長く続いているコンテンツに興味を持った人へどう伝えたらいいか
今までまったく興味を示さなかった知り合いが突然とあるコンテンツに興味を持った。おすすめは何か?と聞いてくる。そんなことがあるだろう。
例えば『鬼滅の刃』だったら楽だ。アニメを時系列で追ってもらえばいい。だがこれが長期に渡るコンテンツだと最適解がはかりかねる。
息の長いコンテンツだと1980年代から始まってたりする。40年前。そうなると時系列で追うといいとは言えない。古すぎる。当時の良さはあるにはあるが、その時代でよかったものを2024年に持ってきていいのだろうか?昔と違いコンテンツは選べ過ぎて決められないほどある。我慢して鑑賞できるほど今の人間は暇ではない。少なくとも観てて、続きが気になる、と思わせなければならない。そうなると時系列ではダメなケースがほとんどだろう。
自分の一番気に入っているものをおすすめする。考えによってはありだろう。ただし年齢が近いことが前提となる。あまりに離れてる場合は価値観が違う。そうなるとおすすめのひとつにはなるが、これをみろ!とは言いきれないのだ。絶対に我々は子どものときにインスピレーションを受けた作品を引きずっている。誰かにおすすめするときにそのインスピレーションは正直邪魔だ。『ウルトラマン』は確実に俺の中に大きな存在で、特撮コンテンツならおすすめしたいとは思う。でもそれを今の20代が観てはまるとは思わない。せいぜい『シンウルトラマン』の視聴をすすめて、刺さるかどうか?五分五分以下かなと感じる。
なら、単純に最新作をすすめる。これはいいとは思う。でも最新作の質がどうなのかは知らないとダメだ。『聖剣伝説』のナンバリング最新作は4だが、4を人にすすめることはできない。あれ?4ってまだだっけ?息の長いコンテンツあるあるで最新作が転んでる、なんてことはざらだ。息の長いコンテンツだから多少転んでもびくともしない。実際聖剣伝説はナンバリングじゃない作品名で続いている。
最新作がリメイク作品だった場合、素直に最新をすすめるべきか?『ドラクエ3』は最新リメイクが今度出る。ではドラクエを初めてプレイするのがドラクエ3であることは適切かどうか?これは判断しかねる。1から続く仕掛けがあるからどうせなら1からのほうないいか?いやしかし時間軸は?でも1はさすがにシステムとして洗練されてなさすぎる。なんて考えてるとどうしたらいいかわからなくなる。
結局10年程度さかのぼった中で比較的大衆に受けた作品を紹介するのが無難だ、というのが俺の結論となる。なぜ10年かというと最新の論文でも信用するのは10年前までにしろって誰かに言われたからだ。誰かは忘れたし、論文なんて読まないけど、なぜかこれは本質をとらえていると信じてる。
自分の感覚は正しいとは思うが、相手の感覚はわからない。わからないのだから信用してはいけない。面白いと思えるかどうかは生きている時代で変わっているから。面白いコンテンツは時代に乗っている。コンテンツに興味を持った人がどの時代に乗っているのかがわからないとおすすめするのは難しい。