もっと働いていれば良かった?
ふと考えることがある。「もし、もっと働いていたら、今の中途半端な位置にはいなかったのではないか?」と。今、1億円の資産はある。けれど、フェラーリやタワーマンションを買ってしまったら、それもすぐになくなる。だから、買わない。
その代わり、コンビニでは好きなものを好きなだけ買えるし、ハイブランドや旅行だって、我慢しなくていい。女の子にはモテるし、ギターだって上手い。これだけ聞けば、人生を謳歌しているように思える。けれど、胸のどこかに引っかかるものがある。
受験勉強の時、1日12時間以上机に向かっていた。あの頃のように、何かに全力で取り組んでいたら、今の俺はもっと突き抜けた存在になれていたのではないか、と。今の自分は、ただ気分を紛らわせているだけではないのか、そんな考えが頭をよぎる。
しかし、今となっては、もうこの生き方しかないのだろう。働いて稼ぎ、その稼ぎで人生を楽しむ。それが今の俺の現実だ。何の不満もないはずなのに、まだどこかで満たされていない。
あの頃のように、夢中になれるものが見つかればいいのだが。それがない限り、この感覚は埋まらないのかもしれない。