海苔を炙る子ども

俺は味覚には2の軸があると思っている。1つは味覚が発達しているかどうか。もう1つは食べることが好きかどうか。俺は味覚は発達しているが食べるのがそんなに好きではない。だからゆで卵だけで1ヶ月過ごしたりできるし、栄養バランスがよければ味は食べれればよい。

食べることが好きかどうかは本人の性格だと思うが、味覚の発達は環境に関係がある。海原雄山の子どもは舌に自信のある新聞記者になる。それは自身の性格とは無関係だろう。

俺は子どものころからグルメな父親が近くにいた。父親は海に近いところで生まれて、味にうるさかった。特に魚にはうるさく、少しでも生臭い魚は食べなかった。

海苔もその例に漏れず、都会のスーパーでは売ってない種類の海苔を買っていた。それを冷凍保存しておいて、食べる直前に火に炙っていた。炙ったのりをおにぎりなどにしていた。子どものころは海苔はそういうものだと無意識に考えていて、自分でもよく海苔を炙って食べていた。しかしそれは少数派で、大半はそのままうすい味の少ない海苔を食べたり、味つけでごまかした海苔を食べている人たちがほとんど。海苔のうまさを議論する余地はないことを知った。

海苔にうまいまずいがある。それを知っている人はうまい海苔を食べたことがある人だけだ。海苔にお金をかけるのは金持ちか我が家の父親のような変わった人間だ。別に海苔の味を知っていてもいなくても人生の大半には関係がない。

ここまで海苔の話を書いてきたが、言いたいことはこれだ。「最近のスシローの海苔がうまくなっている。」間違いなくスシローは海苔に金をかけた。明らかにうまさが変わっている。スシローの関係者は素晴らしい。わかっている。海苔がまずい寿司屋はグレードが低い。サボれるところでわからん人が多いからだ。ただ、俺はわかる。スシローはえらい。だからこのままにしといてくれ。効果なしと判断されてグレードが下がると悲しい。みんなもスシローで海苔の味の変化を感じてくれ。

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