【その他】
・田舎だったらもう子供2人いてマイホーム建ててる
時系列
今回の記事において、時間軸をわかりやすくするためになんとなく年月を設定して記載する。なお使用している台詞はニュアンスである。
2017年 高校入学
入学早々、教室内でシャッターを切ってしまうケイ。カラフルな制服をまとった一軍男子らにケイはいじめられそうになるが、タカ、カズト、ハルキ、リョウタロウ、ダンが助けに入ってくれる。
喧嘩には負けてしまった6人だったが、これが仲良くなるきっかけとなり、ケイが初めて5人の写真を撮る日となった(初めましてなのに助けてあげるって優しすぎないか?)。
全ての物語の始まりである。
2019年2月 甘酸っぱい恋
駅前のカフェで働くエリちゃんに恋したタカヒコ。
レシートからも温もりを感じてしまうほどゾッコンな彼は、何も知らないエリちゃんとの出会いを運命だと感じ、脳内妄想大爆発させる。
そんな中、6人が偶然にも公園で出くわした時に、バレンタインにチョコを貰ったかという話でエリちゃんとリョウタロウが知り合いでいい感じだと判明、それと同時にタカの失恋も決定してしまう。
悲しみにくれるタカヒコを慰めるために、4人はカフェの飲み物ではないペットボトル、缶、ラムネ、牛乳パック(飲みづらそう)をあげるのだ。
ここで誰1人としてラテをあげるという傷口に塩を塗るようなことをしないところに人柄の良さが出ている。
2019年秋 学祭
エリちゃんのためにバンドをしたいリョウタロウ。
5人にバンドをやってほしいと頭を下げ、文化祭に向け準備をする。
バンドの練習風景では一人ひとりにスポットライトが当たるときは青に彩られる。デンモクを持ってカラオケで歌の練習をするリョウちゃんかわいい。
一方、カズトは受験勉強の合間にこっそりとバンドの練習をする。勉強をしていると嘘をつきながら練習をしている彼は「何が正しくて何をすれば良いのか」と、親の期待など様々なものに挟まれ葛藤していることがわかる。
バンドシーンでは赤が差し色として使用されている(ベース、ダンのギターストラップ、キーボード)。
2020年夏 ダンの職場見学
大学一年の夏。
ダン自身は大学へは進学せず、鳶職として働いている。父親の体調が芳しくなく、進学を断念せざるを得なかったらしい。
ケセラセラ(なんとかなるさ)を唱えて働くダン。できないこと、叶わないこと、うまく行かないこともケセラセラを唱えることで自分を鼓舞している。
ダンは置かれた場所でどう咲くかを考えてる達観した男である。
ケイの一言で5人はダンの職場見学へ行く。その際、タカヒコはダンに黄色の花をねぎらい?就職祝い?で渡す。割と気を遣えないプレゼントである。このシーンでは5人に黄色のヘルメットが渡される。
2024年 ハルキの職場
リョウタロウと同じ会社にふわっとぬるっと入社したハルキ。
無機質にPCをカタカタと打つサラリーマンたちと変わらず、個性もなく仕事をし続ける無表情のハルキ。
普通のことはしたくないのに普通になってしまっている自分に、どこか無気力になってしまっている。
鏡に映った自分を見て、より一層惨めに感じているのかもしれない。
同年 ケイの転落事故
撮影に夢中になっていたケイは”うっかり”階段から転落する。しかし撮影中の事故だったにも関わらず、カメラには傷1つなかったのである。また、劇中冒頭のシーンで絶望に近い表情と飛び降りる姿が描写されている。
このことから(ケイは5人に対し足を踏み外したと一貫して伝えているものの)、自ら身投げしたと考えられる。
同年 病室
骨折したケイは入院し、その旨を6人のグループラインへ連絡。ケイの骨折という一大イベントにより、6人は数年ぶりの再会を果たす。
病室にはケイが撮影した写真があった。それらを見返していると、6人の思い出話に花が咲いた。その写真から各回想へ。
同年 病院の外
面会時間が終了したが、もう少し一緒にいようと6人は病院を抜け出す。
過去を振りかえり、過去の自分が夢見ていたことや夢中になっていたことを思い出すことにより、今の自分を見つめ直し、自分色を見つけようとする。
きっと5人は明日も変わらない日々を過ごすかもしれないし、ケイは偶然の産物で明日をゲットしたわけだが、これまでの日々と変わらないかもしれないが、それでも心持ちはきっと変わるのだろう。
最後に6人で記念撮影をする。
染められる側だったケイが写真に写りこむことで染めることができる側へとなった、もしくはそれを本人に認知させることができたのではないか。
これまで撮る側ばかりだったケイを含めて写真を撮り、この物語はエンディングを迎える。
あまりにも長くなってしまったので、この後の考察は別で書く。よろしくお願いします。