ep.28 ランデブーの準備は万端だからさ
まだ陽のある時間に帰宅できて、それにこのところぐずぐず続きだった天気もきょうに限って快晴で。ベランダからは満開の桜が見える。くぅ〜100点。こんな春の日、ご機嫌になってしまうに決まっている!
急いでコーヒーを淹れて、98円で買ってきたハーベストを準備する。アウトドアチェアをベランダに引っ張り出して、あとは読みかけの本も持ってこよう。最高の夕方をつくるべく火のついたわたしは、家のなかをせかせかすばしこく動き回る。
満を時して、どでんとチェアに座り、さあはじめようと夕風を浴びる。コーヒーカップに手を伸ばしながら、ハーベストの袋を開けながら、本の栞を引き抜きながら。……そのたび、見て見ぬ振りしようかと思ったけど、どうしてもよぎる、見逃せない事実に気づいてしまった。
思ったより、夕方は寒い。
こんばんは。たまです。おとなしく撤退して、こたつに入ってしまって、どうも春は初心者なわたしです。
今夜の1曲
PJ MortonのReadyを。
余白のある自由なピアノの音の粒がたのしい。そして、ソウルフルで優しいPJ Mortonの歌声。ジャズの生まれたニューオリンズ出身というルーツとか、ゴスペルと密に育ったバックボーンとか。きっと自然に必然に自身を形成してきただろう音楽たちが、これまた自然に必然に溢れて、流れて、鳴っている、ように思わせる。そのオーガニックともいえるような循環はほんとうに軽やかで、平日のたまった疲れからわたしをふ〜っと解放してくれる。
リズムに乗って、メロディーに乗って、だいすきな音楽に身を委ねて、ハッピーウィークエンドを迎える準備は万端です。
4月ってほんとうに心もからだもゆらぎやすい季節。だからか些細な言葉にも容易に傷ついたりもしてしまうわけなのだけど。
きっとこれもそのうち癒える、だいじょうぶ、と落ち着いて構えられた自分に今週はなれたので、週末でろでろに甘やかす所存です。なれてなくてもきっとそれはそれで甘やかしてそうだけど。いいのいいの、らぶまいせるふ。わたしとわたしのランデブーだ。
今週もおつかれさまでした。あなたも、わたしも。